![kasagi_siduko](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/14/cb569e5569cb55b1cb5b38b58cfa02e9.jpg)
というのも、淡谷のり子は「ブルースの女王」であり、笠置シヅ子が「ブギの女王」と言えば、だれしも頭の中に描くのは「ブラック(アフロ・アメリカン)・ミュージック」であり、黒人の文化と歴史だ。そう、彼女たちはこの国におけるブルースとブギブギというブルーノートな音楽性を伝えた伝承者であるはずだ。だが、「ブルースの女王」のブルースはむしろ、ブルージィなブルーノートのブルースではなく、この国の歌謡の伝統と音階に基づくものだった。
笠置シヅ子のリズカルなダンス・ミュージック性はその意味でも、この国のボーダーを越えたものだったと言えるかも知れない。
笠置シヅ子については、またあらためてふれることにする。
そこで、ボクはララリーヌさんの歌う姿をあらためて見て、「平成の笠置シヅ子」と思ったのである。スィング感、バイタリティあふれる歌い方……ああ、ボクがなぜか引き付けられていたのはこの感覚なんだなと思い至ったのであった。
ボクは、この「平成の笠置シヅ子」ララリーヌさんを、応援したいなと思ったのである。いまや、忘れ去られようとしているひとりの黒い歌手であった笠置シヅ子を思い出させてくれただけでも、このひとの目指すものは面白い、と、そうひとりごちたのであった。
(ライブ・エイド続報その2/終わり)