映画のキャッチコピーが全くこの映画と合ってない。
『「TENET テネット」に次ぐ全世界待望のSFサスペンス超大作』では、全くない。
『記憶に隠されたトリックに騙される』のは、どこで誰が? そんなシーンあったか?
むしろ、記憶のシーン(単にその人の記憶が、3Dや、予算がない時は2Dで見られるだけ)で、なぜこの役者がこの一瞬映るんだ?で、ネタばれしてるじゃん。
『巨大な陰謀』じゃないぞ。なんなら中世からある相続が絡んだ家族間問題なだけだ。
ストーリーは、地球温暖化が進んで暑くなって海面が上昇した近未来に「グレイテスト・ショーマン」のバーナム(ヒュー・ジャックマン)とジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)が転生した。ヒュー・ジャックマンの奥さんは転生しなかったので、ヒュー・ジャックマンが思う存分レベッカ・ファーガソンを追い求める大人の恋愛映画だ。
レベッカ・ファーガソンは今回はオペラ歌手でなく、クラブの歌手なので自分の歌声が採用されてる。
ただ、なんでだろ?ニック(ヒュー・ジャックマン)と(メイ)レベッカ・ファーガソンの2人の切ない、わずかな幸福期間の描き方が下手で、全然キュンキュン来ないのだ。ここが上手く描かれてたら、それなりの大人の恋愛映画になってたろうに。ニックへの想いを最後に告げるメイのシーンは良かったのになあ。その雰囲気がもっとあれば良かったのに。残念。
なので、ニックの同僚女性で軍隊仲間だったワッツのカッコ良さばかりが目立つのだ。ずっとニックに思いを寄せながらも秘めてて、ニックの危機には駆けつけて、拳銃一丁で検察も追ってたギャングをやっつける。で、色ボケ気味のニックの良き理解者として寄り添う。なんていい女なんでしょう。
水没した町の映像はきれいだったよ。そしてそこで、何事もなかったように、一生懸命生きてる人々。一応政府機関とか司法制度も維持してるらしい。あっ、ニューオリンズは違うか。でも、ゴッサムシティほど酷い近未来ではなさそうだ。そして、元軍人同士のつながりも強いようだ。この近未来はありそうな世界だった。
この舞台で、もう1回別の映画を撮ってもらいたいもんだ。