アナーキー小池の反体制日記

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#539 勤め人時代(13)公園の仕事⑦

2010年11月17日 | 勤め人時代
北電公園の会計検査の様子です。現場で市の関係者が待ちます。
道職員の誘導で検査員が到着します。検査員はたった一人なのですが、北海道庁(出先含む)の随行が20人くらいいるんです。
当時、大名行列と揶揄されていましたがとっても大げさなものだったのです。

簡単に挨拶を交わしてから、課長が公園全体の説明を行います。
計画平面図を貼り付けた図面をもとに、ボクが全体計画の中の検査対象部分の説明をします。
その後は検査員が要求した資料を示したり、施設の計測をしたりしますが、このとき設計書の積算について何点か質問がありました。
その中で、グラウンドの路床仕上げ(基礎となる砂利の下の仕上げ)の歩掛("ぶがかり"と読みます。)を示すように言われ、示したところ次に工事写真を見せるように言われました。
ボクはそのとき気づきました、積算のもととなる歩掛と実際の施工が全然違うことを。

前回記しましたが、公園工事の積算のもととなる歩掛がなくて、道路や河川のを準用していたのですが、この工事では道路のを使用していました。
道路工事は線的ですが、公園工事の特にグラウンドは面的です。線的工事に比べ面的工事のほうが大きな機械での施工が可能です。そして、一般的に大きな機械で施工するほうが安く済みます。

そのグラウンドで検査員、市の関係人、道の随行者で協議が行われました。
薄暗くなるまで続きましたので、その件だけで1時間以上かかったんだと思います。
道の随行者は、大きな機械を使う歩掛はないことなどの弁明をしてくれました。(市独自のものは昔も今もなく、道のを借用しています。)
市と道の立会者が皆すごく緊張していましたので、事の重大さをようやく理解したものです。
検査員は、この件を持ち帰って検討すると言って、ようやく帰りました。

会計検査は課ごと北海道に2週間滞在し各地で検査を続けるのですが、最終日に講評と評してその2週間の検査結果を公表します。
確か道庁赤レンガで行われたと思いますが、その後の情報が入ってきていなかったので課員と聞きに行きました。
やはりこの公園工事について触れられていました。
検査院の結論は、実態に合う積算の歩掛がないのはおかしいので北海道は検討すること、でした。
最悪、補助金の返還は免れました。
でも、歩掛がないのを理由に実態にそぐわない積算をしてしまったのは確かです。
積算の重要性と会計検査の恐ろしさを知ることができました。

北海道はこれを機会に大きな機械で施工する歩掛を翌年から作成しました。
そしてボクはこの後、退職の数年前まで会計検査に付きまとわれて、職場で一番会計検査を受けた職員となりました。
これは何も名誉なことではなく、災害に遭ったようなものなのです。

次回に続きます。
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