風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

「神座」と思い出の「スカラ座」

2005-02-02 21:32:14 | アングラな場所/アングラなひと
scalaza2002年暮れに閉店した歌舞伎町のツタのからまるクラシック喫茶「スカラ座」の跡地は、もう誰でも知ってるだろうが「神座(かむくら)」という関西系のラーメン屋の東京そして新宿ラーメン戦争殴り込み参戦の根拠地となった。普通なら、雑居ビルとなるところを「神座」1軒で独占した。その勢いは、ある意味凄い。おそらくビジネスチャンスとしての社運をかけたのだろう。しかし、何かで見たが関西の本店は、その外装がまるで靖国神社の社殿のようなデザインをしている(「神」の「座」という、神道的な名前からこういうデザインを選んだのだろうが、「社殿」の中で五穀豊穣でなく、ラーメンは食べづらいなぁ、ボクは……(笑))。

そのせいかどうかは知らないが、新宿歌舞伎町店はなんというか丸いスロープ状のカウンターでかこまれた、どこかカフェ風の作りになっている。というか、入り口のチケットを買うところからして、ラーメン・アミューズメント(?)をめざしたのかと勘ぐりたくなる。どこか、遊園地をイメージしてしまうのだ。
いやいや、今日のテーマは「神座」ではなく、「スカラ座」の方なのだ。しかし、この共通の「座」は、たんなる偶然なのだろうか?

「スカラ座」は、1954年4月に開店した。今年、51年目になるところだったはずだ。
かっての「スカラ座」を知らない人には、ましてやそこがクラシック喫茶だったと言えば、興味がないだろうが、その店は嶽本野ばらの『カフェー小品集』の1編の舞台になってるよと言えば、興味がかきたてられるかも知れない。
実際、「スカラ座」の最後の日々にはゴシックロリータ風のウエイトレスがいて、きっと嶽本野ばらファンの娘さんだったんだろう。その黒ゴロリのファッションもなかなか良かったんだが、ボクは地味な修道女のようなコスチュームも好きなのだ……。と、どうも、そこまで言うとコスプレファンなのかい?と言われそうなので自分で突っ込むのもそこまでにしておこう。
実は、ここで明かしてしまえば「スカラ座」はなくなった訳ではなく西口の小田急エースの地下に移転したのだ。今年、どういう訳か(ま、閉店の時行って御亭主に住所を残してきたからだろうけど…)年賀状をもらったので、義理で(?)宣伝してあげることにします(笑)。
で、そこでも「50周年」をうたってますので、移転存続しているという風にお店でも考えてるようだ。しかし、なんだろう。移転休業していた2年間をどう計算して、今年50周年にしたんだかは、ボクにもわかりません(笑)。

(写真は最後の日の「スカラ座」)