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旅行やら映画やらの独り言

「黄金のアデーレ 名画の帰還」

2015-12-10 23:06:06 | 映画
噂通り、面白かった。



「アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、グスタフ・クリムトが描いた伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。彼女は新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こす。法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り……。」



ヘレン・ミレンは、流石に82歳には見えなかったなあ。旅行先や法廷では、ピンヒールを履いて、おばさんスーツでなく体にフィットした今風のスーツを着こなす。普段もピンクのシャツの細身のパンツ。家ではシルクのパジャマにシルクのガウン。それらの衣装を颯爽と着こなしてる。ぜひ、私もこんな風なお洒落でカッコ良い60代70代になりたいものだ。まず、それにはあと5kg痩せないとなあ。



マリアも弁護士のランディ(「グリーン・ランタン」主役の、情けない顔のライアン・レイノルズ)も、声高に、がむしゃらに絵の返還を求めてる訳じゃないんだよ。ただ、オーストリアに行くと、マリアは若い頃を思い出し、ランディは父や祖父・祖母に思いをはせる。そして、時たま2人の想いがすれ違ったり、強弱が事なったりしながら、絵の返還まで2人でナイスバディ!として、頑張っちゃうんだよ。だから、押しつけがましくない分、しっかりと観ちゃう。



マリアは、60年前ナチを歓喜と花と拍手で受け入れ、手のひら返しでユダヤ人の迫害に加担したウィーンの市民と、現代の意地悪いウィーンの美術館職員や文化相を重ね、あの頃言えなかった思いをぶつける。幸せで、本当に裕福で、絵のモデルとなった伯母アデーレ・ブロッホ=バウアーとの生活から、1938年、ナチの占拠と脱出までが、現代と並行して描かれる。マリアが現代にいるんだから、無事に脱出できると分かったいるのに、ドキドキしちゃう。しかし、本当に裕福だったんだなあ。アメリカのIT成り金とは全く違う、桁違いの裕福さだ。
もちろん、ウィーンの人も脱出の際かばってくれた人にいるけど、ナチの味方をする人いる。飛行場のドイツ人は、ユダヤ人の国外脱出と分かっていたのに、通してくれたと思うんだが。



弁護士は、親が有名過ぎて、自分のルーツには興味を持てなかったのに、ウィーンに行った事によって、なぜ自分の親がアメリカにいるのか、ウィーンで何があったのかを身近に感じて、立派な弁護士になって行く。本当に彼のためには、勝って良かった。奥さん、頑張った甲斐があったよ。

雰囲気は、「あなたを抱きしめる日まで」のジュディ・デンチとスティーヴ・クーガンに似てた。特に、マリアの飄々とした感じが。

この映画ではあまり描かれてなかったけど、クリムトとアデーレ・ブロッホ=バウアーの関係、そしてアデーレの家族との関係はどうだったんか?、それはまた、別の映画になるんだろうなあ。



アメリカの最高裁って、あんなにユーモラスで優しい感じだんだ。ドキドキして緊張してる新米弁護士の緊張をほぐし、ユーモア交えてやり取りしてくれる。本当かな?

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