目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

NHK「世界最大級!ラオス絶景の未踏洞窟に挑む」

2018-07-16 | テレビ・映画

当ブログでもとりあげた『洞窟ばか』の著者、吉田勝次さんが隊長を務めるラオス未踏洞窟探検行が今年(2018年)の3月に敢行された。その模様は、NHKが密着取材し、巨大ホールを発見するまでの顛末を紹介した。
http://www4.nhk.or.jp/P4980/x/2018-07-16/21/17072/2602052/

番組によれば、世界の巨大洞窟は、容積、ホールの大きさ、長さをものさしにして以下の3つが世界一であるとし、今回の発見は、それに及ばずとも、匹敵する規模であるとし、学術的にも貴重であることを伝えていた。

●容積が最大 ベトナムのソンドン洞 天井までの高さが240m

●ホールが最大 中国の苗洞(ミャオドウ) 東京ドーム9個分

●最長 アメリカのマンモスケイブ 650Kmにおよぶ

○今回発見したラオスの洞窟のホール 高さ120m 長さ400m

今回の場所は、容積が最大であるベトナムのソンドン洞と同じ石灰岩の地質がつづいている隣国ラオスの山中だ。首都ビエンチャンから最寄の村、モアンメットまで車で8時間。そこから船で1時間半を要する。

探検隊は約1トンにも及ぶ装備品や食糧をもって洞窟内を移動。陥没孔(洞窟が陥没してできた地上に出ている場所)を見つけて、そこをベースキャンプにした。

到着した初日から洞窟探検は始まる。パックラフトと呼ばれる簡易な携帯ボートにリュック2つ(1つ15Kgもあるらしい)を載せて川を遡行したり、水深が深くなれば浮き輪をつけて泳いだりと、かなり体力を要求される過酷な探検だ。そんな過酷さに負けずに隊員には女性も入っていて、笑顔なのがいい。

番組では専門用語が次々に出てきて、洞窟の奥深さを伺い知ることができる。たとえば、「キーホールパッセージ」。上部から水が流れてできた鍵穴状の洞窟のことで、川を遡行した先に、この洞窟が出てきた。「サンプ」は、完全に水没していて、しかも水流からその先に明らかに洞窟があることがわかる狭い通路のこと。吉田隊長が強引に潜って入っていったが、視界不良のため、先に進むことは断念した。

洞窟内の鍾乳石や、巨大石柱はもちろんのこと、キャップロックという面白い現象や洞窟内に生きる生物も取り上げていた。なぜかおたまじゃくしがいたり、身の危険を感じると酸を放出する危ない生物、サソリモドキも紹介。さらには、隊員たちの生活ぶりも。夜も昼もわからなくなる洞窟内では、腹が減ったらメシを食べ、食べ終えたら睡眠をとるのだとか。

そして探検20日目。彼らはとうとう前述した未踏の巨大ホールに達し、快挙を成し遂げた!

その映像を見終えると、スタジオには意外なほどに小柄な吉田隊長が現れ、洞窟探検の魅力について語った。深海などまだわからない場所、未踏の場所はあるけれども、機械を使わなければ、そこに達することはできない。しかし、洞窟は違う。人力でそこへ行ける。つまり洞窟は、自分の力で凌駕できる未知未踏の魅力をもっているのだと。

隊員たち各自がもつ強力なライトに照らされた巨大ホールは美しかった。人力でそこへ到達するという達成感、美しい自然の造形を間近に目撃できる幸福感、そんなところに洞窟探検の魅力はあるのだろう。 

 

参考:当ブログ洞窟探検の魅力が詰まった『洞窟ばか』

洞窟ばか
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扶桑社
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