目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

秋雨前線立山逃亡記~能登Part1

2011-08-24 | まち歩き

001img_5220何でだろう。北アルプスを計画すると雨にたたられる。
今回もまた雨になった。しかも状況は刻々と悪化し、目も当てられぬ事態に陥り、結局山は断念。予報で唯一雨マークがついていない能登に移動することになった。

計画変更の経緯と実際にどうなったかを記そう。当初の計画は、これ。
8月18日(木)出発 新穂高、鏡平山荘泊 19日 三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶小屋泊 20日 水晶岳往復、雲ノ平、雲ノ平山荘泊 21日 双六小屋泊 22日 新穂高へ下山 

出発の日は雨でも、2日目、3日目が晴れならば決行とした。しかし週間予報の天気は今イチで、秋雨前線の進み具合で、北アルプスの天候は暗転しそうだった。出発が近づいてきて、ダメそうな場合の北海道羊蹄山とニセコアンヌプリ計画を練る。

そのうち秋雨前線がうまく抜けそうだと楽観視する。このコースは2度も雨で断念しているので、3度はさすがにないだろうとの希望的観測もあった。この時点で北海道行きはやめにした。出発の日程を1日繰り下げ、8月19日(金)にし、前線通過後の晴れを期待した。

8月18日(木)時点の予報で晴れマークがついているのは、8月21日(日)のみになった。22日以降は降水確率40%の曇りマーク。ああ北海道がよかったのかとちょっと後悔する。雲ノ平はこの時点で断念。行ってもたぶんガスっていて何も見えないだろう。1泊2日の大日岳縦走と室堂に泊まっての折立、大汝山、雄山、浄土山行きに変更する。

8月19日(金)出発。天気は予報どおり悪い。車で移動中に5:00発表の予報をみると、昨日と同じ。立山駅には11:00頃到着。今日はマイカーで称名の滝散策だ。明日は立山駅前の駐車場に車を置いて、バスで称名の滝駐車場まで行き、そこから大日岳登山口を目指す。

案内所へ行って明日の称名の滝までのバス運行を確認すると、なんと現在通行止めでバスは手前までしか行っていないという。降水0ミリ3時間継続で通行止めは解除になるが、お役所仕事は遅いからねえと。でももう雨が止んで3時間くらいだから、午後早くに解除になるんじゃないかという。それならごはん食べているうちに解除になるだろうから、称名の滝へ行こうと山の神に提案する。

駅前のアオキで私はちゃんぽん麺、山の神は飛騨牛のコロッケカレーを食べていると、雨がフツーに降ってきた。ああダメだ。この分だと、明日もバスは通行止めで称名の滝まで行かない。ということは大日岳縦走はムリだな。11:00発表の天気予報をみると、唯一晴れマークのついていた8月21日(日)が雨に変わっていた。うなだれる。とりあえず富山市内に移動して、うまい海産物でも食って、気分転換だと、富山市内のビジネスホテルを物色する。アパホテル富山を予約。

富山市内に入り、富山県立近代美術館でピカソやミロを見て、ホテルのチェックインタイムまで時間をつぶす。美術館の窓から立山方面を見ると、黒い雲がべったりとくっついているのだが、ここは日がさしている。皮肉なものだ。無為に時間をつぶしていると、何しに来たのだろうと、徒労感が募る。

ホテルにチェックインし、別館の温泉施設へ入る。人は少なくゆっくりとお湯に浸かって快適だった。1Fの居酒屋で、地酒の立山をあおりながら、明日はどうしようかと山の神と相談。明日の朝の天気予報を見て、晴れに変われば、室堂から折立、大汝山、雄山、浄土山日帰りというのもありか。可能性低いなあ。その後も絶望的な予報だし。

そこで雨マークがついてない地域を探してみると、それは唯一能登だった。能登に移動して、和倉温泉に泊まって帰るか。明日はとりあえず輪島にでも行こうかとなった。

※写真は能登の先端にある禄剛崎(ろっこうざき)灯台

Part2へつづく

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大菩薩嶺

2011-08-18 | 山行~中央線沿線・大菩薩

000img_5169_2大菩薩嶺 標高2056.9m 山梨県

2011年8月14日(日) 晴れのち曇り 

メンバー 山の神と私

コースタイム 6:40上日川峠(朝食)7:15--7:40福ちゃん荘--8:20介山荘8:35--9:20大菩薩嶺--9:30雷岩9:53--10:30福ちゃん荘10:36--10:53上日川峠駐車場

夏の縦走計画を前に先週、山の神の靴が崩壊したため、予定外の山の神靴ならし山行となった。行き先は、近場の大菩薩。お盆の時期だから帰りの渋滞をさけるべく、4:00起きでなる早移動を敢行した。

山の神は靴の新調とともに、Tシャツも山ガールふうなのを購入して、意気軒昂と大菩薩嶺を登ったのであった。

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左:上日川峠の無料駐車場。トイレつき 右:90年代の新築直後に2度泊まった懐かしのロッヂ長兵衛

4:00台後半に中央高速に上がったが、すでに交通量は多めで、予定どおり朝食は上日川峠の駐車場ということで車を走らせた。裂石から狭い林道に入り、こんなに長かったかこの林道と思いながらも6:40駐車場に到着。車はまばらに停まっている。昨日から停まっているのだろうかと思いきや、今朝着いたらしい人がトイレから車へ戻っていく。

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左:シラカンバと表示がついている 右:混みあっていた福ちゃん荘

朝食後、7:15ロッヂ長兵衛横の登山口から登り始める。薄暗いが、朝の陽光が差し込んでくるシラカンバの樹間をすり抜けていく。 隣に平行して林道が付けられていて、福ちゃん荘まで車でいける。7:40には福ちゃん荘に到着。玄関口からちらりと中を覗くと、登山靴がいっぱい並んでいた。さすがお盆だけあって、泊り客で満員なのだろう。歯磨きしている人が外にいるし、中から2,3人伸びをしながら出てきた。ここで軽く給水して、出発。

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左:峠の看板 右:介山荘を振り返る

親子連れを追い越して 、森から出る。明るい光につつまれると、そこはもう介山荘だ。改築したようで、きれいになっていた。われわれ同様の夫婦が先に大菩薩峠の看板を前に記念撮影をしていた。8:00台にして、日差しはもう強く、じりじりと照りつけてくる。

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介山荘から尾根を見る

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上日川ダム。富士山は雲のなか

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親不知ノ頭から大菩薩嶺を望む

介山荘から尾根を進む。小屋に泊まった人たちなのだろうか。もうところどころで休憩している。岩頭にいた単独のおじさんは早朝に来たのだろうか。この山は東京からアクセスがいいからね。

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左:賽ノ河原 中:コウリンカ 右:ハクサンフウロ

賽ノ河原に下ると、もう大菩薩嶺は間近だ。困ったことにドス黒い雲が湧いてきていて、嶺に黒い影をさし始めている。山容を覆うさわやかなライトグリーンが濁った色に見える。

ここで、以前訪れたときには決して目にしなかった(!?)、オレンジ色の花弁が垂れ下がった花を見た。上っていくと、大群落を形成していた。誰かがこの花の種を、ザックか靴にでもつけて持ち込んだのか? 家に帰って調べてみると、コウリンカというらしい。初めて見る花だ。ほかの高山植物は、この花に駆逐されたように、ちらほらしか見かけなかった。ハクサンフウロがさびしく、ぽつんと咲いていた。山の神は、お花がないねえと嘆きつつ登っていた。

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左:大菩薩嶺の標柱 右:コメツガの林を抜ける

雷岩付近を通過すると、登山者がだいぶもう休憩している。お盆だからか、夏だからかなのか行動時間が皆早い。家族連れを追い越して、9:20大菩薩嶺に到着。山梨百名山の碑が朽ち果てる一歩手前の様相でかろうじて立っていた。かたわらには、文字がもう判読できない木切れが横たわっていて、これは、おそらくここで15,6年前に山頂の碑として立っていたもののようだ。世代交代は続くのだ。

9:30雷岩に戻って休憩。凍らせてきたジュースは凍ったままで、缶切りで開けてスプーンですくって食べた。アルミ缶でしかも簡易缶切りときて、開けるのにひと苦労だった。その苦労のわりには報われず、凍らせると味は薄く感じてしまう。まあ、でも冷たくいからいいか。
長らく休んで、雷岩から岩ごろごろで歩きにくい唐松尾根を下り、なだらかな道になった頃、福ちゃん荘に着いた。これから登ろうという人がまだここにはいた。

あとはショートカットで林道を下り、10:53駐車場に戻った。こんなに早い下山であれば、寄り道するところなのだが、お盆だから高速の渋滞を見越して、そのまま帰途につく。そのおかげか、ほとんど渋滞なしで家に着いて、長い午後のひとときをゆったり過ごせた。早帰りは3文の得。

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醤油樽の滝

2011-08-13 | 山行~八ヶ岳とその周辺

2011年8月7日(日) 晴れのち曇り 

メンバー 山の神と私

コースタイム オーレン小屋テント場6:50頃--7:24夏沢鉱泉東屋7:33--8:00桜坂8:05--8:28滝入り口8:33--9:05醤油樽の滝9:10--(滝つぼハシゴ上で休憩)--9:50滝入り口

4:00くらいには起きて、さっさとテントをたたんで醤油樽の滝を目指そうと、晩に山の神と打ち合わせていたのだが、かる~く寝すごした。夜中に何度も目を覚ましたせいもあろうが、やはり疲れていたせいか。結局5:00起床となり、オーレン小屋のテント場では、遅めの起床となった。

遅れついでにゆったりしてしまい、6:50にテント場を出発する。小屋の人に下山ですか?と声をかけられ立ち止まると、車で上がってくる人が大勢いますから、すれ違いに気をつけてくださいと親切な言葉をかけられる。でもこれが、頭にこびりついてしまい、結果的には選択を誤ることになる。

 

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左:テント場からみたシラビソの森 中:ホタルブクロ 右:オダマキ

昨日見たホタルブクロの群生地を抜け、夏沢鉱泉へ。ここでオダマキの花を発見した。でもさらに下っていくと、道端のあっちにも、こっちにも咲いている。昨日オダマキにはなぜ気づかなかったんだろう。下を向いて歩いていたからだろうか。

下山中は、さすがに午前中晴れの予報だから、大勢の登山者とすれ違った。カップルや年配者のパーティ、若者のパーティ、もう全世代にわたって登ってくる。しかもひっきりなしだから、挨拶に忙しい。ただモタモタしていると、たちまち午後から天気は崩れる予報だから、登ってくる人の時間はだいぶ早い。

8:00に桜坂の自分の車に戻った。山の神のサブザックに2人分の水や行動食を入れ、私が背負って滝へ向けて出発する。滝の入り口にも駐車スペースはあるのだが、先ほどの小屋の人のアドバイスが気にかかって、ここに車を置いての出発となった。林道を上がってくる車といちいちすれ違うのは面倒だし、自分の車を移動してしまって、停める場所がなかったらどうしようかとあれこれ考えてしまったのだ。

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左:天岩戸 右:滝入り口の案内板。この隣に「醤油樽の滝入り口」の標柱がある

この選択は結果をみれば失敗だった。意外に車は上がってこないし、滝近辺の駐車スペースはガラ空きだったのだ。こんなことなら、車で移動してくるんだった。ヘタにトライして立ち往生するよりはと思ったのだが、まったくの杞憂だった。

天岩戸を越えて、8:28滝の入り口に到着した。ここには誤解を招く標柱が立てられていた。「醤油樽の滝入り口此れより八百米」と書かれている。昨日車で桜坂に行く際に、私はこの表示を見て勘違いした。この林道を800m進むと、滝への入り口が出てくると。じつは、この入り口から距離にして800mで醤油樽の滝があるという意味だった。人騒がせな標柱だ。

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左:小さい滝の横にハシゴがかけられていた 右:山の神ハシゴを登高中

沢沿いに道は付けられていて、しばらく行くと、結構な長さの木製のハシゴが見え圧倒される。一瞬ここは東南アジアのジャングルかと錯覚する(んなわけはない)。ハシゴのたもと辺りに来て、お隣に小さな一の滝を発見。難なく通過する。

ここには冬場に人が訪れるようで、アイゼンで登ったあとがハシゴに点々と付いていた。あとからヤマレコでチェックしてみたら、氷瀑になるんだね。また冬に来なければだ。

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左:人面のように見える奇怪な巨大岩 右:滑りやすいつるつるの岩場を行く

岩場に入っていくと、日当たりが悪く、岩の表面は濡れていて、つるつるだった。足元に細心の注意を払わなければならない。何度も沢を横切るが、場所によっては、摩擦係数ゼロみたいな丸太橋があって、なりふりかまわず四つんばいで進む。昨日の雨がさらに岩場を滑りやすくしているようだ。

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左:二の滝 右:醤油樽の滝へと下るハシゴ。山の神下降中

沢から少々離れ、斜面をトラバースすると、二の滝が現れる。最初に滝の存在に気づいたときには、てっきりこれが醤油樽の滝かと勘違いした。いやにちっぽけな滝だなと思う。いや待てよ。案内板によると、手前に小さい滝があったはずだから、この奥かと気づく。道は奥へと続いていた。

二の滝の上部で沢をまた渡り、ロープの付けられた急斜面を強引に上っていくとそれは見えた。迫力満点の大滝が突如現れた。ハシゴが付けられていて、滝つぼに下ることができる。さっそく下りてみた。 

 

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大迫力の醤油樽の滝

滝つぼ付近はそれほど水量はないので、流れを横切って、写真の向かって左側へ渡れる。かなりの落差をもって水が駆け下ってくるのを間近に見られる。高さは35mだ。マイナスイオンを体いっぱいに浴びて非常に快適だ。でも、帰りはまた、あのつるつるの道を恐る恐る引き返すことになった。

 

前日の山行記録「松の峰目」に戻る 

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弱り目に祟り目、峰の松目

2011-08-11 | 山行~八ヶ岳とその周辺

003img_5088 峰の松目  標高 2567.3m 長野県

2011年8月6日(土) 曇りときどき雨 

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:35桜坂駐車場8:52--9:24夏沢鉱泉9:29--10:15オーレン小屋(テント設営)11:05--11:45峰の松目・硫黄岳分岐11:53--12:10峰の松目(昼食)13:00--14:03赤岩の頭--硫黄岳・オーレン小屋分岐14:18--14:55オーレン小屋

天気が今イチで、気乗りのしない山行となった。こういうときには、えてしてトラブルは起こるもので、いい教訓になった。

まずは道迷い。カーナビの目的地設定で桜坂は入れられなかったので、近所にある三井の森蓼科GCを入れてみた。目的地付近です。ガイドを終了しますの音声とともに、別荘地に迷い込んで抜けられなくなり、来た道を引き返すことになった。

ようやく道を見つけて走っていくと、今度は未舗装の砂利道が現れた。かなりの衝撃だった。山地図で見ると、登山口である桜坂に駐車場マークがあり、40台なんて書かれているから、てっきり舗装されたきれいな道で大きな駐車場があると思い込んでいた。とんでもない思い違いだった。狭い道で、場所によっては車どうしのすれ違いがしんどい。しかも桜坂に着くと、駐車場は狭く7,8台がやっとで、あふれだした車は路肩へと流れている。

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左:桜坂の路肩に駐車 右:夏沢鉱泉

われわれも路肩のスペースに車を滑り込ませた。小雨がパラついていたが、車を停める頃になると、完全に止んだ。醤油樽の滝へ行って、山はやめようかと山の神と相談していたが、一転出発。雨もやんだし、こんなに登っている人もいることだし。

8:52桜坂を出発する。ゲートを越えて林道を30分ほど歩くと、夏沢鉱泉に着く。壁面には太陽光パネルらしきものが取り付けられており、青光りしていた。ここで水分補給。今日もバテそうな予感がする。

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左:シラビソ林が続く 右:オーレン小屋。新館はきれい

シラビソの森を沢沿いに登っていくと、もう下ってくる人がいる。しばらくいくと、小さい女の子を連れた人がいた。最近はお子さん連れが目立つようになってきたけど、小学校に上がる前の小さい子は体力がないから、ちょっと高い山ではキケンな気がする。どうなんだろう。

10:15オーレン小屋に着いた。小屋の人がさっそく山の神と私に声をかけてきた。テント泊を申し出て、申込書に記入。行き先書いてくださいねといわれる。最近行方不明者が出て、県警のヘリが3日くらい捜索で飛んだらしいから、まる必で記入なのだ。テント泊1人¥1,000

001img_5077 地衣類がぼうぼうに密生した長い丸太。

簀の子の上にテントを設営し、11:05テント場をあとにした。荷物は軽くなったが、なにやら日ごろの寝不足のせいか足が重い。薄暗い白くもやった樹林帯を登っていくと、カラフルなウエアの方々が下山してくる。最近のウエアはどんどん原色をとり入れているから、派手ないでたちの人が増えた。

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左:峰の松目の山頂で青空見っけ 右:山頂の標柱

稜線に出て、峰の松目・硫黄岳の分岐で休憩をとる。かなりへばり気味だ。シャリバテもあって、ミックスナッツやチョコを食べて出発する。

長い急登で体をいじめぬかれ、12:10峰の松目の山頂に到着した。3人の先着さまがいて、スペースはその3人で占められているといっていいほど狭い山頂だ。山頂奥の苔むしたところで、朝方に買ったコンビニおにぎりとサラダで昼食にする。辺りはほとんど白い風景だったが、ときおり樹間から真向かいの赤茶けた斜面が見えた。帰り際に空を仰ぐと、ポツリと1箇所だけ青空を発見。

この山頂で、山の神から重大発表があった。登山靴の踵のソールがはがれそうだと。こりゃあ、明日の天狗行きはムリだ。フツーなら、この事態に、愕然、呆然とするところだが、疲れきっていて、それほどの衝撃でもない。しょうがないね。まあ、お盆明けに予定している縦走時に気づくよりは、今気づいてラッキーだったよとさらりと忘れることとした。

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左:赤岩の頭 右:オーレン小屋テント場。簀の子の上にテントを張った(翌朝の写真)

峰の松目から下り、オーレン小屋への分岐を越えて硫黄岳方面へ進むと、また強烈な上りが待っていた。その上りがまた長い。息を切らしながら上っていくと、苔むした切り株に真っ白な小さいきのこを発見。ジブリの映画みたいだ。かわいらしいので思わずしゃがんでパチリ(冒頭の写真)。

赤岩の頭へは14:03到着した。周囲は白くガスっていて、ほとんど視界はない。頭からちょっと下った分岐には、何人かが休憩していた。パトロール中のボランティアのにいちゃんもやってきて、自然を破壊しないよう注意事項が書かれたしおりを配っていった。

14:18オーレン小屋へと下りはじめ、14:55にはテント場に到着した。 いやー疲れすぎだ。さっそく、見たこともないメーカーのチューハイ¥300を小屋で購入し、のどをうるおす。

夕方には予報どおりのしのつく雨。テントに逃げ込むが、雨が激しくテントをたたきつける。そのうちテント内に雨のしぶきが。なぜ? いつのまにか内張りと外張りが張り付いていて、まるで1枚の布のようになっている。山の紙が手抜きしていて、外張りをペグで止めていなかったり、ゆるゆるだったりでこうなってしまったのだ。幸いなことに雨はすぐに止んだから、多少(?)テント内は濡れたものの大きな被害はなかった。

さあ、明日は、山の紙の登山靴も崩壊しかかっていることだし、早々に下山して醤油樽の滝見物だ。

醤油樽の滝見物記へつづく

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十勝岳悪天下山。そして眼福と舌鼓と湯気のひととき

2011-08-07 | 山行~北海道

7月6日3:55起床。今日は下山のみで気楽な気持ちでいたのだが、テントから外を覗くと、いつ降りだしてもおかしくないような一面の白いガス。視界はほとんどなく最悪だ。早く出発して雨が降り出す前に駐車場まで下りようと、パンとスープの朝飯をかきこんで、テントをたたんだ。5:35上ホロ避難小屋のテント場を後にする。

上富良野岳近くまで上がると、風が強くなってきた。天気は悪化の一途をたどる。ここで十勝岳温泉から登ってきた夫婦に出会った。これから天気は崩れるから、登るのはやめたほうがいいと告げると、どうしようかと逡巡している。仮にこのまま十勝岳に登っても、ただ濡れるだけで山頂からの展望はないし、足元も危ういから何もいいことはないのだが。その後会わなかったから、たぶん山頂に向かったんだろうね。

山の神と私は、霧で足元が濡れてきて面倒だなと不平をいいながら、仕方なくスパッツを装着した。そのうち霧雨になり、ふつうに雨になり、雨具をつけての下山となった。風は強いままで大荒れの様相になる。

しかし上富良野岳から下っていくと、下山路の先に青空が見えた。どうやら、この山の稜線から東側に雲がかかり、雨が降っている模様だ。しばらく下っていくと、また複数の登山者とすれ違い、声をかける。上は雨と風だといっても半信半疑のようだった。青空のもと歩いてくれば、そりゃあ、稜線に雲がかかっていても、荒天だなんて想像できないだろうね。皆自分の目で確かめるべく行ってしまった。

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左:雪渓下りで泥だらけ 右:富良野岳への分岐

分岐から富良野岳方面へは団体が登っていった。ツアーなのかな。ツアーだとなかなか中止の決断はできないからねえ。

われわれは8:00に下山。3歩で忘れる手合いで、キケンを冒してあえて登っていった人たちのことはいつの間にやらきれいさっぱり忘れていて、今日の宿、そしてこれからどこへ行くかに集中する。まず宿は、奮発して温泉宿に泊まってしまえということで、カミホロ荘のフロントへ直行して予約を済ます。それにしても今回の北海道では、予定のテント泊ができず、思わぬ散財となってしまった。でもカミホロ荘はコストパフォーマンスがよく快適だった。

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左:美瑛でルピナス畑を見る 右:カミホロ荘と山の神

宿にチェックインできるまでは観光に徹することにした。美瑛の丘巡りをし、ルピナスのお花畑をめでたり、日本画の巨匠、後藤純男の美術館で観光ツアー客にまぎれて解説を聞いたり、皆空窯に立ち寄り羅漢仏の姿にほれて購入したりと時間は瞬く間に過ぎた。昼飯は、歩人(ホビット)でソーセージ入りのホビットカレー。人気店なのか店内は混んでいた。お店の道挟んだ真向かいには昔泊まったペンションビビがあった。なつかしい。

カミホロ荘の温泉を堪能した翌日は、小樽からフェリーに乗るため、ひたすら移動となる。是が非でも昼は小樽で寿司と決めていたから、根性で大移動だ。そしてあの紀宮様もSPを大勢引き連れて食べにいったという寛(ひろ)寿司へ入る。ボタンエビは最高に美味だった。晩はあぶり焼きの店で死ぬほど海鮮料理を食べて満腹さま。小樽の倉庫街を散歩し、ホテルのバーでくつろいだのであった。極楽。極楽。

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左:小樽の夜は更けていく 右:小樽行きのフェリーとすれ違う

帰りのフェリーでは、これから小樽へと向かうフェリーとすれ違った。甲板に出てその姿を目で追う。これから小樽か。また小樽に行きたいなとつぶやいてみた。

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