すとう功の周回遅れ

元駅伝選手の「いろんなことに走り続けます」

よく見る!背高泡立草

2010年10月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 急用があって仙台に車で行くことになった。4号線を北上していたら中央分離帯には背高泡立草(セイタカアワダチソウ)がコンクリートの割れ目から生えていました。背丈は1m50cm位あったと思う。

 背高泡立草は北米原産の外来種で、明治時代に渡来し戦後大繁殖した雑草です。繁殖力が強く根元から毒性のアレロパシー物質を出して、ほかの植物を駆逐することでも有名な植物です。

 耕作放棄地が増えている中で、背高泡立草は勢いを増して日本全国の荒れ地に群生しています。この時期は黄色い穂が鈴なりに、道路脇のスペースなどに目立つようです。

 この外来種が日本に来て勢力を伸ばすには理由があります。背高泡立草は根元が50cmと深いところに根をのばします。この深さの養分を取り込むのですが、この深さに昔はネズミやモグラが生息していました。

 日本では農作物を食い荒らすという理由で、ネズミやモグラは駆逐され居なくなったため根を食われなくなり、背高泡立草は画期的に増えました。一説には背高泡立草が日本に来て都合がいいように本能を変えていったということもあるそうです。

 日本古来のススキは空き地や人手を加えていない土地へたくさん生えていましたが、そういう光景は目立った色の背高泡立草に変わったような気がします。

 白いススキの風景から黄色い背高泡立草に、違和感が無くなってきているのは私だけでしょうか。私たちの年代であればススキは日本の風景になるが、若い世代の風景にはススキが無いかもしれません。

 日本古来の風景が変わるのは寂しい気もします。でも、失ったものは多くあり、気がつかないだけなのかもしれません。たとえば、ホタル、コオロギ、ゲンゴロウ、タガメなどは自然に見ることは希少になった。

 また、天の川は私が小学校に就く前に、岩沼で見られた光景です。満天の空から星が降りかかるような空を見上げていれば、流れ星はいくつも見られたものでした。

 背高泡立草は自ら分泌する毒で自滅すこともあるそうです。他に植物を駆逐した後に、勢力を伸ばすことができなくなるのがあるようです。このことは農薬にも活用されたりしています。

 ススキは背高泡立草に駆逐され数が減りましたが、最近のデータでは背高泡立草が自滅した後にススキが生えてきているそうです。30~40年の間隔でススキの繁栄が見られるとのデータもあります。

 生物多様性条約(COP10)が名古屋で行われている。私たちに身近な風景は、私たちで守っていかなければならない。10月29日まで開催されているが、国道沿いの背高泡立草をみてCOP10に注視していきたいと思いました。

 昔の風景を後世に伝えることができるのは私たち!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする