すとう功の周回遅れ

元駅伝選手の「いろんなことに走り続けます」

平和賞の授賞式を妨害

2010年10月11日 | 国際・政治

 ノーベル平和賞を受賞した中国の活動家、劉暁波(リュウギョウハ)氏の妻、劉霞さんが自宅で軟禁状態であることが報道された。刑務所の劉暁波氏と面会後に軟禁され、罪状は無いようです。

 劉暁波氏は8日の夜に受賞を、妻から聞かされ涙を流して喜んだそうです。平和賞は天安門で命を落とした人全てが受賞したものだ、と話したということです。

 これは米国のラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国版が伝えています。劉霞さんの携帯電話は壊されて、自宅軟禁をされていることをツイッターに書き込みしたことから判ったようです。

 中国には立派な憲法が存在しています???「中華人民共和国憲法」なるものがあって、(ここからはウキペディアを参考にします。多少省略しています。)

 第1章は「総則」です。中華人民共和国は社会主義国を目差す、社会主義国を破壊するような組織や集団は禁止する。

 第2章は「公民の基本的な権利と義務」です。言論、出版、集会、団体の形成、行進、デモ、宗教などの自由についてや、労働、社会思想、教育などの記載があります。そして、労働、兵役、国家機密の遵守、国家の栄誉と財産を守ること、納税まで記載されています。

 第3章は「国家機構」で、1節から7節まであります。全国人民代表大会が国権の最高機関。満45歳以上の公民に選挙権と被選挙権はあるが、全国人民代表大会から選出されます。国務院が行政の最高機関であり、中央軍事委員会が軍を指導監督し、中央軍事委員会の主席は全国人民代表大会で選出されます。

 つまり、公民権はあるので言論、出版、集会は自由に出来るのだが、社会主義国を破壊するような組織と判断されたら制約を受ける。まして、選挙権は45歳以上で全国人民代表大会で選出された人しか与えられないのです。

 中国共産党の決定に基づき、憲法で規定されている国家権力は国務院が行使している状況です。共産党一党独裁がもたらすことは弊害でしかなく、とうてい民主義的な憲法と言えないし、法治国家でもない(共産)党治国家なのです。

 だから、劉暁波氏は08年に『零八憲章』を発行しようとしたのです。共産党一党独裁で無く、自由に選挙権を与え言論、出版、集会は自由に認めるよう新しい憲法の制定を提案しようとしたのです。そのことで逮捕され投獄されました。

 「中国がこんなにひどい国」だとは、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞するまで判りませんでした。すぐ隣の国ですよ!判ってました? 北朝鮮は例外だと思っておりましたが、何も変わりないよね~。

 一部の中国人と軍が権力を掌握しており、チベットやウイグル人を抑圧する理由も判る気もする。少数派の意見を取り入れようとしない国は、民主化・自由化など無理な話です。

 今日の新聞に台湾(中華民国)馬英九総統の記事がありました。台湾の建国記念日に相当する双十節の式典で、「中華民国は独立主権国家だ」と演説で馬政権は中国にクギを刺したとありました。

 馬政権が誕生した背景には、選挙で中国本土からの強烈な応援があった。尖閣諸島事件や南沙諸島そして、ノーベル平和賞のことでも嫌気がさしたのか。

 劉夫妻の授賞式不参加は、中国にとって良くない!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする