■サインはピース / Ocean (Kama Sutra / 日本コロムビア)
昨日と本日は知り合いが関連するCMのオーデションを手伝ってきましたが、何んと言っても売り込みの女の子の写真選考やテスト撮影の現場は、なかなか役得的な楽しさがありますねぇ~~♪
しかしポーズをつけた写真が如何にも定番の「ピースサイン」が多いというのも、なんだかなぁ……。
せっかく感じが良くて愛くるしい面立ちの女の子が目立っても、今更そんなフツ~のポーズじゃ~、インパクトが弱すぎませんかねぇ。
そこで思わず聴きたくなって、帰宅後にレコード棚を漁ったら、やっぱり持っていたというのが、本日ご紹介のシングル「サインはピース / Put Your Hand In The Hand」です。
ちなみに説明不要ではありますが、所謂「自分の手の指をV字形に構える」のが1960年代末頃からの世界的流行だったんですが、この起源は本来、イギリスあたりじゃ「ビクトリーサイン」、つまりは勝利を意味するために使われていたはずですよねぇ。
それが何時の間にか「平和」を希求する自己顕示の行動のひとつとなったのは、おそらくはベトナム戦争反対運動が盛り上がっていた頃からかもしれません。
そして実際、当時のアメリカでの野外ロックコンサート等々に集うヒッピー集団や若者達を写した映像には、そうしたサインを出している光景がゴマンと見られるんですが、さて、我国での流行は???
ここからはサイケおやじの個人的な記憶からの推察なんですが、最初は洋楽雑誌に掲載されたリアルタイムのコンサート写真であり、またテレビではスパイダースの井上順が矢鱈に「ピ~ス♪」なぁ~んて言いながら、「Vサイン」を出していたのが流行のきっかけだったように思います。
そして1970年代に入ると、記念写真の顔のキメは「チーズ」であり、ポーズは「ピース」というのが定番化したわけですが……。
これをやりすぎると、英語圏の国では顰蹙であって、中でもV字形を作った指と手のひらを逆にすると、これはもう、相手を侮辱的に挑発する激ヤバ行為!?!? もちろん猥褻な意味合いも含んでいることは言うまでもありません。
しかし、このあたりの根の深さを意識しなくともよい日本人にとっては、これほどお気楽にキマるポーズも他には無いでしょう。今では自然に使えるほどの文化風習だと思います。
さて、そこで肝心な本日の楽曲「サインはピース / Put Your Hand In The Hand」なんですが、日本で発売された昭和46(1971)年春から忽ちの大ヒットは、その調子良すぎる曲調と共に、やはり「サインはピース」という邦題が当たったんじゃないでしょうか。
掲載したジャケ写にしても、如何にも野外集会の若者達が自由に振る舞いながらも、実は一抹の悩みや不満を抱えている連想が浮かぶショットを使っていますし、そのデザインに丸く使われているのが、当時の本当の「ピースマーク」でしたから、なかなか上手いウリが、ここでも大成功!?
そして演じているオーシャンというグループがカナダ出身というのも、マッシュマッカーンやオリジナル・キャスト等々と同じく、当時の「旬の流行」でありました。
メンバーはジャニス・モーガン(vo)、デヴィッド・タムブリン(g,vo)、グレッグ・ブラウン(key,vo)、ジェフ・ジョーンズ(b,vo)、チャールズ・スレイター(ds,vo) という、一座のスタアが女性ボーカリストという点においても、また然り♪♪~♪
実際、ジャニス・モーガンの伸びやかで爽やかな声質と幾分硬派な歌い回しは大きな魅力ですし、このレコードで聴かれる演奏が果たしてバンドメンバーによるものか否かは不明ですが、BS&Tやイアン&シルヴィアの前座もやっていたそうですから、ライプの現場でも相当に手堅いものを披露していたと思われます。
しかし気になる歌の内容は「サインはピース」どころではなく、どうにも宗教的な意味合いが強いんじゃないでしょうか? 「手に手を取り合って」なぁ~んていう部分は、後に我国の歌謡フォークの某グループが「ハンド・イン・ハンド」をステージギグのウリにしていた気持悪さに通じるわけですが、それが「宗教」と密接に関連しているのであれば、結果オーライでしょうか……?
ちなみに特にアメリカでは、我国で言うところの「AORの隠れ名盤」なんてレコードのほとんどが、「クリスチャン・ミュージック」という真相を含んでいますので、心地良いポップスがそれに相通じるものだとしても、不思議ではありませんよね。
ということで、ピースサインほど簡単にその場を安定させるものは無いのかもしれません。
ですから個性を浮きだたせようとするには、これほど裏目に出る行為もありません。
些か確信犯的なネタばらしではありますが、冒頭に述べたオーディションの写真選考では、「V=ピースサイン」をやっていた女の子は、その段階で全て落しています。
ところがテスト撮影の現場で、それをやらかした者に限って、なかなかフィーリングの良いモデルさんだったりしますから、困ったんもんですよ。
まあ、これは嬉しい悲鳴でもありますが♪♪~♪
あと、最後になりましたが、最近の女の子は小学生高学年でも芸能界入りを目指すとなれば、既に「ワキは永久脱毛」しているという事実に仰天!?!
それは確かに便利かもしれませんが、将来的に結婚するかもしれない男の中には、「美女の腋毛」が好きな者だっている可能性を否定するのは、どこか割りきれません。
う~ん、時代は変わる……。
しかし「ピースサイン」は不滅ってことでしょうか。
これは日本語に訳してありますが、全然宗教っぽいとは思いませんでした。
岡崎友紀さんのこの歌は、もと歌より良いかもしれません。
そういえば祈るなんて言葉が入ってます。
サイケおやじさんの言う通りかもしれません。
コメントありがとうございます。
この「サインはピース」、リアルタイムでも歌謡ポップスのカバーで演目にしていた女性アイドルは多かったと記憶しています。
でも、しっかりレコーディングされているのは少ないようですから、岡崎友紀バージョンはジャストミートの貴重録音だと思いますよ。
彼女の伸びやかな声質とパンチの効いた節回しは最高ですよね♪