すっかりデタラメを露呈した国民年金は、ようやく今日からカッコつけの尻拭いが始るようですが、長い間、テキトーな仕事をやってきた社会保険庁の役人達には、処分が下るんでしょうか?
悪党面の厚生大臣が、鬼の首をとったように発言していますが、肝心の社会保険庁の当事者達に対する断罪に、全く触れていないのは、???ですね。
ということで、本日は――
■Modern Jazz Quartet (Savoy / 東芝)
モダンジャズ・カルテット=MJQは、ディジー・ガレスピー楽団のリズム隊が独立して結成されたらしいのですが、その初期にはメンバーが流動的でしたし、レコーディングだって必ずしもMJQ名義ばかりではありませんでした。
このアルバムは、そんな彼等の初期の演奏を集めたオムニバス盤で、収録曲は本来、MJQ名義ではありません。
しかも一応はオリジナルとされるアメリカプレスのサボイ盤は、全12曲を独自の編集でAB面に振り分けてあるので、アナログ盤時代はセッション毎に聴きたいという欲求があると、些か厄介でした。
ところが1970年代に我国の東芝EMIから再発されたLPは、そのあたりの事情が考慮されたのか、オリジナル盤とは異なるセッション毎の編集にされていました――
☆1951年8月24日録音
A-1 Milt Meets Sid
A-2 D & E
A-3 Yesterdays
A-4 Between The Devil And The Deep Blue Sea
厳密に言えばMJQではなく、ミルト・ジャクソン・カルテットとしてのセッションで、ディジー・ガレスピーのレーベルだった「Dee Gee」から発売された音源です。
メンバーはミルト・ジャクソン(vib)、ジョン・ルイス(p)、レイ・ブラウン(b)、ケニー・クラーク(ds) という、本当に夢のような顔合わせ! バンドとしての纏まりも最高です。
特に「D & E」は後々までMJQにとっては十八番となるブルース曲ですが、ここでは既にしてグルーヴィなハードバップ色が強く、ヒバップから一歩抜け出した演奏が見事です。またスローな歌物解釈を聞かせる「Yesterdays」では、バラード名人のミルト・ジャクソンが流石であり、快適なテンポの「Between The Devil And The Deep Blue Sea」は和み優先ですが、いずれもレイ・ブラウンの名人芸というベースワークが目立ちます。
しかしジョン・ルイスが、実はしっかりと手綱を締めている感じもありますから、これはもうMJQといって過言ではないと思います。もちろんビバップ色が強い「Milt Meets Sid」ではケニー・クラークが奮闘していますし、ミルト・ジャクソンも凄いです!
☆1951年9月18日録音
A-5 Autumn Breeze
A-6 Moving Nicely
B-1 Round About Midnight
B-2 Bluesology
これも「Dee Gee」に吹き込まれたセッションで、メンバーはミルト・ジャクソン(vib)、ジョン・ルイス(p)、パーシー・ヒース(b)、アル・ジョーンズ(ds) となっていますが、発売された時の名義はミルト・ジャクソン・カルテットでした。
しかし一聴して全体の演奏は、ますますMJQに近くなっていると感じます。特にミルト・ジャクソンが書いた「Autumn Breeze」のしっとりした演奏は絶品♪ 歌心あふれるヴァイブラフォンが素晴らしく、また寄り添うジョン・ルイスのコードワークもシンプルで嫌味がありません。また「Moving Nicely」はテーマアンサンブルからしてMJQそのものです。
ただし「Bluesology」は、あくまでもミルト・ジャクソンのブルースになっていて、途中でちらりと「Bag's Groove」のテーマメロディが出るのもご愛嬌♪ 「Round About Midnight」は、ちょいと素直すぎます。
☆1952年4月録音
B-3 Softly As In A Morning Sunrise
B-4 Love Me Pretty Baby
B-5 Heart And Soul
B-6 True Blues
このセッションは、やはりマイナーレーベルの「Hi-Lo」に吹き込まれたもので、メンバーはミルト・ジャクソン(vib)、ジョン・ルイス(p)、パーシー・ヒース(b)、ケニー・クラーク(ds) という、良く知られたオリジナルのMJQになっていますが、ここでも本来の発売名義はミルト・ジャクソン・カルテットでした。
そして何と言っても興味深いのが、後に決定的な名演が残される「Softly As In A Morning Sunrise」の初期バージョンでしょう。その1955年にプレスティッジに吹き込まれた名演バージョンは、バロックと欧州カラーに染上げられて印象的でしたが、ここでもイントロに「チゴイネルワイゼン」のようなメロディを使う凝りようです♪ 当然、ミルト・ジャクソンやジョン・ルイスのアドリブ展開は完成されていますよ。
また「Heart And Soul」はテーマからアドリブまで美メロの宝庫♪ ミルト・ジャクソンの天才性にジョン・ルイスが彩りを添え、強靭なベースとドラムスが後押しした名演だと思います。
さらにハードボイルドな「Love Me Pretty Baby」、軽いブルースの「True Blues」でもミルト・ジャクソンは絶好調なのでした。
ということで、元々はSPやEP向けの短い演奏ばかりなので、それなりにプログラムしたアメリカ盤のアルバムより、曲単位で楽しみたい私は、セッション毎に纏まった日本盤を買ってしまったのです。
まあ、当然ながら、アメリカ盤の方が良い音なんでしょうが、何時かはCDも欲しい名演ばかりです。
そして人工着色したようなジャケットが、如何にもサボイらしいところだと思います。
やっぱり、そういう事ですか!?
社会保険庁で働く者は、今回のボーナスは無し!
というくらいの断罪があって、しかるべきかと思いますね。