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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

朝イチに聴くジェフ・ベック

2009-04-13 09:26:44 | Rock Jazz

哀しみの恋人達 / Jeff Beck (Epic)

ある日突然に聴きたくなる曲っていうのは、誰にでもあることかと思います。

で、本日のサイケおやじは、何故か目覚めた瞬間から、このメロディが聴きたくて♪♪~♪

ご存じ、ジェフ・ペックが生涯最高のヒット曲!

と、ファンならば誰しもが認めざるをえない名曲にして名演なのは言わずもがなでしょう。原曲名は「Cause We've Endes As Lovers」ですが、これはやっぱり、些か面映ゆい邦題がぴったりの泣きメロが、実にせつないですねぇ。

ちなみに当時は、これがスティーヴー・ワンダーの書き下ろし曲だっというのも話題になりましたが、それにしても最初から最後まで、ジェフ・ペックならではのギターインストですからねぇ、何度聴いても、たまらんですよ♪♪~♪

発表されたのは1975年ということで、時代はフュージョン全盛期でしたから、こういうスタイルの演奏も流行の真っ只中とはいえ、ジェフ・ベックのギターはロックサイドからの明確な挑戦でもありました。それゆえにジャズ系のファンからは聞かず嫌いでバカにする傾向もありました。

しかしこんなに鋭くて、しかもせつない「歌」をギターで表現出来るギタリストは、他に存在しないでしょう。それは現在でも同じだと思います。

この曲は途中で一瞬だけ、ギターの音色が変わるところからも、実は考え抜かれたフレーズ構成だったかもしれませんが、ジェフ・ベックの本質は感覚主義というか、野生の奔放さと繊細にして豪胆な音楽的な心が、最高に個性的なテクニックで表現されるところじゃないでしょうか?

イントロのボリューム奏法、思わせぶりな表現から急速フレーズを鮮やかに披露するキメ、そして泣きまくりのチョーキングやピッキングハーモニクスの使い方も絶妙です。

バックを務めるマックス・ミドルトン(key)、フィル・チェン(b)、リチャード・ベイリー(ds) の面々もジャズやソウル、そして王道ロックを幅広く吸収してきた名手ばかりですから、安定感があって、しかも鋭いツッコミも的確!

ちなみにプロデュースはビートルズでお馴染みのジョージ・マーテインというもの話題でしたねぇ。

しかしこの曲を収録したアルバム「Blow By Blow」は曲間が無く、LP片面がブッ続け状態でしたから、この曲だけきちんとカセットに入れようとするのは不可能に近く、それゆえに私はシングル盤を買って、お気に入りの選曲カセットを作っていたのも懐かしい思い出です♪♪~♪ う~ん、それも聴きたくなってきましたよ、とこかに片付けた記憶が……。

掲載したのは「来日記念盤」ということで、確か二度目の来日だったでしょうか? そういえば最近も来日し、エリック・クラプトンとのジョイントもやってしまったジェフ・ベックは、生涯ギタリストとして道を定めたように思います。う~ん、ブート買おうかなぁ……。

そんなこんなを様々に思うのが本日の朝でした。

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天空のジョン・マクラフリン

2009-01-20 11:32:36 | Rock Jazz

Birds Of Fire / Mahavishnu Orchestra (CBS Columbia)


1970年代前半に突如として、その威容を現したマハヴィシュヌ・オーケストラは、イギリスからアメリカにやってきた超絶のギタリスト=ジョン・マクラフリンが結成した、今では伝説のバンドですが、ロックビートはもろんのこと、複雑な変拍子を事もなげに取り入れたハイテンションな演奏展開は、所謂フュージョンなんて生易しいものではない、非常な衝撃度がありました。

それは実際のライブステージでハードロックのように積み重ねられた巨大アンプ群! ジョン・マクラフリンのダブルネックのギター、緻密なプロデュースによって構成されたアルバムの完成度、そしてバンドそのものの演奏能力の高さ! さらに時代をリードしていこうという意気込みが、ロックからジャズへと入っていった私のような者にはジャストミートだったのです。

このアルバムはマハヴィシュヌ・オーケストラの公式では2作目となる傑作盤で、録音は1972年9~10月、メンバーはジョン・マクラフリン(g)、ジェリー・グッドマン(vln)、ヤン・ハマー(key)、リック・レアード(b,el-b)、ビリー・コブハム(ds,per) という最強の初代レギュラーバンドです。

 A-1 Birds Of Fire / 火の鳥
 A-2 Miles Beyond / 遥かなるマイルス
 A-3 Celestial Terrestarial Commuters / 天界と下界を行き交う男
 A-4 Sapphire Bullets Of Pure Love / 純粋なる愛は輝く宝石
 A-5 Thousand Island Park
 A-6 Hope / 希望
 B-1 One Word / 御言葉
 B-2 Sanctuary / 聖域
 B-3 Open Country Joy / 郊外に於ける悦こび
 B-4 Resolution / 決意

演目には上記のように、大袈裟な邦題がつけられていますが、アルバムタイトルからして直訳の「火の鳥」というのは、当時の我が国では絶大な人気を得ていた手塚治虫の名作漫画と完全に上手くリンクして、尚更に印象深いところでした。

それは「マハヴィシュヌ」というインド宗教哲学からの法名とか、インドのモードから流用したメロディやリズム、ジャズもロックもゴッタ煮の演奏展開、そしてバンドとしての纏まりの良さとアドリブの強烈さ!

そういうものはビートルズやストーンズから続くサイケロック、あるいは所謂プログレやフリージャズをも包括したスケールの大きさを強く訴えていました。というか、当時のサイケおやじには、そうとしか思えなかったのです。

実際、ここに収められた演奏は短めのトラックを巧みに重ねてアナログ盤LPの片面を通した、ある種の組曲形式という展開になっています。つまり片面1曲という長尺演奏としての聴き方も正解だと思われます。

ですから純粋にジャズ的なアドリブ合戦のアプローチに加えて、バンドアンサンブルの妙、その複雑な構成を完璧に演じ切るメンバーの力量が物凄いエネルギーで感じられます。

仏教系パーカッションの響きからミステリアスなギターのアルペジオに導かれ、爆発的なビリー・コブハムのロックビートに煽られてテンションの高いリフからアドリブへと自然に流れていくド頭の「火の鳥」、マイルス・デイビスに捧げられたファンキーロックな「遥かなるマイルス」と続く展開は、当時主流だったどんなプログレバンドよりも過激な完成度があり、またウェザーリポートあたりのマイルス直系バンドよりも、明らかにロック的な斬新さが素敵です。

ちなみにジョン・マクラフリンはマイルス・デイビスの手引きで渡米し、幾つかのセッションに参加した後、トニー・ウィリアムスとロックジャズの伝説バンドとなったライフタイムを経て、このマハヴィシュヌ・オーケストラを結成したわけですから、そうした流れの中で自分の欲するコンセプトを抽出・再構成していった過程は言わずもがなに感じられますが、しいて言えばキングクリムゾンのロックジャズ的な部分を強く引き継いでいるのは否定出来ません。

しかしマハヴィシュヌ・オーケストラとしての存在感は、このアルバムを通して聴けば圧倒的! B面に入っての「御言葉」における複雑怪奇なアンサンブルと強烈なアドリブ合戦から神秘的な安らぎに満ちた「聖域」という流れの素晴らしさには、如何にも英国産プログレの趣があるにしろ、その演奏能力の高さは特筆すべきでしょうし、さらにカントリーロック的な和みと強靭なアドリブ対決が交錯する「郊外に於ける悦こび」を聴けば、明らかに他のフュージョンバンドとは一線を隔したスケールの大きさが感じられます。

こういう決してジャズだけに拘らない姿勢が、潔いのですねぇ~~♪

気になる宗教的な臭いの強さにしても、それは先入観にしかすぎませんし、例えば「輪廻転生」という思想にしても、冒頭に述べたように手塚治虫の「火の鳥」と偶然にもリンクしていた事により、尚更に感銘が深まるのではないでしょうか。

1曲ずつ楽しむのもOKですし、LP片面通しての気持ち良さ、さらにアルバム全体を聴いて後の感動も深い、名盤だと思います。

まあ、今となって正直、そう感じる「時代」というものも否定出来ませんが、それゆえに私は愛聴してしまうのでした。

掲載したのはイギリス盤で、最初に聴いていた日本盤よりもギスギスした音がしますが、どっちが良いかは十人十色ながら、やはり一応はオリジナル尊重ということで、ご理解願います。

コメント (2)
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夜の高速、これ聴いたっ

2005-09-17 07:25:12 | Rock Jazz

単身赴任なので、週末は高速をブッ飛ばして実家へ帰りますが、その際の必需品が、やっぱり音楽です。あんまり熱くなるのは危険ですけどね。

で、昨夜のBGMは――

Welcome To The Canteen (Island)

ステーィプ・ウィンウッド、デイブ・メイソン、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの旧トラフィック組に、ジム・ゴードン、リック・グレッチ、リーバップが加わった1971年の大ライブ・ジャムセッション盤ですが、これが最高に好きです。

まず初っ端の「Medicated Goo」はファンキー・リズムでメチャご機嫌♪ このノリには、ドゥビー・ブラザースも顔色無いでしょう。蠢くベースに突進するドラムス、そして隙間を埋めるパーカスが熱くさせてくれます。エレピの隠し味も効いています。

続く「Sad As Deep As You」はデイブ・メイソンのアコギ曲で、クリス・ウッドのフルートが素敵、素敵、素敵♪ 名曲ですねぇ~ アルバム中では一番好き♪

そして「40,000 Headmen」が、また、素敵♪ トラフィックの代表曲ですが、ここではサイケ味を残しつつも、アコギを使って、スワンプ・ロックに転向したような演奏です。意外にも夜の高速に、合うんです。

アナログ盤ではA面ラストだった「欲張りすぎたネ」は、ジム・ゴードンのドラムスが大技・小技でメンバーを支えます。ゴスペル・オルガンと英国泥沼風のギターも活躍していますよ。アドリブもメロディを大切にしています。

後半は、いきなりお馴染みの「Dear Mr.Fantasy」、長い演奏で、デイブ・メイソンとステーィプ・ウィンウッドのギター・バトルに発展していきますが、派手じゃなくて、重く沈殿していきます。そしてそれを攪拌するのが、ジム・ゴードンとリーバップの打楽器陣です。ついついアクセルに力が!

そしてオーラスは白熱の「Give Some Lovin'」で、いきなりアフリカとニューオリンズをゴッタ煮にしたようなリズム隊のファンキーな快演からスタート、ステーィプ・ウィンウッドのボーカルが入ってくると、いつのまにかドゥービー・ブラザース風になっているんですが、それは逆! ドゥービーがこれを真似したんじゃないかなぁ~ どっちにしろ最高ですよ♪♪~♪

ということで、実は演奏も録音も粗いんですが、そこがまた、不思議な迫力を生んでいるのでした。必ずトリップしますよ。

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