アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#206 家畜人ヤプー

2009年01月01日 | 教育・文化・芸術・スポーツ
謹賀新年
今年こそ(そんなにいい年でなくともいいから)、昨年よりマシな年でありますように

年末、広島の友人から電話がありました。
「最近のニュースで"家畜人ヤプー"の作者とされた人が亡くなったって言ってたけど、昔、キミがその本を読んでいたのを思い出した。SM文学だってのは知っているけど、どんな本だったの?」って、聞くんです。

確かに30数年前、その本を読んでいたんです。
(彼はよくそんなことを覚えていたものだと感心します。)
そして、ボクはその本に結構感動したんです。
ボクが今まで読んだ本の中でベスト100には入る本です。

SM物と一括(ひとくく)りにする向きがありますが、Sのサディズムはサディズム文学にまで昇華したものをボクは見たことがありません。
"家畜人ヤプー"はMのマゾヒズムです。
そして、"家畜人ヤプー"は立派にマゾヒズム文学なのです。

それは非常に観念的で、静寂に満ちた世界が支配する不思議な小説です。
沼正三は覆面作者です。
当時、憶測が飛び交いました。
高名な作家が自身の性癖を知られたくないため別名にしたとか、その高名作家の名前は○○だとか、何人かの作家が交代で書いているとか。

そして随分後になって年末に亡くなった人が「ボクが書きました」って、言ったんです。
しかしその後、「実はボクが書いたのではなくてボクが親しくしている作家が書いたもので、ボクがマネジメントをしている」と言い換えました。

真相は闇の中です。
ずっと闇のままでいいのです。
ボクは「きっとこの作者は○○だ」って、思い続けられるのですから。
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