先日、このブログで紹介したジョン・エリオット・ガーディナーたちによるロ短調ミサ曲。2015年の新録と1985年の旧録は、ほとんど同じコンセプトによる録音で、どちらもすぐれた成果をきかせてくれます。新旧ともに、オーケストラはピリオド楽器のそれで、合唱は混声。独唱者は原則合唱も歌い、5声のパートでいえばそれぞれ6人ほどです。
じっさいの人数でいうと、合唱は新録が32人、旧録が30人(特定楽曲のみ参加する歌手をふくむ)、オーケストラは新録が35人、旧録も35人(特定楽曲のみ参加する奏者をふくむ)です。アルト声部は旧録では全員カウンターテナーでしたが、新録では混声になりました。なお、旧録での独唱者のうち、リン・ドーソンとパトリツィア・クウェラは合唱を歌っていません。
演奏時間についても、新旧での差はあまりありません。表は新旧の楽曲ごとの演奏時間を比較(ナンバリングはウーヴェ・ヴォルフ校訂の新全集版)したものですが、全体的には思っていたよりもその差はわずかで、大きな差がみられたのはベネディクトゥスぐらいです。新旧のちがいは、けっきょく熟成度ということになるのでしょうが、旧録の清冽さも魅力を失っていません。