オリンピックの聖火が、どんな理由があるにせよ、襲われて消されるというは、いけませんねぇ。
世の中、チャールトン・ヘストンや川内康範という勧善懲悪の人が亡くなったことも重なり、ちょっと納得出来ない方向へ流れているのでしょうか?
ということで、本日は――
■Strings! / Pat Martino (Prestige)
驚異的なテクニックで野生と知性の間を彷徨するギタリストが、バット・マルテイーノだと思います。白人なんですが、多分、アラブ系?
それはそれとして、グラント・グリーンやタル・ファーロゥのようなスピード感に満ちた単音弾き、ウェス・モンゴメリーがモロ出しとなるオクターブ奏法やコード弾きの迫力は圧倒的で、妥協がありません。
ですから、大衆的なヒットなんて望むべくもない存在なんですが、ジャズ者にとってはパット・マルティーノを知っていることが、ロックファンに対する優越感と言ってもいいでしょう。
さて、このアルバムは1968年頃に発売された初期のリーダー盤で、録音は1967年10月2日、メンバーはパット・マルティーノ(g)、ジョー・ファレル(ts,fl)、シダー・ウォルトン(p)、ベン・タッカー(b)、ウォルター・パーキンス(ds) という凄腕達! そして1曲だけですが、デイヴ・レヴィン(per) とレイ・アップルトン(per) が加わっています――
A-1 Strings
ヘヴィに弾みまくった日活モードのボサロックです。この適度にオトボケの入ったテーマメロディとかラテンビートのイナタイ雰囲気が、ニューアクションと称された一連の日活作品では良く聞かれたのですが、こんなところに元ネタが隠されていたとは、初めてこれを聴いた時に目からウロコでした。
しかしここでの演奏はパット・マルティーノの眩暈がしそうに密度の濃いアドリブに圧倒されます。いい塩梅に歪んだギターの音色、執拗に同じフレーズを繰り返す得意技に加え、歌いまくりのオクターブ奏法♪
バックではシンプルなラテンパーカッションが効果的で、この曲だけにデイヴ・レヴィンとレイ・アップルトンの打楽器隊が加わっているのです。またジョー・ファレルのフルートも実に良い感じですよ♪。
A-2 Minority
ジジ・グライスが書いた痛快なハードバップ曲で、ビル・エバンスも演じているほど新しい響きを含んでいます。
もちろんここでは烈しいアップテンポの演奏で、ジョー・ファレルがシャープなテナーサックスで疾走すれば、パット・マルティーノは物凄い早弾きフレーズの大洪水! しかし冷静なんですねぇ、決して暴走ではないのが、憎たらしいほど!
ですからリズム隊も必至のサポートで、シダー・ウォルトンも大熱演なんですが、些か纏まりを欠いているような……。う~ん、これはパット・マルティーノが凄すぎるんでしょうねぇ。
終盤のクライマックスではジョー・ファレルとパット・マルティーノが唯我独尊のアドリブ乱れ打ちからラストテーマという、ある意味の予定調和が実に美しいと思います。
B-1 Lean Years
ウェス・モンゴメリーがやりそうなリズムパターンとアドリブメロディを拝借してパット・マルティーノが書いたオリジナル♪ 最初っから容赦ないリズム隊の過激な疾走に対し、ジョー・ファレルも気合が入りまくったアドリブで応戦しています。
う~ん、このあたりはマイケル・ブレッカーの元ネタまでも感じられますねぇ。
またシダー・ウォルトンが硬派に拘り過ぎて、ここでも些か迷い道ながら、続くパット・マルティーノがこれしか無いの猛スピードフレーズの嵐の中、実に味わい深い伴奏を聞かせてくれます♪
B-2 Mom
スローテンポで些か煮え切らないテーマメロディが???
しかし演奏が進むにつれてジョー・ファレルの思わせぶりなフルートやベン・タッカーの頑固なベースワークがジワジワと効いてきます。そしてその中から味わい深いメロディラインが現れては消えていくという仕掛けがニクイところ♪
パット・マルティーノのギターは地味の極北ながら、キメるところは極めた意気地が感じられますが……。
B-3 Querido
オーラスはまたまたラテンビートを使った楽しい演奏です。まずはシダー・ウォルトンが本領発揮のリズミックなピアノから、なんともニューミュージックなテーマメロディ♪ 和みますねぇ。
しかしアドリブパートになると一転して恐さが滲むパット・マルティーノが、なんか同じ様なフレーズばっかり弾いてくれます。バラけたリズム隊の存在が逆に良い感じ♪
またジョー・ファレルのフルートも爽快です。
ということで、これも名盤でありませんが、なかなか楽しく痛快なアルパムだと思います。個人的にはA面を偏愛していますが、全体的に微妙に歪みっぽい録音に迫力を感じるんですねぇ♪ ちなみにエンジニアは Richard Alderson という人です。
ある意味ではロックっぽい音作りでもあり、演じているパット・マルティーノはそうしたスタイルも包括したギタリストですが、駆け出し時代はオルガン入りのバンドでソウルジャズもやっていたわけですが、さもありなん! 同世代で似たようなキャリアとギタースタイルを持ったジョージ・ベンソンが大スタアになったのとは逆の道を歩みながら、有無を言わせぬ勧善懲悪的な凄みが魅力♪
ですから今日、揺ぎ無い地位を築いたのは、大いに納得出来るところです。
私もPATMartinoが大好きです。最近、来日していましたね!アラブの血が混ざっていますよね。でも、奥様は日本人ですよ。サイトにPhoto Galleryがありますので、よかったら。結構、世界中の人々のコメントが掲載しております(但し、英語ですが・・・)
お久しぶりです。コメント感謝♪
パット・マルティーノは残念ながらライブに行ったことがなくて、ちょっと悔しいですね。
この人のギターワークはコピー不可能の神の領域かもしれません。
ちなみにリッチー・ブラックモアはパット・マルティーノと寺内タケシの折衷スタイルと思っています。