
長いデッキに、前に突き出た大きなパンタ!旅客列車の先頭に立ち突っ走る姿こそEF57最大の魅力であり、アントンKを鉄道撮影の虜にした最初の機関車だった。
当時、自分の周りにいた友人は、それまで蒸機撮影に命を懸けてきた人たちばかりで、車輛を見つめる時の温度差は最初感じていたが、友人に誘われ初めてEF57(ゴーナナ)を見た時、一気にその魅力に取りつかれていった。いくらゴーナナがカッコいいと思っても、早々出会うことはできない。情報源は雑誌や友人からの人づてだったから、今にして思えば不確実なことも多かったが、たとえ外されても悔しい思いが次に繋がっていった。過渡期の時代であり、ダイヤ改正を待たずしてEF57はリタイアしていくのを目のあたりにしたが、このゴーナナを駆逐したのがEF58なのだから、どこか不思議なものだ。当時は、憎きゴハチという思いであり、ゴーナナのつもりで線路端に待機していて、遠方からブルーの車体が見えると落胆したもの。そんな懐かしい悔しい気持ちは、いまだに忘れられないでいるのだから、今が幸せなのかもしれない。
機関車の番号を意識しだしたのもこの頃からか。EF57は、15台のうちアントンKが撮影し始めた時には、1/3/4/5/7/9/11/13/14/15の10台が稼働していたと思うが、日を追って休車が増えていった思い出がある。そういった機関車の情報など入手は困難だったが、当時の東京テレフォンセンターに電話して、翌日のゴーナナの運用は教示してくれたのだ。いま思っても画期的なファン向けのサービスだと思うが、それだけゴーナナのファンが多く人気だったのだろう。アントンKも、わからないなりに、とにかく1日でも多く線路端に立ち、ゴーナナを仕留めようと躍起になっていた若い時代だ。今でもあの頃のバイタリティがあれば?と考えてしまうのは情けないか・・
夏休みに上野で撮影した急行「八甲田」EF5713けん引。正確には、回送で尾久に推進回送していく姿。特にEF57の写真については、駆け出しの未熟な写真ばかりだが、一番思い入れがある機関車としてこのブログにも上げてきた。お目汚しをご容赦願いたい。
1976-08-24 回102ㇾ EF5713 上野駅
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