OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

スリー・サウンズのゴキゲンライプ

2008-04-04 18:04:24 | Weblog

今日は暖かい朝でしたから、久々にバイクで仕事場へ♪ やっぱり、この風を切る感じが、バイクの魅力ですね。仕事も爽快にはかどりました。

ということで、雰囲気の良さを持続させるため、こんなの聴きました――

Today's Sounds By The Three Sounds (Limelight)

モードやフリーが主流となった1960年代のモダンジャズは、それゆえにロックやR&Bに大衆音楽の人気を奪われていましたが、しかし楽しさ優先のジャズを演じていたバンドも確かにありました。

例えばジーン・ハリス率いるスリー・サウンズは、正統派モダンジャズのビアノトリオでありながら、同時にかなり分かり易い演奏に撤していました。

しかし決してシャリコマ、つまり商業性べったりではなく、ジャズを演じる者の矜持が、私には感じられます。

さて、このアルバムは古巣のブルーノートを離れていた時期のライブ盤で、録音は1966年2月、ロンドンハウスでのリラックスしたセッション♪ メンバーはジーン・ハリス(p)、アンディ・シンプキンス(b)、カリル・マディ(ds) という、オリジナルメンバーからドラムスが交代した新編成になっています――

A-1 Downtown
 イギリスのアイドル女性歌手だったぺトラ・クラークの大ヒット曲で、誰でも一度は耳にしたことのある楽しいメロディが、ここではゴスペル系ジャズロックにアレンジされ、徹底的に楽しく演奏されています。
 グングンと盛り上がっていくクライマックスでは、思わず「ダウン、タウン」のコール&レスポンス♪ いやぁ~、実にゴキゲンですねぇ~♪ 客席からの手拍子もたまりません。ほとんどゴスペル教会のノリが楽しめるのでした。

A-2 Gee Baby, Ain't I Good To You
 ブルース系歌謡曲を、これでもかと粘っこく演奏するジーン・ハリス以下のトリオは本領発揮♪ あぁ、何も言うことが出来なくなるほどにネッバネバです。
 アンディ・シンプキンスのベースが、実にしぶとかったりします。

A-3 The Way I Feel
 ジーン・ハリスのオリジナルですが、これまた、あぁ、ブル~ス♪
 粘っこいトレモロを多用するジーン・ハリスは本当にソウル満点なんですが、グッとタメたビートを作り出すベースとドラムス、そしてグイグイと盛り上げていくトリオの一体感が素晴らしいと思います。
 思わず、イェ~! そういう世界ですよっ♪
 
A-4 The Good Life
 あまりにも有名なシャンソンの名曲を、またまたスローてソウルフルに演じるジーン・ハリスは恐るべし! 泣きのメロディをドラマチックに彩りながら、真っ黒なソウルフィーリングで染上げていく手法は当たり前かもしれませんが、実はなかなか聴くことの出来ない、このトリオだけの名人芸かもしれません。
 中盤からは軽妙なスイング感も聞かせてくれますし、タメと粘りの黒人モダンジャズ保守本流が、最高に痛快です。

A-5 Mohair Sam
 そして突如始るグルーヴィなジャズロック♪ ラムゼイ・ルイスも顔色無しというか、こんなに楽しくて良いんでしょうか!? アドリブらしい部分は特に無いのですが、トリオが一丸となったノリの良さは最高です。

B-1 Simple Simon
 B面は正統派ジャズピアノトリオの実力発揮! アップテンポ演奏で徹頭徹尾、強烈にスイングしています。新しく参加したカリル・マディのドラミングも爽快にして迫力がありますし、タイトルどおり、単純でも飽きない名演だと思いますねぇ、これはっ♪

B-2 A.M. Blues
 レイ・ブラウン(b) が書いた有名なモダンジャズ曲ですが、ジーン・ハリスは1980年代にレイ・ブラウンのバンドレギュラーとなるのですから、なんという因縁でしょう。
 しかしここでは、そんなことは知る由もなく、ただただグルーヴィに演奏は展開され、グイノリ4ビートの素晴らしさに感動させられます。
 瞬発力満点のカリル・マディのドラミングは迫力があって、なかなかに気分爽快♪ けっこうドラマチックな展開を狙ったジーン・ハリスの目論見が当ったところでしょう。
 
B-3 Old Folks
 お馴染みの泣きの歌物バラードが、ここでは快適なテンポで演奏されていますが、主役はアンディ・シンプキンスのベースです。
 しかしそれゆえに、お客さんのざわめきが臨場感満点というか、些か気になったりもしますねぇ……。
 ちなみに録音場所のロンドンハウスはシカゴの有名レストランで、肉料理が旨いらしいです。一度は行ってみたいものですが♪

B-4 Goodnight Ladies
 オーラスはバンドテーマっぽいリラックスした演奏で、この雰囲気の良さこそが、スリー・サウンズの魅力だと思います。

ということで、ソウル&ゴスペルなA面に対し正統派モダンジャズのB面という構成になっていますが、個人的にはA面が大好き♪ ネバネバギトギトのオクラ入りガンボのようなゴッタ煮感覚が、実に美味しいのです。

しかしB面の和んだ雰囲気の良さも捨てがたく、これも隠れ人気盤ではないでしょうか。

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