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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ワンツースリーでスピードつけて!

2016-09-15 20:34:16 | Rock
1-2-3 / Len Barry (Decca / テイチク)
 
過言ではなく、今やオールディズの定番であり、元祖ブルーアイドソウルの大ヒットに比定されるのが、レン・バリイが1965年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「1-2-3」です。
 
とにかくイントロから強烈なドラムスと痛快なホーンセクションに導かれ、切迫感の滲む高いテナーボイスによる歌い回しが実にソウルフルなもんですから、初めてラジオでこれを聴いた時のサイケおやじは、てっきりレン・バリイは黒人だと思いましたし、サウンドそのものが当時世界を席巻していた所謂モータウンサウンドがそのまんまでしょう!
 
それが昭和41(1966)年の話で、以降のサイケおやじは、とっても調子が良い「1-2-3」という曲と歌っているレン・バリイという歌手が気になっていたわけですが、まさか白人だったとは思いもよらず、レコード屋に飾ってあった掲載のシングル盤に邂逅した時は驚きましたですねぇ~~~!?!
 
しかし、実質的にレン・バリイのレコードを買う経済的余裕も無いままに時が流れたのは言うまでもありません。
 
件のシングル盤がサイケおやじの手元に入ったのは既に昭和50(1975)年、折しも本格的にオールディズ趣味に目覚めた頃でして、中古屋における猟盤活動ではそれもんメインで漁っていた獲物のひとつだったんですが、そんなこんなの蒐集過程で知っていくレン・バリイの活動履歴には、納得させられる事が度々でした。
 
それはレン・バリイが「1-2-3 」の大ヒットを放った時には決して新人ではなく、それ以前にダヴェルズと名乗るボーカルグループでリードを歌い、「Bristol Stomp」等々のイカシたダンス系のヒットを出していたという実績があり、しかもサイケおやじは前述したとおり、オールディズ趣味に染まった中で好きになっていたのが、そのダヴェルズが演じた「Bristol Stomp」だったもんですから、類はなんとかを呼ぶってやつでしょうかねぇ~~♪
 
追々知る事なった話ではありますが、レン・バリーの出身地たるフィラデルフィアは後に通称「フィリーソウル」のホームグランドになったほど、ダンスミュージックが盛んな地域だったそうで、だからこそ様々に素敵な歌や演奏が昔っから作られていたと言われていて、それゆえに白人のレン・バリイが黒っぽく歌えたのも自然の成り行きなのかもしれません。
 
また、これまた後に見たレン・バリイの実演映像では、そのアクションにジェームス・ブラウンの物真似が入っている印象がありましたし、本人が長身だというのも結果オーライだったような気がします。
 
ちなみにホール&オーツも少年時代はレン・バリイのファンだったとかで、そう言われてみれば、ダリル・ホールの歌いっぷりにはレン・バリイが入っている気がしますが、いかがなものでしょう。
 
ということで、今日は昨夜からの仕事の流れでグリグリに責められたもんですから、思わず景気の良い歌をっ!
 
てな勢いで、この「1-2-3」を取り出しました。
 
この勢いを大切にしようっ!
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アラン・パーソンズ・プロジェクトの胸キュンソング

2016-09-11 18:19:02 | Rock
Don't Answer Me / Alan Parsons Project (Arist / 日本フォノグラム)
 
大衆音楽は分かり易さが大切な要素なので、楽曲もそうですが、演じている側に大上段に構えた印象が最初っからあろうものなら、それは所謂聴かず嫌いに陥るなんてことは少なくありません。
 
例えば本日掲載のシングル盤の主役たるアラン・パーソンズ・プロジェクトは、我が国ではプログレに分類されていた時期もあったほど、ある意味では誤解された存在であり、また発売されるレコード、殊更アルバムには大袈裟な邦題が附され、そのジャケットデザインも勿体ぶった感じの作品が多かったというマイナス要因(?)があった事は否めません。
 
しかし、そりゃ~、確かにアルバム全体の構成とか、凝った音作りにはそれなりの威厳のようなものが感じられ、何よりもロック&ポップスグループの形態を標榜していながら、バンド名(?)に「プロジェクト」なぁ~んていう親しみの無い単語が用いられているのであれば、致し方ないという理解もありますが、実際に提供されていた楽曲は素晴らしく良く出来た温故知新な作品が多かったのも、また揺るぎない真実だったわけで、それを世に知らしめたのが、例えば本日掲載のシングル盤A面曲「Don't Answer Me」です。
 
なにしろこれが1984年の発表でありながら、そのメロディはオールディズ風味の胸キュンフィーリングがいっぱいですし、音作りそのものが往年のフィル・スペクターが十八番の「音の壁」を強く意識したものなんですから、たまりません♪♪~♪
 
皆様ご存じのとおり、その頃は音楽のビートそのものがデジタル化へ進行しており、それに伴って曲メロそのものからもハートウォームな感じが薄れていった中にあって、この「Don't Answer Me」が実はライブ活動をやらず、極言すればスタジオに「引き籠り」で作品を出し続けて来たグループによって提供されたというのは、産業ロックの素晴らしさを逆説的に証明してしまった感がありましたですねぇ~♪
 
それはアラン・パーソンズ・プロジェクトが本職はレコーディングエンジニアのアラン・パーソンズと裏方のソングライター兼ボーカリストだったエリック・ウルフソンの出会いからスタートし、最初はプロデュース業に関わるアラン・パーソンズを企画やマネージメントでサポートするエリック・ウルフソンという役割分担だったそうですが、そうやって進めていく仕事の中でパイロットやアンブロージア等々の諸作がヒットした実績から、いよいよ1976年に自分達の最初のアルバム「怪奇と幻想の物語 / Tales Of Mystery And Imagination」を発表するや、以降約10年間に充実したレコードを出し続け、そこにはアラン・パーソンズ(key)、エリック・ウルフソン(vo) の他に前述したパイロットからデヴィッド・ペイトン(b)、ビリー・ライオール(key)、また後に10CC に参加するスチュアート・トッシュ(ds) やイアン・ベアンソン(g) 等々が助っ人に入り、このあたりはアラン・パーソンズ・プロジェクトの個性(?)のひとつであるビートルズっぽさの秘密かもしれませんが、それというのもアラン・パーソンズはキャリアの重要なポイントにビートルズのアルバム「アビイ・ロード」と「レット・イット・ビー」の制作現場にアシスタントとして関わっていたのです。
 
それと凝った音作りについてはピンク・フロイドの大ベストセラーLP「狂気 / The Dark Side Of The Moon」への参加が大きいようで、しかし逆に言えば、そうした才能と技量をアラン・パーソンズがしっかり持っていたという証でしょう。
 
さて、そこであらためて「Don't Answer Me」は正直、決して新鮮な試みではないところに深味があるというか、間奏でメル・コリンズが吹いてくれるサックスの音色やフレーズ、エコー過多寸前の音の壁から自然に浮き上がってくるようなアコースティックギターの響き、さらにはオールディズな曲メロに心温まるボーカルの節回し等々、この雰囲気作り(?)の本気度の高さに元祖フィル・スペクターの胸中は如何ばかりかと!?!
 
なぁ~んて不遜なことまでも思わざるをえないのが、サイケおやじの本音ですよ♪♪~♪
 
そして、これは常々言われ続けているんですが、ジェフ・リンが率いるエレクトリック・ライト・オーケストラとの親近と相違については、もちろんリスナーやファンの十人十色の感性が優先されるとはいえ、個人的にはサンダ対ガイラというか、どちらがどっちと決めつける事は致しませんが、それぞれに永遠の命たるビートルズの遺伝子を受け継ぐ存在なればこそ、宿業の深さや重さが魅力の一端になっているんじゃ~ないでしょうか。
 
当然ながら、我が国には「Don't Answer Me」をパクった楽曲がかなり出されていることは言わずもがなでしょう。
 
ということで、なんだか道を踏み外した暴言戯言へ話が進んでしまって、我ながら焦っています。
 
でも、そんな気分にも、このアラン・パーソンズ・プロジェクトが演じる「Don't Answer Me」の癒しは絶大♪♪~♪
 
実は歌詞の内容は相当に不条理な愛情というか、煮詰まった恋愛から逃げ出したい男と何とか続けていきたい女の擦違う感情が歌われているみたいなんですが、「Don't Answer Me ≒ もう言わないでくれ」と泣きそうになっているとしか思えない、その男の流され方にこそ、サイケおやじは強く感情移入したくなりますねぇ……。
 
う~ん、今日は胸キュンです。
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マラケッシュ急行にノセられて

2016-09-09 18:28:56 | Rock
マラケッシュ行急行 / Crosby, Stills & Nash (Atlantic / 日本グラモフォン)
 
1969年に公式デビューしたクロスビー・スティルス&ナッシュ=CS&Nは所謂スーパーグループ登場と大いに喧伝され、翌年にはニール・ヤングも参加してのCSN&Yに発展するや今日まで、大衆音楽史にその名を刻するほどの成功を収めた事から、あたかも前述したデビュー期の盛り上がりは凄かった!
 
と思われがちな存在かもしれませんが、サイケおやじのリアルタイムの記憶では、少なくとも我が国においては決して大騒ぎになるような事はありませんでした。
 
実際、元バーズのデイヴィッド・クロスビーや元ホリーズのグラハム・ナッシュはともかくも、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスって??!?
 
つまり失礼ながら、スティーヴン・スティルスを知っていた我が国洋楽ファンは極めて少なかったと思うんですが、いかがなものでしょう。
 
また、前述したバーズにしろ、ホリーズにしろ、その頃には既に「世を過ぎた」バンドという不遜な扱いが、どうにも自然な感じさえありましたからねぇ……。
 
そもそも「スーパーグループ」という業界用語(?)が使われ出したのは、同じ年にデビューしたエリック・クラプトンとステービィー・ウィンウッドが手を組んだブラインド・フェイスがその代表格であり、もちろんそっちは世界的に爆発的な注目を集めたという現実の前に、CS&Nは如何にも地味ぃ~な印象しかなくて当然と思うばかりです。
 
ところがそんなある日、偶然にもサイケおやじがラジオで耳にしたのが本日掲載のシングル盤A面曲「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」で、これがなんともホンワカムードの心地良いポップス曲だったもんですから、あぁ~~、これが洋楽雑誌なんかでちょっぴり取り上げられていた、元バーズと元ホリーズの残党が組んだグループの歌と演奏なのかぁ~~♪
 
そんな如何にもラジオが現代のインターネットのような役割を果たしていた時代ならではの感慨がありまして、もちろん以前にも書いたとおり、今となっては洋楽に目覚めた少年期からのサイケおやじにとっては、バーズとホリーズはビートルズよりも先に好きになった存在という正直な気持ちの再燃だったような気がするほどです。
 
そこで肝心の「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」はグラハム・ナッシュの自作曲で、アップテンポで浮遊するキャッチーなメロディと軽快なドラミングやオルガンの音色、さらにはハイトーン主体のコーラス&ハーモニーワークが本当に爽やかな仕上がり♪♪~♪
 
あぁ~~、これぞっ!
 
バーズとホリーズの美しき流れの結実にちがいないっ!
 
なぁ~んてことを独善的に思っていたサイケおやじは、しかし同時に些かの勘違いもしていたことは言うまでもありません。
 
それは皆様ご存じのとおり、当時のロックの主流だったサイケデリック&ニューロックでは、グループとしての表現には楽器の演奏が主役になるものが少なからずあり、ハードロックやブルースロックの諸バンドは言うにおよばず、前述したバーズでさえも、ライブの現場では饒舌なギターソロによる長尺な演奏を披露していた中あって、ここまでボーカル&コーラスを前面に出したCS&Nは特異な存在と思われがちで当然だったはずが、実は彼等も殊更デイヴィッド・クロスビーとスティーヴン・スティルスは楽器の演奏にも堂々の自己主張を持っていて、それがギターの変則チューニングであったり、ジャズ系代理和音の使用やモード手法の導入等々、決して一筋縄ではいかないという音作りは侮れない事がサイケおやじにも追々と分かってきたもんですから、もう大変(?)です。
 
このライトタッチのポップス曲という印象の「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」にしても、それを彩るハーモニーの深さと奥行きは一瞬、どこが主旋律なのか、ちょいと惑わされるほどの感覚が大きな魅力の源なんじゃ~ないでしょうか。
 
また、CS&N及びCSN&Yが大ブレイクした頃は、同時にシンガーソングライターという自作自演のミュージシャンが表舞台で活躍し始めた事もあり、我が国でも歌謡フォークの大きなブームがそこに連動していましたから、エレキよりはアコースティックなギターが音楽好きの若者には必須のアイテムとなってみれば、前述したとおり、デイヴィッド・クロスビーやスティーヴン・スティルスが十八番の変則チューニングが市民権(?)を得たかのように大流行!
 
その研究がプロはもちろん、アマチュアでも盛んになり、加えて音楽雑誌には特集までもが掲載されてしまえば、CS&Nが一番人気で解説されていましたですねぇ~~♪
 
しかし、そんなこんなはサイケおやじの稚拙な文章では伝わりにくいと思いますので、ひとつオススメしたのが、デイヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュが組んでいたクロスビー&ナッシュが実演する「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」で、残念ながら公式バージョンよりはブートによる映像や音源に接してみれば、意図的にシンプルに演じているであろうグラハム・ナッシュのリードボーカルとギターに寄り添うデイヴィッド・クロスビーの天才的なハーモニー感覚に酔わされてしまいますよ。
 
そして、だからこそ、グラハム・ナッシュが親しみ易い楽曲を提供出来るという好循環が成り立つように思いますし、極言すればデイヴィッド・クロスビーやスティーヴン・スティルスが作る、思い入れの強い歌ばっかりだったら、決してCS&Nの人気沸騰は無かったと思うばかりです。
 
最後になりましたが、ここに歌われている「マラケッシュ」とは説明不要、モロッコにあるイスラム文化の芸術的観光都市であり、もちろん未だサイケおやじは訪れたことはありませんが、少年時代に聴いた「マラケッシュ行急行 / Marrakesh Express」には、その目的地への漠然とした憧れを抱き、地図帳を広げては何時か……、なぁ~んていう気分になりましたですねぇ~♪
 
そ~ゆ~気持ちの昂ぶりを招来するのも、音楽の大切なパワーかもしれません。
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ジェフ・ベックの今も昔もピュアハート

2016-09-06 18:14:53 | Rock
Steelin' c/w Chuckles / The Allstars featuring Jeff Beck (Immediate / 東芝)
 
最近は自分の齢を感じる事も度々というサイケおやじにとって、ジェフ・ベックの老いてますます盛んというよりも、萬年青年の如き活動には素直に感服するばかりで、今年も若き共演者を率いての新作アルバムを出していますし、なによりも昔とイメージが変わらないルックスと佇まいは驚嘆の一言です。
 
一般的なイメージとしてはロックスタアなんかは、きっとセックス・ドラッグ・ロケンロールという日常の積み重ねだろうという認識なんでしょうが、他にもストーンズの面々等々も含め、ジェフ・ベックも節制と鍛錬を持続させてきたんじゃ~ないでしょうか。
 
そして、そうだとすれば、まさにギターの求道者!
 
さて、そこで本日掲載したのは、そんなジェフ・ベックの若き日の演奏が記録された音源をカップリングしたシングル盤で、これが我が国独自のブツなのかは定かではありませんが、とにかく日本で発売されたのは昭和44(1969)年頃だと思われます。
 
しかし、実際にレコーディングされたのは1964年8月と言われており、初出はイギリスで纏められたLP「ブルース・エニタイム Vol.3 (Immediate)」に収録されての事らしく、それが1968年晩秋でしたから、つまりは主役のジェフ・ベックがヤードバーズを経て第一期ジェフ・ベック・グループを結成し、最初のアルバムを出した直後ということは、まさにスタア街道を驀進中の勢いに乗じた企画盤!?
 
そ~ゆ~推察は易いところです。
 
しかし、これはサイケおやじが後に知った事なんですが、このジェフ・ベックの音源に限らず、前述したLP「ブルース・エニタイム」のシリーズに収録されていたトラックの数々は、1960年代初頭から活性化していた英国の若手ミュージシャン達によるブルース演奏の実践から録音されていたものであり、まずはそれを集めたのはストーンズのデビュー期からのマネージャーだったアンドルー・オールダムでした。
 
ただし、それは決してアンドルー・オールダムだけの作業ではなく、協力者としてブルースに造詣の深いマイクとリチャードのヴァーノン兄弟!
 
そうです、そのヴァーノン兄弟こそが、英国産ブルースロックの大ブームを導いた偉人であり、殊更マイク・ヴァーノンは自らのレーベル「ブルーホライズン」を設立し、チキン・シャックを売り出し、同時にフリートウッド・マックやサボイ・ブラウンという同系のグループも含めた、通称「ブリティッシュブルースの三大バンド」を手掛けた眼力(?)は特筆されるものです。
 
で、とにかくもブルースに賭ける情熱の発露として記録された音源の数々はアンドルー・オールダムの手元に集められ、前述したシリーズ企画のLP「ブルース・エニタイム」を自身が立ち上げたイミディエイトから発売し、それが同時進行的に盛り上がっていたブリティッシュロック上昇期の勢いとの相乗作用もあって、大いに注目を集めていた事にはサイケおやじも当時の洋楽雑誌で接していたんですが、その頃の乏しい小遣いでは、なかなかレコードも買えずに幾年月……。
 
もちろん、我が国のラジオ洋楽番組でも、未だそこまでマニアックな歌や演奏は流れる事も稀で、裏を返せば、もっともっと放送しなければならない(?)曲が山ほどあったというのが真相でしょう。
 
ですから、サイケおやじが件の「ブルース・エニタイム」の諸音源を本格的に聴いたのは、既に1970年代も2~3年が過ぎた頃で、あらためて述べるまでもなく、クラプトン・ベック&ペイジというブリティッシュ三大ギタリストの貴重音源を端座して鑑賞するという姿勢が求められる中での邂逅でありました。
 
そして今、ここで書き連ねている諸々を知るようになったのも、同時期以降の事です。
 
とお断りしたところで、肝心の掲載盤の音源については、まずレコーディングの名義が決して「ジェフ・ベックとオール・スターズ」ではなく、原盤では「The Allstars featuring Jeff Beck」になっていることに注目すれば、その「オール・スターズ」の構成メンバーが大いに気になるところでしょう。
 
結論から述べさせていただければ、件の「オール・スターズ」とは、英国におけるブルースやR&Bの立役者ともいうべきハーモニカ奏者のシリル・デイビスが率いていたバンドの残党であり、実はシリル・デイビスは1964年初頭に白血病で早世したという伝説の存在……。
 
そのキャリアは同ジャンルでは一方の雄であったアレクシス・コナーと1962年、ブルース・インコーポレイテッドを結成し、そのグループにはブライアン・ジョーンズ、ミック・ジャガー、ジャック・ブルース、エリック・バードン等々、後のブリティッシュロックを創生していく優れた人材が去来していたのですが、シリル・デイビス本人は直ぐにそこを抜け、自らが単独リーダーとしてシリル・デイビス・オールスターズを結成したのは揺るぎない事実です。
 
ところが前述したとおり、シリル・デイビスが病に倒れたために公式に残されたレコーディングは極めて少なく、そこで再出発を図るためでしょうか、残されたバンドメンバーが新規に録音セッションを敢行した時の音源がアンドルー・オールダムの管理下に入り、前述「ブルース・エニタイム」に収録されて世に出たという経緯があるようです。
 
さて、そこでようやく掲載したシングル盤に収録の音源について、参加したのはニッキー・ホプキンス(p)、クリフ・バートン(b)、カルロ・リトル(ds) の3名がシリル・デイビス・グループからの生き残りで、その彼等が頼んだプロデューサーがジミー・ペイジ!
 
もちろんギタリストとしてのプレイも見込んでの要請だったんですが、しかしジミー・ペイジが起用したのは親しい関係だったジェフ・ベック(g) だったという経緯があるなんですねぇ~~!?
 
そしてレコーディングされた幾つかの音源の中から選ばれた5曲が「ブルース・エニタイム Vol.3 (Immediate)」に収録され、さらに特にジェフ・ベックがメインのトラック2曲が、このシングル盤にカップリングされたというわけですから、決して所謂ハードロックやヘヴィメタルを期待してはなりません。
 
A面の「Steelin'」は一応ジミー・ペイジの作曲とクレジットされていますが、 極めてヘッドアレンジ一発のブルースインストジャムで、ミディアムスローな展開の中でスライドを用いたジェフ・ベックのギターが特有の浮遊してエキセントリックな感覚を披露していますよ♪♪~♪
 
ニッキー・ホプキンスの如何にもブル~スっていうピアノも良い感じの2分50秒が楽しめます。
 
ちなみにこの演奏は、イギリスでは1965年に発売されたヤードバーズのシングル盤「ハートせつなく / Heart Full Of soul」のB面に収録された「Steeled Blues」の原曲とされていますが、そこではしっかりジェフ・ベックとキース・レルフの共作とクレジットされているあたりが如何にもでしょうか。現在では様々なヤードバーズ関連のオムニバス盤に収録されている同曲と聴き比べるのも一興かと思いますが、個人的にはヤードバーズのバージョンに重心の低さがあるので、尚更のロックっぽさは感じるものの、浮遊感という気持ちの良さに関しては、こちらが好きです。
 
緩和休題。
 
一方、B面の「Chuckles」は、これまた作者がジミー・ペイジとされてはいますが、その実態はアップテンポのR&Rインストで、チャック・ベリーのスタイルに影響されたジェフ・ベックのギターは流石に鋭さの片鱗を滲ませていますし、ニッキー・ホプキンスのピアノが、これまた楽しいぃ~~♪
 
う~ん、盛り上がったところでフェードアウトしてしまうのが勿体ない、僅か2分半ほどの演奏ですが、これはこれで何度も聴きたくなる仕上がりだと思うばかりです。
 
ということで、繰り返しますが、決してへヴィロックではなかったので、これを初めて聴いた若き日のサイケおやじは物足りなさを感じたのが本当のところです。
 
なんたって、ベック&ペイジの共演による「幻の名盤」と喧伝されていたのですからっ!?
 
しかし、時が流れ、それなりに様々な音楽に接して来た現在のサイケおやじにとっては、殊更ジェフ・ベックのような老成という言葉が似合わない偉人に眩しさを感じるばかりです。
 
そういうピュアな心意気みたいなものが、常にジェフ・ベックの音楽からは伝わって来るところこそ、この偉大なギタリストの真髄かと思うのでした。
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クラシカル・ガスの魅力、そしてギターインストも!

2016-08-31 19:12:08 | Rock
クラシカル・ガス / Mason Williams (Warner Bros. / 東芝)
 
インスト曲でヒットを狙おうと企図すれば、結局歌詞が無いわけですから、そのまんまキャッチーなメロディが必須でありましょう。
 
もちろん、それはラジオが音楽鑑賞において重きをなしていた時代であればこそ、一発でリスナーの耳と感性を魅了するものが求められますから、演奏やアレンジも大切な要素であることは、あらためて述べるまでもないでしょう。
 
そこで本日掲載のシングル盤A面収録の「クラシカル・ガス / Classical Gas」は、メイソン・ウィリアムスというアメリカ人の作編曲家にしてギタリストでもあった才人が1968年に出した人気曲で、哀愁滲むメロディをクラシックギターというか、ガットギターのフィンガーピッキングでクラシック調に弾き、さらに途中からは幾分大袈裟なオーケストラまでもが導入されるという、これぞっ! 一度聴いたら忘れ難い印象と余韻が残る名曲にして大名演♪♪~♪
 
実際、この「クラシカル・ガス / Classical Gas」は特に欧米のギター教則本の中~上級者向けのコースには入っている事も多いそうですし、ちょっとでもギター演奏に興味を抱かれている皆様であれば、思わずコピー意欲を刺激されると思いますが、いかがなものでしょう。
 
しかし告白すれば、サイケおやじが「クラシカル・ガス / Classical Gas」というギターインストの名曲を知ったのは、決してメイソン・ウィリアムスのオリジナルヒットバージョンではなく、例によってベンチャーズのカバーバージョンであり、それは昭和45(1970)年に、おそらくは我が国独自の編集によるLP「ゴールデン・デラックス」に収録されていた、当然ながらリードギターがジェリー・マギーと推察されるテイクだったんですが、これが実に最高でしたねぇ~~♪
 
ちなみに件のアルバムには他に「京都の恋」「白鳥の湖ロック」等々も入っていたんですが、同時に「朝日のあたる家」とか明らかにノーキー・エドワーズがリードを弾いていた往年の傑作トラックも再収録していたので、本国アメリカでは、どのような企画で吹き込まれていたトラックなのかは不明です。
 
しかし、これが名演であった事は翌年からのベンチャーズ来日公演では人気の演目になっていた事でも明らかですし、前述したとおり、メイソン・ウィリアムスがクラシック調のフィンガーピッキングで弾いていたメロディフレーズをベンチャーズではジェリー・マギーにしろ、ノーキー・エドワーズにしろ、カントリーロック系のリックで聞かせてくれるという嬉しさは格別でしたねぇ~~♪
 
気になる皆様は、その頃に我が国で制作されたベンチャーズのライブ盤をぜひともお楽しみ下さいませ。
 
緩和休題。
 
で、肝心のメイソン・ウィリアムスが出した掲載盤は、当然ながらベンチャーズのバージョンにシビレきった後にサイケおやじが中古でゲットしたブツでありまして、なんともサイケデリックなバスの写真パネルをバックにした本人の佇まいが、本当に普通っぽいのが逆に強い印象というか!?
 
かなり後になって知ったことではありますが、メイソン・ウィリアムスは決してミュージシャンが専業ではなく、テレビやラジオの制作スタッフとか、写真撮影やデザインの仕事等々も同時並行的になっていたそうで、しかも芸能界が基本的に嫌いだったとかで、1970年代前半には音楽業界からフェードアウトしたらしいですよ。
 
未確認ではありますが、このジャケ写の背景にあるバスの写真も本人の撮影だという話も聞いたことがありますし、「クラシカル・ガス / Classical Gas」という楽曲そのものが、メイソン・ウィリアムスの関わっていたテレビ番組の為に自作自演されたというのは、なかなかの才人!
 
本当に、そう思うばかりです。
 
ということで、サイケおやじの記憶としては、このメイソン・ウィリアムスの「クラシカル・ガス / Classical Gas」は日本でヒットしていたという印象が無いんですが、これがベンチャーズによって広く知られたという実情があるのならば、冒頭で述べたとおり、インストヒットはメロディの魅力の宝庫ですよねぇ~~♪
 
今の音楽から、そ~ゆ~ところが欠如しているのは残念というか、悲しい現実かもしれません。
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賭けるほどの人生って、素晴らしいはず

2016-08-29 19:46:03 | Rock
この人生に賭けて / Joe Walsh (Asylum / ワーナーパイオニア)
 
今となってはジョー・ウォルシュもイーグルスでのキャリアが一番に輝くロックスタアという認識が強いわけですが、サイケおやじとしては、それ以前のジェイムズ・ギャング時代やソロ名義での諸作も大好き♪♪~♪
 
音楽スタイルとしては様々な流行物を意識しつつも、アメリカンハードな本質は常に保っていたように感じますし、なによりも天衣無縫というか、その時々にやりたいようにやった結果としてのレコード制作が賛否両論とはいえ、そ~ゆ~幸せの御裾分けに共感している次第です。
 
そこでご紹介したいのが、1978年に発売された自己名義のLP「ロスからの蒼い風 / But Seriously, Folks...」からシングルカットされた、如何にも「らしい」大ヒット「この人生に賭けて / Life's Been Good」で、もちろん皆様ご存じのとおり、その頃のジョー・ウォルシュは参加していたイーグルが驚異のメガヒットアルバム「ホテル・カリフォルニア」を出した後だったというのに、そのプレッシャーなんか何処へやら!?
 
なぁ~んていう印象さえ滲みまくりの態度が全開というか、バーニー・レドンに替わってイーグルスに参加したのが1976年末、そして約10ヶ月を要したという前述のアルバム「ホテル・カリフォルニア」の制作においては、持ち前のハードロック魂を存分に発揮し、それこそが新生イーグルスの頂点への道にはジャストミートだったことは否定出来ない真実のひとつだったのですから、そんなこんなの大成功の後に、自己名義とはいえ、お気楽なレコードなんかは出せないはずというファンや業界周囲の思惑に対し、見事な肩すかしをキメてみせたのが新作アルバム「ロスからの蒼い風 / But Seriously, Folks...」であり、そこからの大ヒットシングル曲「この人生に賭けて / Life's Been Good」だったんですねぇ~~♪
 
なにしろハードロックがガチガチのギターリフから入って、アコースティックギターのコードカッティング、さらにはレゲエのリズムを用いてメロディアスな主旋律が歌われるという、ある種の組曲っぽい、なかなかバラエティな作風がニクイばかりで、実はアルバム収録のバージョンは8分ほどの大作だったものを、このシングル盤では約4分半に編集した短縮バージョンという真相があるにせよ、これにはナチュラルにノセられてしまうツボが絶対にあるわけです。
 
それと特筆しておきたいのが歌詞の面白さで、結論から述べさせていただければ、「大金持ちになってマンションや高級車も持っているけれど、旅回りのホテル住まいも捨てがたい人生さ」なぁ~んていう庶民からすれば羨ましいかぎりの男の独白(?)が歌われた後に、「もちろん文句は言えないが、それでも時々は言ってしまう……」等々、なかなか皮肉な自嘲がオチになっているあたりが、なんとも憎めません。
 
実は、この歌の主人公はザ・フーのキース・ムーンであるという説が広く流布されているんですが、思い返してみれば、ジョー・ウォルシュが最初にブレイクしたのは、そのザ・フーの前座を務めていたジェイムズ・ギャングに在籍していた時であり、ザ・フーのメンバー各々から絶賛されたと言われるジョー・ウォルシュのギタースタイルがあればこそ、アメリカンハードの美しき流れがイーグルスに注がれたのもムベなるかな!?
 
当然ながらイーグルス本隊がデビュー盤制作において、イギリスで敢行したレコーディングの成果により、それまでの西海岸ハリウッドポップスやサイケデリックサウンドとは一線を画した新しいウエストコースロックのイメージを確立させたことに鑑みても、ジョー・ウォルシュのギタースタイルに明確に表れているブリティッシュロックっぽさがすんなりと馴染んでしまうのも不思議ではないわけで、だからこそ偉大なロックスタアに成り上がったという世評を逆手に活かしたようなレコード作りが出来たのかもしれません。
 
ちなみに「この人生に賭けて / Life's Been Good」が入っている本篇アルバムの邦題が「ロスからの~」なぁ~んていう気を惹くウリになっているのは、原題「But Seriously, Folks...」、つまり「でも、俺はマジだぜ」という意味合いにおいても笑って許してのイメージでしょうか?
 
あくまでも、これまでの活動歴を追っているサイケおやじの感性ではありますが、本質的にユーモアとか稚気を大切にしているジョー・ウォルシュのことですから、そっちがOKならば、こっちもねっ♪♪~♪
 
てなもんだったと思いたいですねぇ~~♪
 
一応、追記事項になりますが、件のアルバムのレコーディングはロスではなく、マイアミで行われていたんですが、その所為でしょうか、何時にも増してお気楽で陽気なムードが横溢した作風が全篇のイメージを決定づけていますし、このシングル盤のジャケ写だけでは分かりにくいかもしれませんが、実はプールの中でディナー(?)を楽しむという趣向が如何にもです♪♪~♪
 
最後になりましたが、ジョー・ウォルシュがイーグルスに途中参加した経緯について、実は本人とイーグルスが同じエージェントに所属していたという実情に加え、両者のレコードプロデューサーがビル・シムジクであったという関係の深さ等々、歴史には、そ~ゆ~必然性・蓋然性があるんだなぁ~~、という思いを強くしているのでした。
 
うむ、まさに「この人生にかけて / Life's Been Good」に偽り無し!?
 
あっ、イーグルスが1980年に出したライブ盤「イーグルス・ライブ」では、「この人生に賭けて / Life's Been Good」のイーグルス・バージョンが楽しめますので、よろしくです♪♪~♪
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やっぱりエルヴィスはロックの王様だぁ~~!

2016-08-16 20:32:09 | Rock
Little Sister / Elvis Presley (RCA)
 
本日、8月16日はエルヴィス・プレスリーの命日ということで、サイケおやじが偉大なるロックの王様の持ち歌の中でも特に大好きな「Little Sister」をご紹介しつつ、故人の冥福を祈念しようと思います。
 
あらためて述べるまでもありませんが、エルヴィス・プレスリーが登場しなければ以降の大衆音楽の状況は必ずや異なっていたはずで、異論はあるかもしれませんが、ロケンロールという素晴らしい文化遺産が認められたかは歴史上の疑義になっていたにちがいありません。
 
しかし、その線上に出現して来たビートルズやローリング・ストーンズ等々が、さらにそれを推し進めた結果としての所謂ロックの隆盛により、既にスタアシステムによる商業映画の世界でも大きな意向を収めていたエルヴィス・プレスリーは、些か保守的な存在になっていたのが1960年代前半における今日の一般的な印象……。
 
というか、拙ブログでも以前に書いたとおり、その頃のエルヴィス・プレスリーは少なくとも少年時代のサイケおやじにとっては「歌う映画スタア」であり、とてもビートルズ以上に凄いロッカーだという認識は不覚にも欠如していました。
 
ですから、昭和45(1970)年1月3日の午後4時から「エルビス・プレスリーのすべて」のタイトルで放送された通称「カムバック・スペシャル」に接した時も正直、古臭~ぇなぁ~というのがその時の印象でした。
 
ちなみに件の番組はアメリカでは既に1968年12月3日に放送済みだった、つまりは過去の遺物という見方も可能ではありますが、当時中学生だったサイケおやじのメモを読み返してみると、その日は土曜日だったので友人とボーリングに行っており、帰宅後にこの番組を観たことになっています。そして、その後は続けて「三波春夫ショウ」、さらに夜には「ドリフの全員集合」から「キイハンター」に熱狂していたという、これもひとつの昭和元禄でありました。
 
緩和休題。
 
ところが、そこからライブステージの現場に復帰し始めたエルビス・プレスリーが忽ちの本領発揮というか、天才的なボーカリストとしての資質がさらに発揮され、衝撃のメジャーデビュー時以上の興奮と感動を世界中に知らしめ、殊更本格的なロックドキュメント映画「エルヴィス・オン・ステージ」のメガヒット等々もあって、我が国でも些か忘れられかけられていたエルヴィス・プレスリーの素晴らしい歌の数々が新旧問わずにラジオやテレビから流されるようになったんですから、ありがたやぁ~~♪
 
というか、告白すればサイケおやじはそ~したムーブメントにより、ようやくエルビス・プレスリーの凄さの一端に触れたわけで、本日のお題「Little Sister」にも、その流れでシビレさせられたんですねぇ~~♪
 
結論から言うと、これはエルビス・プレスリーならではの「深い声」とカッコ良過ぎるギターリフや黒いビート感覚が見事に合致した究極のロックであり、しかも録音・発売されたのが1961年夏だったというのですから吃驚仰天!
 
説明不要かもしれませんが、その頃のエルビス・プレスリーは娯楽大作映画「ブルー・ハワイ」や関連曲「好きにならずにいられない / Can't Help Falling In Love」等々の世界的なヒットにより、ポピュラー系の芸能人どっぷりというイメージでしたからねぇ~、まさかここまで凄みのあるロックを披露していたなんて事は、不肖サイケおやじにとっては目からウロコでありました。
 
とにかく皆様にはぜひともお楽しみいただきたいロックの真髄が、エルビス・プレスリーの「Little Sister」にはハナからケツまで刻まれていると確信する次第です。
 
あっ、書き遅れてしまいましたが、そこでの演奏メンバーはスコッティー・ムーア(g)、ハンク・ガーランド(g)、ニール・マシューズ(g)、フロイド・クレーマー(p,org)、ボブ・ムーア(b)、バディ・ハーマン(ds)、D.J.フォンタナ(ds)、ブーツ・ランドルフ(as)、ザ・ジョーダネアーズ(vo) 等々の面々で、前述したカッコイ~ィ♪ ギターリフはハンク・ガーランドだと言われていますが、如何なものでしょう。
 
そのハンク・ガーランドはナッシュビルをメインに活動していたセッションミュージシャンで、スタイル的にはロカビリーやカントリー&ウェスタンというイメージが強いかもしれませんが、実はモダンジャズも十八番で、なかなか素敵なLPを残していますので、追々にご紹介しようと思っています。
 
ということで、もうひとつ、実は「Little Sister」は最初、シングル盤「マリーは恋人 / His Latest Flame」のB面扱いだったらしいんですが、結局は欧米で両面ヒットなり、それゆえにピクチャースリーヴのジャケットも2種類あるそうで、掲載した私有盤はカナダプレスと思われる、「Little Sister」をA面扱いにしたブツのようです。
 
よぉ~し、これから今夜はエルビス・プレスリーを聴きまくるぞぉ~~~♪
 
そして偉大なるロックの王様に合掌。
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丘のむこうに何がある

2016-06-25 17:15:36 | Rock
丘のむこうに / Led Zeppelin (Atlantic / ワーナーパイオニア)
 
昨日発表されたイギリスのEU離脱という国民投票結果は即刻、世界の各方面が敏感に反応せざるをえない状況であり、それを冷静に判断しようにも、その時間が逆に不安というが本末転倒の次第じゃ~ないでしょうか。
 
もちろん、寸刻を争う取引とか政治経済における駆け引きは絶対に必要ではありますが、悪戯に騒ぎ立てるようなマスコミの先導的報道に踊らされるのも、これまた愚の骨頂のような気がします。
 
基本的には他人の家庭事情に左右されるようなものでもあり、あれやこれやの詮索と先入観によって、浮き足立ってしまう事は避けるのが賢明というのが、現在のサイケおやじの心境です。
 
第一、我が国の経済力は、そんなに脆弱ではありませんし、当然ながら様々な予測に基づいた備えは常日頃からやっているのが日本という国家の力の源でありましょう。
 
また、それがあるからこそ、様々な国難苦境を乗り越えられてきたんだと思います。
 
しかし、それにしてもイギリスがここまで世界に影響を及ぼしたというのは、本当に久々って感じですよねぇ~~。
 
思い返してみれば、二十世紀のイギリスでは最大の産業がロック、つまりビートルズが登場して世界を席巻した1960年代中頃からの20年間ほどは、所謂ブリティッシュロックが業界のトップランナーであったわけで、莫大な外貨を稼ぎだしていた現実は今や歴史!
 
特に1970年代のロック界は、英国勢の活躍があってこその活況だった事は今更言うまでもないでしょう。
 
さて、そこで本日掲載したのはブリティッシュロックを代表するトップバンドだったレッド・ツェッペリンが1973年に出したLP「聖なる館 / House Of The Holy」から最初にシングルカットされた1枚なんですで、サイケおやじは殊更A面曲「丘のむこうに / Over The Hills And Far Way」に今回のイギリス独立帰還(?)騒動が妙に被っているイメージを喚起させれます。
 
まあ、曲調そのものはアコースティックギターの伴奏でカントリー&フォーク風にスタートするシミジミソングでありながら、途中からは十八番のハード路線に踏み込み、様々な音楽的要素をゴッタ煮にしたプログレ風展開も演奏パートには散見されるという、如何にもこの時期のゼップらしい仕上がりなんですが、歌詞の中身がラブソングでもあり、人生の探究でもあるらしい、なかなか個人主義の哲学的真理を追い求めているみたいな、そんな感じが飽きないで聴ける秘密かもしれません。
 
 愛しい女よ
 しばらく一緒に歩いて欲しい
 おまえは たっぷりとした愛情に満ちた存在
 
 何度も考えてみた
 誰もが多くの悟りを必要としているんじゃ~ないかと
 
 「かもしれない」という言葉は
 後々に疑問を残すだけ
 残された疑問は
 本来知っておくべき事だった
 
等々、独りにせよ、友や恋人と一緒にせよ、この世は行くも地獄、残るも地獄という境涯から抜けられないのであれば、未知の領域を目指して歩むのもそれなりの人生なのか……?
 
なぁ~んてことを、この「丘のむこうに / Over The Hills And Far Way」を聴きながら、サイケおやじは漠然と考えさせれてしまうんですよ。
 
そして現在のイギリスだって、あれだけ僅差の投票結果であれば、当然ながら今後は順風ではないという推察も易く、しかしどちらに傾いても決して後戻り出来ないのも、この世の真理でありましょう。
 
ということで、慌てる乞食はなんとやら!
 
とりあえず日本人であれば、焦るのは禁物かと思います。
 
冷静な情報収集と状況判断もまた、この世の必須ですから。
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ささやかな幸せがイチバン

2016-06-16 18:16:24 | Rock
僕らに微笑みを / Chicago (Colmbia / CBSソニー)
 
その裏側も含めて、いろんな事情が様々にあったという推察は易いけれど、とにかく舛添が都知事を辞した事は良かったというのが現実でしょう。
 
これで少なくとも都庁の職員は本来の仕事を落ち着いてやれるでしょうし、疑惑の解明がうやむやという「お約束」も、何時もながらの予定調和ですからねぇ~~、決して暴露本なんかは出せない舛添の口惜しさに免じて、我々は次の展開を冷静に見守るのが大人の対応なのかもしれません。
 
ところがマスコミは既に次の都知事候補を勝手に詮索し、実名までも出しているというのは、自分達が世論をリードしているという驕りもありましょうが、さりとて名前を挙げられた人物がどんな事をやろうとしているのかが伝わってこない、あるいは伝えようとしないのでは、それが「報道」という美名に相応しいとは思えません。
 
別に政治云々に限らず、民衆が一番に望む事は、ささやかでもいいから、微笑ましい事象じゃ~ないでしょうか。
 
サイケおやじは、そ~ゆ~日常生活を望んでいますので、本日は思わず掲載のシングル盤を取り出してみました。
 
なにしろA面曲のタイトルが「ぼくらに微笑みを / Make Me Smile」ですからねぇ~~♪
 
演じているシカのは説明不要、1969年のデビュー以来、ブラスロックの王者として堂々と君臨しつつも音楽性は時代に合わせて変化させてきた人気バンドで、殊更初期においては急進的な政治思想を含む歌を出していましたし、演奏にも切迫感を強く前面に出したアレンジや曲調が多かったところから、邦題においては「ぼくら」とか「俺達」等々、なかなか「連帯」を意識させるものも散見されたんですが、実はシカゴの演目には「個人主義のささやかな幸せ」が歌われている楽曲が少なくありません。
 
この1970年に出された「ぼくらに微笑みを / Make Me Smile」にしても、緊張感あふれるブラス&リズムアレンジと演奏のアンサンブルが秀逸なところから、その歌詞の中身はちょいと急進的なのかなぁ~~、という先入観が植えつけられるのとは裏腹に、実は自虐的に悩む者が恋人、もしかしたら片思いかもしれない異性に自分への微笑みを求めるという、つまりは「ささやかな幸せ」の願望なんですよねぇ~。
 
そ~ゆ~、素直な「弱さ」をグッと過激なブラスロックサウンドで演じて聞かせるのも、シカゴの大いなる魅力でありましょうか、サイケおやじは好きです♪♪~♪
 
ということで、今日は朝からイチローのヒット記録が作られ、それこそ日本人としては幸せな気分にさせていただきました。
 
昨日の舛添騒動と同じく、街には号外が出ていましたが、こ~したものならば嬉しさも違います。
 
もちろん、本場アメリカの公式記録には及ばない事は皆が知っているはずでも、だからこそ、それも「ささやかな幸せ」として噛みしめているのでした。
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ブルースロックで悶絶の幸せ

2016-05-30 16:23:43 | Rock
John Mayall's Bluesbreakers Live In 1967 (Forty Below = CD)
 
 01 All Your Love (1967年5月5日録音)
 02 Brand New Start (1967年4月29日録音) 
 03 Double Trouble (1967年5月5日録音)
 04 Streamline (1967年4月27日録音)
 05 Have You Ever Loved A Woman (1967年2月1日録音)
 06 Looking Back (1967年4月29日録音)
 07 So Many Roads (1967年5月5日録音)
 08 Hi Heel Sneakers (1967年2月1日録音)
 09 I Can't Quit You Baby (1967年4月28日録音)
 10 The Stumble (1967年4月27日録音)
 11 Someday After Awhile (1967年4月29日録音)
 12 San-Ho-Zay (1967年5月5日録音)
 13 Stormy Monday (1967年5月5日録音)
 
これまで度々書いてきたとおり、ブルースロックはサイケおやじの大好物で、殊更そこにレスポールを弾きまくるギタリストが登場しようもんなら、中毒症状は抑えようもありません。
 
例えばマイク・ブルームフィールド、フリーで登場したポール・コゾフゲイリー・ムーア等々、挙げれば切りも無い中にあって、ジョン・メイオールのブルースブレイカーズや初期のフリートウッド・マックでの活躍が特に有名なピーター・グリーンは本当に大好きなもんですから、その頃の音源が聴けるのならばと買い集めたブツは公式盤やブートの区別無く、それこそ「病気」と自嘲せざるをえないほどでして、本日ご紹介のCDにしても、まさにそのとおりの証拠物件であり、発売されたのは昨年だったんですが、中身は1967年のブルースブレイカーズのライブ音源なんですから、たまりません♪♪~♪
 
気になる音質についても、そりゃ~、近年の高音質ブートに慣れているお若い皆様にはキツイかもしれませんが、モノラルを基本としたミックスの中では各楽器やボーカルの存在感もしっかりしていますので、それなりに普通に聴けますし、何よりもブルースロックが盛り上がっていたリアルタイムの熱気、そしてヤル気に満ちていたメンバー各々の情感溢れる歌と演奏には、グッと惹きつけられますよ。
 
ちなみにメンバーはジョン・メイオール(vo,g,key,hcm,etc)以下、ピーター・グリーン(g)、ジョン・マクヴィー(b)、ミック・フリートウッド(ds) という輝かしい顔ぶれですから、上記したとおりに演奏トラックの収録場所はバラバラでも、その意思の統一感にはブルースロック保守本流の魅力がいっぱい♪♪~♪
 
しかもやってくれるのがブルースの有名古典、例えばオーティス・ラッシュの十八番「All Your Love」「Double Trouble」「So Many Roads」「I Can't Quit You Baby」、フレディ・キング自前の傑作「The Stumble」「Someday After Awhile」「San-Ho-Zay」、そしてロックファンにはエリック・クラプトンのカバー名演が印象深い「Have You Ever Loved A Woman」「Stormy Monday」という、なかなか親しみ易い(?)選曲もニクイところでしょう。
 
そしてお目当てのピーター・グリーンは各トラックで存分に自己主張!
 
特に「「So Many Roads」の狂おしさは悶絶するしかありませんっ!
 
しかし、残念ながら、この絶対的な名演は頂点に達した、あるいはその過程かもしれませんが、ヒリヒリと火傷しそうなところでフェードアウトという現実が悔しいところなんですよっ!
 
尤も、最後までイッていたら、サイケおやじは腹上死ならぬ、ブルースロックに生きながら葬られていたと思うばかりで、そういう幸せな最期も、ここでは望みたくなるほどに凄いです。
 
そしてインスト曲の「The Stumble」や「San-Ho-Zay」も激しく、とにかく全曲において、これぞっ! レスポール信者にはシビレて平伏するしかない刹那の境地♪♪~♪
 
あぁ、この音色にしてエグ味も心地良いフレーズ展開の妙は聴くほどに収録全曲が最高ですから、本日は我ながら興奮状態で書いてしまい、それゆえ的外れも些かのご容赦をお願いしなければなりませんが、とにかくブルースロック万歳っ!
 
うっ、肝心の御大ジョン・メイオールは?
 
というご質問に対しては正直、例によって空回り気味のボーカルやハーモニカ、あるいは自身のオリジナルとされる「Brand New Start」「Streamline 」等々の楽曲における、どっかで聞いたことがあるような前のめりフィーリングは、何時もながらの持ち味全開で、このあたりは賛否両論と思います。
 
しかしR&Bの有名曲「Hi Heel Sneakers」や得意の持ちネタ「Looking Back」あたりは、不思議と違和感が薄いというか、ちょいと気になります。
 
実は、こ~ゆ~「お宝音源」が出てくるのも、ジョン・メイオールが自ら地道(?)に録音していたものでして、これまでも時折蔵出しされてきたそれらの秘宝は過言ではなく、人類遺産かもしれません。
 
なんとっ! ついに最近、これの「Vol.2」が発売されたんですねぇ~~♪
 
本当にありがたやぁ~~~♪
 
もちろん、拙ブログでは誠心誠意、ご紹介させていただく所存でありまして、本日はその前触れという位置づけもあり、ブルースロック信者に限らず、広くロックファン&洋楽愛好家の皆々様には、お楽しみいただきとうございます。
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