今週はここまで、レオニダス・カヴァコスの「Bach: Violin Concertos」(Sony Classical 19658868932)を楽しんできました。同アルバムは、2曲のオリジナル、2曲の再構成(復元)協奏曲、あわせて4曲のヴァイオリン協奏曲を収録(アンコール曲的な1曲もあり)。のこる1曲はト短調のヴァイオリン協奏曲で、これはオリジナルではなく、美しいラルゴで有名なチェンバロ協奏曲第5番を再構成(復元)したものです。録音は2023年で、共演はアポロン・アンサンブル(6名編成)。
カヴァコスの楽器、ウィルモット・ストラディヴァリウス(1734年)はモダン仕様のようで、弓は19世紀初頭のモデル。演奏のアプローチとして、もう半歩進むとヴィクトリア・ムローヴァ、さらに歩を進めるとイザベル・ファウスト、というふうなところでしょうが、カヴァコスはここまでかもしれません。それでもカヴァコスの録音がすぐれた成果であることはまちがいなく、アンコール的なエール(管弦楽組曲第3番)もとても美しく楽しめます。