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サイケおやじの生活と音楽

ビーバーズは歌謡曲も最高♪

2010-03-27 17:19:52 | 歌謡曲

泣かないで泣かないでc/wサテンの夜 / ザ・ビーバーズ (キングレコード)

先日のムーディー・ブルース「サテンの夜」でちょっと書いた、ビーバーズの同曲再発盤です。

本来は昭和43(1968)年末に発売された、ビーバーズにとっては5枚目のシングル盤になりますが、翌年春にはグループそのものが解散したことから幻化していたものを、前述したムーディー・ブルースのオリジナルバージョンが昭和47(1972)年になってリバイバルヒットしたことに便乗し、再発されたもの思われます。

ちなみにビーバーズが演じた「サテンの夜」は2バージョンあって、ひとつは唯一残されたオリジナルアルバム「ビバ!ビーバーズ」に収録の英語詞で歌ったもの、そしてもうひとつが、このシングル盤B面に収録された日本語の歌詞をつけたものですが、その演奏パートの基本は、おそらく同じものでしょう。

と、なれば、後は十人十色の好みの問題になるんですが、英詞バージョンの意外なほどのハマリ具合が好ましいですねぇ~♪ 対して日本語バージョンは些か大仰な歌いまわしが、当時のミュージックライフの編集長だった星加ルミ子女史の作詞にミスマッチかもしれません。

しかし演奏パートの充実度はなかなか素晴らしく、本来はギタリストの石間秀樹が演じているとされたフルートが良い感じ♪♪~♪ ムーディー・ブルースのオリジナルバージョンに比べると些かチープなストリングスや軽めのリズムアレンジも、リアルタイムの我国GSブームの中では正鵠を得たものだと思います。

そして気になるA面「泣かないで泣かないで」はビーバーズのウリだった早瀬雅男と成田賢のツインボーカルを活かした歌謡GSの決定版! 作詞:橋本淳 / 作曲:すぎやまこういち、という当時のヒットメイカーが渾身の名曲で、その湿っぽくて、そこはかとない余韻がたまらない歌と演奏は、まさに幻の名唱のひとつかもしれません。

今となっては、ビーバーズは和製ヤードバーズとか崇められる実力派ですから、こういう歌謡曲路線は無かったことにされているのかもしれませんが、やっぱり同系の他のバンドとは底力が違うことを立派に証明したテイクだと思います。

あと、ちょっと余談になりますが、この「泣かないで泣かないで」は本来、スパイダースに書き下ろされたという伝説が残されているほど、売れセン狙いがモロ出しです。しかし結果的にスパイダースのバージョンは発売されず、弟バンド的な扱いだったビーバーズが出してしまったところに、当時の様々な事情があるのでしょう。

また「サテンの夜」は同じ頃、スパイダースでは堺正章が歌っていたのテレビで見た記憶があります。けっこう本人の黒いボーカルがジャストミートしていて、その当時は知らなかった曲名が気になったものです。

ということで、どんどん歌謡曲化していった昭和43(1968)年後半のGSの中で、それが成功したバンドは生き残り、諦めてしまったグループは解散……。そうやって日本のロックは進歩発展したのが、今日までの歴史だと思います。

その意味で歌謡GS系の音源を無視するなんてことは絶対に出来ないでょう。

再評価と共に決定的な編集ボックス物でも出ないかなぁ~、なんて希望を抱いて長い年月が流れてしまいましたが、その時には、ぜひともビーバーズの「泣かないで泣かないで」を入れて欲しいものです。

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2 コメント

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こんばんは (bob)
2010-03-27 19:27:24
う~ん、思い出せません(泣)。YouTubeで検索しても無いようで…。
「ホワイ・ベイビー・ホワイ」あたりまでは記憶に残っているんですがねぇ。

それにしても、当時あまりスポットが当たらなくとも、分からないものですね。もっとも当時はアイドル性ばかり偏重されていましたからね。
いまではビーバーズのレコードがこれほどもてはやされるとは。処分が悔やまれます。
返信する
歌謡GSも捨て難い (サイケおやじ)
2010-03-28 08:59:45
☆bob様
コメント、感謝です。

このシングル盤は後追いの中古で買いました。
リアルタイムでは両面とも聴いた記憶がないですよ、私も(苦笑)。

歌謡GSは今こそ、再評価が必要だと思います。
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