私の日帰り散策

写真でつづる山歩き、ドライブなどの日誌です。
最近は ギャラリー巡りをしています。

第62回 日本伝統工芸展

2015-09-20 11:13:18 | 日記
 9月20日(日)  天気:晴れ   室温:27.3℃

 きょう 9:30から NHK Eテレで 日曜美術館  ”いのちを吹き込む匠たち 第62回 日本
伝統工芸展” が放送され 入賞作品が 紹介されました。  先日の新聞に 兵庫県では 4人が
入選という記事があり 漆芸の江藤國雄さんと 丹波・立杭焼?の三人の市野さんが 入選され
たことが 報道されていました。

入賞者は 次の通り。(敬称略) 入選は 606点。
 ・高松宮記念賞  銀泥彩磁鉢  井戸川 豊=千葉県我孫子市・・・陶芸
 ・文部科学大臣賞  編込接合器「ひびき」 家出 隆浩=埼玉県嵐山町・・・金工
 ・東京都知事賞  栃拭漆盛鉢  細川 毅=富山県南砺市・・・木竹工
 ・NHK会長賞  緑釉花器  鈴木 徹=岐阜県多治見市・・・陶芸
 ・朝日新聞社賞  乾漆線文合子  水口 咲=金沢市・・・漆芸
 ・日本工芸会会長賞  桐塑彩色「目覚めの刻」 井上楊彩=奈良県橿原市・・・人形

 ・日本工芸会奨励賞(5点)
    友禅訪問着「菱」  高橋 寛=東京都練馬区
    綴帯「晨」  細見 巧=京都市  
    花流水釜  角谷 勇圭=大阪府東大阪市
    欅拭漆盛器「瀬」  本間 潔=宮城県栗原市
    硝子切子花器「清溢」  気賀沢 雅人=横浜市
 ・日本工芸会新人賞(3点)
    幾何紋銀彩組鉢  多田 幸史=石川県野々市市
    琉球紅入藍型着物 「むるぶし浜」  城間 栄市=那覇市
    紙胎蒟醬青嵐盛器  安藤 源一郎=愛知県豊田市
 ・日本工芸会保持者賞   紬織着物「仲秋」  村上 良子=京都市

NHKの番組案内には
 今、世界でも注目を集める日本の伝統工芸。 陶芸や染織など各分野で活躍する現代の匠たちが
最高峰の技の限りを尽くす 美の競演がある。 ことし 第62回を迎える 「日本伝統工芸展」 だ。
 伝統を継承しながらも その枠を越える新鮮さに満ちた 受賞作の数々。 作品に新たな輝きを
与えているのは 現代の匠たちの “今” を生きる感性だ。

 高松宮記念賞を受賞した 井戸川豊は 日常の中にありふれた “野菜” に 美しさを見いだす。
受賞作 「銀泥彩磁鉢」 のモチーフとなったのは “かいわれ大根”。 一見 ささやかな野菜が
持つ あふれんばかりの生命力を 渾身の技を尽くし 陶器に 表現してみせた。

 沖縄で 代々続く紅型(びんがた)工房の16代目 城間栄市は 第2次大戦で 焦土となった
沖縄で 紅型を復興させた祖父、そして 紅型の普及に 力を注ぐ 父の思いを継ぎ 一度は 途絶えた技法
”紅入藍型(びんいりあいがた)”の復活に 挑戦。 満点の星空の下 透明感ある海と 空が ひとつに
溶けあい 生きとし生けるものたちが ハーモニーを奏でる 沖縄ならではの情景を 「琉球紅入藍型着物
”むるぶし浜”」 に結実させた。

 番組では 受賞作品すべてを 一挙紹介。 さらに 司会の井浦新と 伊東敏恵アナウンサーが 作家
の創作の現場を訪れ 現代の匠たちの技や素材のこだわり、工芸への尽きせぬ思いを たどりながら
今を生きる感性が 伝統に いのちを注ぎ込む 瞬間を見つめる。

 日本工芸会会長賞の井上楊彩さんの 「目覚めの刻」 は 朝の光が射しこむ景色で
朝の凛とした空気感が 表現されている。
 銀泥彩磁鉢 「かいわれだいこん文鉢」 で 高松宮記念賞を 受賞した 井戸川 豊(我孫子市)
さんは 近くの道の駅で 新鮮な野菜を眺めることから 始めます。 制作は まず デッサン。
 これを 器に写し 和紙に描き 貼り付けて 呉須を浸み込ませてから 和紙をはがし 金泥を
塗り 焼く。 焼くと きれいな透明感のある白磁になる。 身近な存在のカイワレが 器に
命を宿していく。 日常に美が 潜んでいることを・・・。

 編込接合器 「ひびき」 で 文部科学大臣賞を受賞した 家出 隆浩さんは 二種の細い金属の
板を 竹細工のように編む、あやおりがねという技法。 二種の金属の硬さが違うので 難しい。
下手すると 硬い金属が 軟らかい金属を切ってしまう。 編んだ板を熱し 銀ロウを 溶かして
隙間を埋める。 ムラができないよう 素早く溶かす。 できた編み板を 叩いて 器の形にするが
金属の硬さが違うので 凸凹にならないように叩く。 完成まで 約1カ月 50万回 叩く。


 緑釉花器で NHK会長賞を受賞の 鈴木 徹(多治見市)さんは 30年間 緑と向き合ってきた。
釉薬の成分割合を変え 緑の発色を研究し 緑の釉薬のみで 若葉の生命力、緑の軟らかさを
表現した、全てを包み込む 緑の器です。 釉薬を塗る厚みには 細心の注意が必要で 焼けて
溶けて 流れる量を計算し 淡い緑から 濃い緑へ濃淡を描きます。 




 琉球紅入藍型着物 「むるぶし浜」で 日本工芸会新人賞を受賞の 城間 栄市(那覇市)さんは
幻の伝統技法 紅型の16代目。 一時途絶えていた紅型を 祖父が復活した。 家族で制作。
まず 染めないところに 紅型で ノリを付ける。 顔料を塗り 最後に 藍染。 濃い藍で染め
藍の濃淡を出す。  新しい伝統に 命を吹き込み 新しい伝統を 継続していきたい・・。




10月3日の夕刊に ”技と美 華麗な寝結晶” という記事があり 優秀賞6作品の説明がありました。
・高松宮記念賞  銀泥彩磁鉢  井戸川 豊=千葉県我孫子市・・・陶芸
  鉢の側面にゆう訳とそれをはじく撥水剤とを交互に施し 細い縦縞文様を盛り上げた。
  透明釉をかけた後に銀泥を施し 単調に陥りがちな銅鑼(どら)鉢形に豊かな量感を演出する。
・文部科学大臣賞  編込接合器「ひびき」 家出 隆浩=埼玉県嵐山町・・・金工
  赤銅と四分一の2種類の薄い金属板を編んだ後 それを叩いて成形し 銀ロウを流し込んで
  接合した鍛金作品。 歴史的にもこのような技法の金工作品はなく 作者は これを「あやおりがね」
  と呼んでいる。 竹工の網代編みの技法を金工に応用している。 編みのパターンと器の形が調和。
・東京都知事賞  栃拭漆盛鉢  細川 毅=富山県南砺市・・・木竹工
  栃材特有の縮み杢を 最初に黒漆をよく擦り込んで研ぎ出し その後 20回拭漆を行うことで
  濃淡の際立つ 変化に富んだ表情を持つ 木目の美しさを引き出した。
・NHK会長賞  緑釉花器  鈴木 徹=岐阜県多治見市・・・陶芸
  灰釉を主成分とする銅緑釉(織部釉)のみでも 7種を調合したという。 萌えいずる若葉を
  思わす生命感があり 品格さえ漂う。 鉢の中央を巡る帯(胴紐)は 黄瀬戸を原型とするものであろう。
・朝日新聞社賞  乾漆線文合子  水口 咲=金沢市・・・漆芸
  乾漆による六角形合口造りの合子で 蓋の甲は わずかに盛り上がり 功の淵から垂下する側面に
  線状の凸凹が連続している。塗り立で仕上げた朱漆は 光りを柔らかく受け止め 繊細な線の連なりが
  丸みを帯びた六角のかたちを際立たせている。
・日本工芸会会長賞  桐塑彩色「目覚めの刻」 井上楊彩=奈良県橿原市・・・人形
  手指の表情からつま先まで 無駄なく見事に若さあふれる女性の美しさを体現した。
  しっかりと軸のとれた体躯をわずかに右に傾け 思いきり上げた顎に呼応して 結んだ髪も
  跳ね上がり 空間的な広がりとともに情趣の行き交う余地をもたらしている。
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