いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
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大津絵と鹿島の替え歌

2018-09-12 06:36:10 | Weblog

               《猫と鼠・大津市歴史博物館蔵と鬼の念仏・個人蔵》                                                                                                                                        分類:地

 大津絵(別名、追分絵とも呼ばれる)は、元禄(1688-1704)の頃に大津の追分(おいわけ)辺りで売り出され仏像、民間信仰、伝説などを描いた絵で素朴な味わいがあります。
 それらの絵を売るために、題材に併せて歌い込まれたのが大津絵節ですが、文句も節も面白おかしいと云うので各地で、その土地の名物や名所を読み込んで替え歌が作られ、全国で流行りました。
 これにより大津絵というと、簡素な筆づかいで描かれた絵よりも、一般には「唄」の方で浸透していったようです。

 旧・鹿島村でも明治の頃に、当地の地名や名所古跡を織り込んだ替え歌が作られました。
 漢学者でもあり、鹿島小学校に46年間奉職したという吉田正義 (※人物詳細は2017・10・1付ブログ参照) の作と云われています。                                                     ▲歌詞の下に棒線(ー)を引いてあるのは鹿島の地名。  旋律 (メロディー)は、大津絵節による。

 ♪軍次山(くうじやま)から 熊が出て
  矢田らに走る 走熊
  名所七本松 後にして
  久保みて通れば 今光寺
  船も着かぬに 船戸という
  それより御代の 大仏様拝みつつ
  御代坂越えれば 岡小名で
  向こうに見ゆる 遍照院
  大原へった 一杯飲んべえ 徳蔵院

 ♪夕暮れに 小名浜を立ち退いて
  水押し上(うわ)って あとにして
  東の法華寺 拝みつつ
  西の山田湯場 横に見て
  御代坂登って 大仏様遥拝し
  それより船戸 岩薬師拝みつつ
  久保の里屋橋 通りぬけ
  名所七本松 あとにして
  走熊へと さしかかる
  次は 下矢田 上矢田
  郷社鹿島神社に参拝し
  それより進めば 軍次山
  越せば 上荒川と谷川瀬で
  平町 日光町に着きますよ

 ♪三沢の里へも 一度はおいで
  名所古跡もありますよ
  磐城七門一の向かいに
  三沢の館あとあり
  その上に 八幡公の陣どりし跡に
  八幡神社の祭あり
  それより西の作に 宗任貞任の石碑あり
  この作を 霊墓(おきはか)作という
  その上に 母の小屋掛けせし山を
  小屋の山という
  その下に 母の祈願所 薬師堂
  それより奥を 花見平という
  昔 平の城主 安藤信正の
  花見せし所とか
  越して小名浜海上眼下に見え
  眺望すこぶる絶佳なり
  それより西に下れば
  小野谷村に 程近し

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