OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

サンフランシスコに咲いた花

2010-03-26 15:16:46 | Pops

花のサンフランシスコ / Scott McKenzie (Ode / 日本コロムビア)

何時か何処かで、流れてくるメロディを聞いただけでもホンワカしてくる歌というのは、必ずありますよね。

サイケおやじにとっては、本日ご紹介の「花のサン・フランシスコ / San Francisco (Be Sure To Wear Flowers In Your Hair)」もそのひとつです。

歌っているスコット・マッレンジーはニューヨーク周辺で活動していたフォーク歌手でしたが、旧知のジョン・フィリップスがママス&パパスを率いて西海岸で大成功を掴んだことから、この歌をプレゼントされ、世はまさにヒッピームーブメント真っ最中の1967年夏、時代を象徴することになりました。

それは同年に開催された、今や歴史のモンタレー・ポップ・フェスティバルのテーマ曲となり、髪に花を飾った若者達が歌詞をそのまんま体現して集ういう大成功へ導く役割を果たしたのです。

まさに理想が現実になった、極めて稀な瞬間を演出した歌でした。

ですから我国でもカレッジ系のフォーク歌手が演目にしていましたし、実際、レコードで聞かれるギターのシンプルな使い方やビートの効いたドラムスの気持良さは典型的なフォークロック♪♪~♪ しかもコピーがそれほど難しいものではありませんから、当時はアマチュアでも歌って当然の親しみやすがありましたですねぇ~♪

もちろん曲メロの良さは言わずもがでしょう。

ただし、これは後になっての想いなんですが、歌詞の内容は意外に深いと思います。

というのも、その頃のアメリカはベトナム戦争が泥沼化し、若者は続々と戦場へ駆り出され、また国内には人種差別の偏向や貧富の差の拡大が蔓延していましたから、ピッピーという称された遊民達は、良識ある一般社会から疎まれて然るべき存在だったでしょう。

明日をも知れぬ運命を背負った当時のアメリカの若者達が、自由を希求することは否定出来るものではありません。

しかしヒッピー達にだって、形は異なっていたかもしれませんが、今を生きている瞬間を大切にする、ある意味での愛国心はあったはずです。そして刹那的な気持を夢に満ちた歌に託してしまう雰囲気があったに違いないと思うのですが……。

そんな理屈っぽい独断と偏見はさておき、この「花のサンフランシスコ」は「夢のカリフォルニア」と並んで、西海岸への憧れを我国の青少年に焼きつけた名曲だと思います。

意地の悪い視点からすれば、音楽業界の目論見に完全捕獲されたわけですが、それを超えた魅力がこの歌にあるからこそ、今日でも愛され続けているのでしょう。

ちなみに歌っているスコット・マッケンジーは、ほとんどこれだけの一発屋で、ほどなく表舞台から消えた後、1970年頃にカントリーロックっぽいアルバムを出しています。確かこれは近年、CD復刻されたらしいのですが、実はサイケおやじは以前、アメリカの某所で開催された懐メロショウに出演している本人を見ています。

ここで「見ている」と書いたのは、そのステージが所謂「口パク」だったからなんですが、それでもギターを抱えて登場した瞬間、会場からは万雷の拍手が!

そうですよねぇ~♪

その場に集まっていたお客さんは明らかに中年者の男女でしたが、リアルタイムではピッピーをやっていたと思しき人も散見されましたし、なんたって1967年の大ヒット曲なんですからっ!

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無敵の寺内タケシ | トップ | ビーバーズは歌謡曲も最高♪ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (bob)
2010-03-28 20:39:49
こういう時代を象徴する曲は、いわゆる“一発屋”アーティストならではの味わいがあるのかと思います。もしスコット・マッケンジーがその後ヒットを連発していたら、この曲のイメージはやや薄味なものになっていたかもしれませんね(変な表現でスミマセン)。
この曲には、当時のアメリカの若者が抱いていた閉塞感みたいなものが滲み出るような背景を(いまでは)感じます。これって、日本でヒットチャートを賑わすヒット曲を聴いて楽しむ感覚とは大きな違いかなぁと思ってしまいます。

会場からの万雷の拍手は微笑ましいですね。

まぁ、共通して言えるのは色褪せない名曲~♪
これは断言できますね。
返信する
一発屋マッケンジー (サイケおやじ)
2010-03-29 15:12:18
☆bob様
コメント、ありがとうございます。

どこの国でも、「歌は世につれ」ですよね。一発屋は、そこに凝縮された刹那の魅力だと思います。
これは妄想ですが、スコット・マッケンジーは、それほど「欲」のある人ではなかったのかもしれません。そういうところが、ピュアな気持ちを求めていた当時の若者にウケた、ひとつの要因なんでしょうか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Pops」カテゴリの最新記事