アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

魅惑のロネ編成 降臨!~A寝台車オロネ10

2020-07-07 16:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

有難いことに、今の鉄チャンに夜行急行列車は大変な人気のようで、いつになく多くのアクセスを頂き恐縮している。前出の画像は、12系・14系客車に置き換わる前の時代だから、もちろん国鉄時代、雑形客車編成は1980年代初頭くらいまでだろうか。アントンKもその時代は、鉄チャン真っ只中には違いないが、撮影技術がまだ発展途上の感があり、こうやって多くの読者の方々に見て頂けるような写真ではないと思っている。が、同時代を生き抜いてきた尊敬できる方々からのリクエストを頂いた以上、あの時代までフィードバックして、思い出を振り返るのも悪くはない。少しでも心癒されるのなら、これからも喜んで拙ブログを続けて参りたい。

さて今回は、40年以上経っても忘れられない、今もはっきり思い出に残る列車のシーンを掲載する。前出の「津軽」にしろ、「鳥海」にしろ、当時を思えば定期の急行列車だから、毎日でも見ようと思えば見られた列車たちだが、ここでの列車は、団体臨時列車という括りの普段はなかなかお目にかかれない列車となる。しかもA寝台車(オロネ10・オロネフ10)のみの編成という大変珍しい列車だ。おそらくこの時の団体列車以降、このようなロネのみの列車は運転されていないはず。このオロネ10という客車自体、これ以降数年で消えていっただろうから、あるはずもない訳だ。

当時は鉄研の諸先輩方に、鉄のいろはを叩き込まれていた時代でもあったが、未明に送迎して頂き、一路根府川へと向かった。まだうすら寒いミカン山にこもり、東上するブルトレを横目で見ながら、ひたすらロネ編成の団臨を待ったのだった。この本命の列車の筋は、東京を6時に出る創臨スジで下ってくるのだが、定時には姿を見せず、遅れが発生している模様。今だったら、SNSで状況把握も楽勝だが、この時はひたすらいつ来るのか待つしかなかった。とにかくカメラを構えて緊張しながらの待機をこの時初めて味わった。遅れれば遅れるほど、朝日が機関車正面に回り都合が良いと興奮したことも懐かしい思い出。約90分の遅れを以って、EF58のオールロネ編成が現れ、SGを吹きながら朝日が眩しい鉄橋へと滑り込んできた。アントンKは、まだ購入仕立てのバケペンにモノクロフィルムを装填し、三脚使用でシャッターを下ろしたが、シャッターを下ろそうとしたその時、東上するブルトレ8レ「富士」がファインダーに逆から飛び込み肝を冷やした想いが未だに忘れられない。撮影後、あまりの興奮状態だったのか、それまで使っていた三脚をそのまま忘れてきてしまい、あとで先輩方に持ち帰ってもらうという大失態も今では笑い話になっている。

半世紀に迫る昔の写真の話題だが、今こうして振り返ると、一時の珍しい列車よりも、定期列車として、当時の風景に溶け込んできた列車たちの方が、懐かしく感じるのはどうしてだろうか。日常の光景が、時間とともに変わっていくから、多分そう思うのだろう。歴史は繰り返すというから、現代のシーンも半世紀後には懐かしく感じるはず。こうやって、この鉄道趣味が永遠に繋がっていくことをアントンKはいつも夢見ている。

1978-11-06    6313ㇾ EF58 97 ロネ編成6B 東海道本線:根府川-真鶴

 

 



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