グスタフ・レオンハルトの訃報にふれてから、今年の聖金曜日(今日4月6日)はレオンハルトの「マタイ受難曲」をきこうと思っていました。しかし、レオンハルトが葬儀の最後の曲として選んだのが、「ヨハネ受難曲」の最後のコラールだと知って(「古楽情報誌 アントレ」2012年3月号)、「マタイ」から「ヨハネ」に受難曲を変更しました。
ざんねんなことにレオンハルトの「ヨハネ」の録音はないので、ほかのだれかの録音から選ぶことになります。ふつうなら、レオンハルトとかかわりの深かったシギスヴァルト・クイケンかフランス・ブリュッヘンあたりから選ぶところ。しかし、あれこれ考えたすえ、あえてレオンハルトからは遠いと思われる、ヘルマン・マックスたちの録音(1749年稿)を選んでみました。
エヴァンゲリスト(福音史家)はクリストフ・プレガルディエン、イエスはゴットホルト・シュヴァルツ。この二人をのぞいたほかの独唱者たち、マルティナ・リンス、ドロテーア・レシュマン、ラルフ・ポプケン、マルクス・ブルッチャー、ハンス・ゲオルク・ヴィマーは合唱も歌い、これら独唱者をふくめ、ライニッシェ・カントライは各声部4人(バスのみ5人)編成です。
ダス・クライネ・コンツェルトの編成は、弦がヴァイオリン10、ヴィオラ3、通奏低音が、チェロ2、コントラバス、チェンバロ、オルガン、ファゴット、コントラ・ファゴットがそれぞれ1。これに、ヴィオラ・ダ・ガンバが1、フルート、オーボエがそれぞれ2というもの。テンポは速めで、最後のコラールも語るテンポに近いものです。
CD : 60 023-2(CAPRICCIO)