愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

競争

2008年12月02日 | 卒論
ゼミでは今,3年生,4年生たちが瀬戸際を迎えています。

3年生は,つぎの土曜日に開かれる名古屋マーケティング・インカレできちんと発表できるかどうか。4年生は,卒業論文がきちんと出せるかどうか。春学期から振り返ると,3年生はかなり能力が向上してきたように思われます。何がやりたいのかいまひとつ分からない5月の研究テーマ設定時からすると,今は何をやろうとしているのかが伝えられるようになっています。4年生は,正直いうと,春学期からあまり進歩がありません。あいまいなままの卒論テーマを引きずったまま,とにかく資料を写して,字数稼ぎをしているものが多い。最後部分の分析や提案ではきちんと根拠を示しながら,独自の論理を展開して欲しいと指示していますが,いまひとつきちんと展開できていません。思いつきに留まっています。

3年生と4年生の成長の違いはなぜ起きたのかを最近考えてみました。一つは4年生の就職活動ということがあったでしょう。これが勉学を阻害しているのは,ほとんどの大学で指摘されているところです。しかし,卒論に関していうとこれはあまり大きな理由ではないかもしれないとも思います。なぜならば,大半の4年生は卒論とわずかな科目を履修すればいいだけなので,就職活動が忙しくても,卒論には十分集中できるからです。しかも,今年度は就職活動は秋までに収束しました。その後はたっぷり時間があります。もう一つは,競争が課されていないということでしょう。3年生は名古屋マーケティング・インカレで他大学と競い合っています。しかし,4年生の卒論はあくまでゼミの中だけで発表が行われ,評価は教員の私がするのみです。競い合う意識が希薄です。学生は甘えの気持ちを持っているようです。

教育から競争を排除しようとする動きは初等教育や中等教育段階ではよく見られます。この是非は私には分かりません。ただ,大学教育では競争は非常に大事であると思います。ビジネス界では競争が企業のイノベーションを促進するのですが,大学教育では競争が学生の能力向上を促進します。そして,精神面も鍛えます。4年生の卒論でどうしたら競争環境が作り出せるのか考えなければなりません。そうしないと,今年がんばった3年生たちも来年度は結局ぐだぐだになってしまうからです。

コメント
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