■Love Hurts / Nazareth (Mooncrest / 日本フォノグラム)
ロックと言えば、ブリティッシュ!!
それがひとつの真実であったのが、1970年代であり、その中で「如何にも」という存在が、本日の主役たるナザレスという中堅バンドでしょう。
なにしろ黄金期ディープ・パープルの弟分的な紹介があり、デビューした頃から堂々の前座を務め、発売レコードのブロデュースはロジャー・グローヴァーに担当してもらえるという現実は、まさに「運も実力のうち」という言葉が相応しいと思うばかりですし、やっている事がハードなロケンロールと泣きのパラードの二本立てという分かり易さは良かったですねぇ~~♪
メンバーはダン・マッカファーティー(vo)、マニー・チャールトン(g)、ピート・アグニュー(b)、ダレル・スウィート(ds) の4人組である事も、実はリアルタイムのアマチュアバンドにはコピーし易い対象としての人気があって、学生時代のサイケおやじも、それに勤しんでいたひとりです。
中でも掲載したシングル盤A面曲「Love Hurts」はグッと胸に迫る歌謡パラードのハードロック的展開とでも申しましょうか、1974年の発表から忽ちロングセラーの定番演目であり、実はオリジナルはエヴァリー・ブラザースが1961年に出していた所謂オールディズカパーなんですが、それは知る人ぞ知るの人気曲だったんですから、ナザレスの明確な立ち位置は潔いという他はありません。
ですから、そういう部分は後に多くのバンドに受け継がれ、もしかしたらトリビュートアルバムが出ている可能性さえあるんですが、本人達はそれを知ってか知らずか、今日までマイペースな活動を続け、夥しいレコーディングを残していのはる流石だと思います。
う~ん、中堅のしぶとさ!?
というか、こういうB級テイストのバンドがいるからこそ、1970年代ロックは何時までも人気があるんじゃ~ないでしょうか?
ちなみにナザレスの人気曲としては初期に「Bad Bad Boy」という、実に分かり易いハードロックがあって、極言すればグラムロックとサザンロックの幸せな結婚みたいな歌と演奏なんですが、そういうものが簡単に作り出せるかと言えば、それは否!
つまり確固たる実力と信念を持ち併せ、同時に裏を見せないシンプルさがあってこそ、ロケンロールの本質が貫けるのかもしれません。
ナザレスは、そういうところを強く感じさせてくれる、素晴らしいバンドですから、サイケおやじは今も多くのレコードを愛聴しています。