広域指定爆笑団・全日本茨咲連合会

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[本]だから山谷はやめられねえ

2006年02月20日 | 読書部
○だから山谷はやめられねえ
~『僕』が日雇い労働者だった180日~ 塚田努 幻冬舎 1400円

就職活動に価値を見出せなかった一人の大学生が、ドロップアウトした先は山谷・ドヤ街。
職安での仕事探しから飯場暮らしまで、約一年の「肉体労働ドロップアウト」の日々の体験記。

オイラは父が土建屋を営んでいた関係もあって、
学生時代の長期休みのバイトは『土方』と決まっていた。
なので筆者が働いた『現場』の様子はよくわかる。
しかしさすがに山谷の様子は知らなかった、へ~こんなトコだったんだと素直に関心。
山谷の意外な(優しい・良い)面が実際の住人の目線で描かれておりよくわかる。
それと、山谷と『飯場』の違い、ここにもある階級ヒエラルキーなど読みどころは盛り沢山&新鮮。

『そこでしか生きられない、そこが快適な人たちもいるのだ』との筆者の思いに
オイラは強く共感もした。
そう、それは「きれいなだけの社会」がなにかのっぺらした、
うすっぺらいものだと違和感を感じるタイプの人間にはよく理解できると思う、
もちろんオイラもそっち側だ。

でも現実はちがう、着々と社会は「きれいな」方向へ進み、
いかがわしいものや汚いもの、怪しいものはますます整理・排除されつつある。

そんなに「きれい」がいいのかなあ・・・?