今日もまた、衝動買いしてしまったです……。昼メシ食いに入った店の隣がCD屋だったのが運のつき……。なんでこんなん、紙ジャケットになってるんだ!
今や伝説の英国ジャズロック・バンドであるソフトマシーンのデビュー盤です。
メンバーはマイク・ラトリッジ(key)、ケビン・エアーズ(b)、ロバート・ワイアット(ds) の3人組で、録音は1968年にジミ・ヘンドリクスの前座としてアメリカ巡業をした時に吹き込まれたと言われています。
内容はギター抜きのバンドということで、ジャズ色が強いかと言えば、必ずしもそうではなく、当時流行していたサイケポップの延長としてのジャズ色という雰囲気です。ただし、そのジャズ色という部分が、なかなか本格的! 当時のニューロックに分類されていたロックバンドが演奏する長時間のアドリブとは一味違う奇妙な味があるのです。
で、このアルバムはポップな曲調とジャズっぽいアドリブのミスマッチが最高にハマった仕上がりとなり、同時期にアメリカで人気抜群だったドアーズを思わせるところまでもが、あるのです。そして実際、アメリカで大いに売れています。
その演奏面ではマイク・ラトリッジのキーボードが主役であり、またケビン・エアーズのエレキベースが硬質な響きで蠢き、ロバート・ワイアットが切れ味鋭いドラムスを聴かせるというのが持ち味で、このあたりはどこなく、初期のキング・クリムゾンを想起させられる瞬間もあります。
また、このジャケットが通称「回転ジャケット」と呼ばれるとおり、中央の円形歯車の部分が動かせるようになっています。ただしこれはオリジナルのアメリカ盤だけで、私が持っている日本盤はジャケットのデザインからして違っています。
で、この「回転ジャケット」仕様で、現在、復刻CDが発売されています。そして、それにつられて、つい買ってしまいましたが、これが大正解♪ リマスターもアナログ盤の雰囲気を大切にしつつもヌケが良く仕上げてありました。
ちなみにこのアルバムは契約の関係でイギリス盤は無いと言われていますので、これからソフトマシーンを聴いてみようとする皆様は、まず今回の復刻盤から入ってください。
これから後のソフトマシーンは、頻繁なメンバーチェンジを繰り返し、ジャズに接近しつつも独自の色合を完成させていくのです。それは現在、一部で過激なほど人気がある「カンタベリー派」と呼ばれるジャンルの雄として崇め奉られている彼らが、デビュー時にひとつの完成された形であったという、証明になっています。
例によってジャケ写からネタ元にリンクしてありますので、ぜひ、どうぞ。