■メイク23秒 / 桃井かおり (資生堂 = 非売品7吋)
女優・桃井かおりについて、何を書いたらいいのか、サイケおやじは決定的な答えを持ち合わせておりませんが、彼女の歌には、なかなか好きな楽曲が多く、昭和56(1981)年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「メイク23秒」も、そのひとつです。
ただし、これはあくまでも資生堂のCMソングだったという優先事項があり、それゆえに当初は販促用の非売品レコードが作られていただけだったようですが、流石は作詞:三浦徳子&作編曲:筒美京平の提供だけあって評判は上々♪♪~♪
アッという間に巷では裏ヒット(?)となり、ついには桃井かおり本人が自主製作盤を出してしまったという顛末もあり、当然ながらテレビ出演しての生歌(?)披露という記憶も、薄っすらですが残っています。
で、これをサイケおやじが気に入っている一番の理由はキャッチーなサビメロ、グルーヴィなフュージョン歌謡に懐古趣味っぽいジャズフィーリングが入っている事等々に加え、桃井かおりの節回しが、如何にも彼女の個性という、あのずぶずぶとだらしないような、倦怠と二度寝の心地良さみたいな感じですから、そのミスマッチが逆説的にジャストミート!?
ちなみに掲載盤の裏面には、同曲のインストバージョンが入っているんですが、桃井かおりの歌に馴染んでしまうと、物足りないと感じるのは、サイケおやじだけじゃ~ないと思うんですが、いかがなものでしょう。
それと掲載のジャケ写に登場しているのは、ナンシー・ナナというモデルさんなんですが、肝心CM映像に桃井かおり本人が関わっていたかについても、なんら確定的な記憶がありません。
しかし、その歌については、字幕で「桃井かおり」と出ていましたから、レコード屋で現物を捜したファンも多かったはずなんですが、結局は前述したとおり、当時は大手レコード会社からは正規販売されていなかったもんですから、サイケおやじにしても、この私有盤をゲットするには、現代のように「ネット」という文明の利器がありませんでしたから、ちょっぴり時間を必要としましたですねぇ~~。
もちろん今日では、きっちりCD化されていますので、皆様もおお楽しみ下さいませ。
ということで、桃井かおりのクセのある存在感は確かに好き嫌いがあると思います。
告白すれば、サイケおやじにしても、あの華やかさとは逆のベクトルを提示する演技は、決して好きとは言えないんですが、それが歌の世界に転じてみれば、なかなか好ましい資質として、魅力を感じているわけです。
そ~ゆ~個性が活かされるからこそ、レコードやCDが幾枚も作られて来たのですから、何れはレア音源も含むアンソロジー盤が出る可能性にも期待しているのでした。