社会民主的資本主義の具体例を記しましょう。
例えば、農産品です。バナナを後進国から安く輸入しようとします。先進国の商社は後進国の仲買人から一番安いものを買おうとします。バナナ農家を競わせ安いものを購入します。競わせることはバナナ農家にとって危機的な状況をもたらせます。安価過ぎて食べていくことも出来ないようになっているんです。それが資本主義の本質です。
北欧のグローバル企業は後進国の農家が疲弊してるのを知って、対策を講じ始めました。まず、農家の費やす労働力に見合った対価を払おう、ってことです。1割や2割の高値になることは織り込み済みです。後進国の農家がこのような状況に置かれているってことを知らしめれば、多少高くても商品は売れるはずだ!って思いもあったんでしょう。
この試み、もちろん農業だけでなく、養殖エビなどの漁業、繊維産業などにも広がっています。そして一番肝心なことは、このような試みをしている先進国企業のイメージアップにつながっているんです。
この試みは当初、多くの抵抗にあいました。地道な説明が功を奏し先進国の顧客の支持を得て来たんです。今やそのような商品しか買わない、って人が増えてきてるんです。世界中のグローバル企業がマネをするようになりました。
結果的にこの試み、後進国の一次産業従事者の所得の向上に貢献し食うに困る状況から脱却させました。子供に教育することも出来るようになりました。地球環境の悪化防止にも役立っているんです。周辺の集落からもこのようなシステムを求められるようになり、販路が拡大しています。
この試み、先進国の都会では認められていますが田舎では旧態依然、ホイト的資本主義が大手を振っている現状です。きっとあと10年は今の状況が続くんだと思います。
そして10年後・・・10年前は昔の奴隷制や植民地と同様、ホイト的資本主義がまかりとおっていたんだ!って驚くのです。
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次善の策ですが、ホイト的資本主義が社会民主主義的資本主義への移行は喜ばしいことに感じます。
世界の経済をめぐる理不尽なことはたくさんあって、改善が求められますが工夫次第で改善されることってあるんです。
ボクの思い、経済編を終えます。