アナーキー小池の反体制日記

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#581 勤め人時代(42)最後の職、土木課

2010年12月29日 | 勤め人時代
今年の4月(平成22年4月)、最後の職場になる土木課に配属されました。
担当は建設・維持グループというところですが、ボクは主に維持の仕事です。
前年の水道も最初の公園も維持管理を含んでいましたが、大方が維持の仕事は初めてです。
道路だけではなく公園・下水道までと守備範囲が広く、あわただしい日々を送りました。

昨秋痛めた腰の回復が期待どおりではなく、結局半年で辞めざるを得なくなりましたが、この間貴重な経験をしたと思います。
通報や苦情を多く受けましたが、時代の流れなのか思いもかけないものがあって、びっくりしたり憤ったりが度々でした。
ここで述べるととっても面白いのがたくさんあるのですが、まだ数ヶ月前のことなので触れずにおきます。

クレーマーと世間で言われている人達は確かにいまして、いろいろご活躍をなさっていますが、いずれ厳しい対応をしなければならなくなると思います。
彼等をのさばらせていると本来業務に支障が出ますし、なにより市民へのサービスに差が出てしまいます。
クレーマーやごろつきへの厳しい対応をする体制づくりが急務です。

苦情の電話があり、そのお宅を訪問したことがあります。
2,3度訪問して話をしても埒(らち)が明かず、その住民は「市長を出せ!」と言い張りました。(よくあるパターンではあります。)
上司が事の顛末を副市長に話したところ、次の日の朝早くその住民宅を訪れ「そんなことは出来ません!」と一言言い放ち帰ってきたとのことです。気骨のある副市長の言動に感嘆です。

いろんな人がいる、とはいえ市民の大半は大変、常識的です。
市の財政難を慮(おもんばか)ってじっと我慢をしている人、自分の労力やお金を使って繕っている人など大勢いるんです。
そのような人は決して自分からそんなことを言いませんから、ボク達職員が知らないボランティア精神の旺盛な人がたくさんいるのを把握し切れません。
まだまだ人も捨てたものではないと思うのです。

そんな"まだまだ人も捨てたものではない"話を息子にしたことがあります。
すると息子が言うんです、毎朝7時半ごろ国道でスーツ姿で頭髪の薄い人がビニール袋と火バサミを持って、ごみを拾っていると。
この町内でも毎度道路の清掃ボランティアをする人が複数人います。でも、頭髪は薄い人はいますが、スーツ姿なわけがありません。
お気づきの方、あろうかと思いますが、その人は市長でした。激務の中、3km以上を歩いて(走って、かもしれません)登庁する体力と、ごみを拾う心意気に反市長を標榜するボクも感嘆してしまいます。

半年の短い間、水害が起こったり毛虫の大発生があったりと多彩でした。
たった半年とはいえ勤められたのは、同僚の温かい支えがあったからにほかなりません。
半年で職を辞したのは逃げ出したようで心苦しいのです。この半年だけでなくその前の1年も、もっといえば20年以上も前から職場には迷惑をかけ続けた"勤め人時代"でした。
この場を借りて関係者の皆さんに、お詫びとお礼を申し上げ、2ヶ月間にわたり42話と長く続けました勤め人シリーズを終えます。
(市長・副市長に感嘆した、と記したのは他意がありません。好き嫌いは別にして、優れているところは評価するのがこのブログの姿勢です。)
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