一向におさまらぬ猛暑、酷暑。日常生活はきついけれど、沢登りにはこの暑さはありがたい。より、快適なフィールドに感じられるのだから。
寝不足気味で体調は今ひとつだったのだけれども、せっかくの暑くて天気の良い休日なのだからと、はじめてのモロクボ沢に向かった。
初級者向け、つまりボク向きの小振りな沢ということで、実際歩きはじめは水の量も少なく、はじめての沢にもかかわらず、緊張感のようなものはほとんど感じることなく、のんびりした気持ちで歩くことができた。
ただ少しずつ雰囲気がかわりはじめる。小振りながらも水の量と深さが増してきたのだ。
これは暑い季節に来るのには最高な沢だなと思いながら、一応この沢の核心である35mの大滝に到着。少し離れた場所からも滝を落ちる水の音がすごい。
この小振りな沢にこんな立派な滝があるなんてと、存在は知っていたにもかかわらず驚く。
この滝はもちろん直登は無理で、左の岩場を登るのだけれども、ここはちょっと緊張していた。なにせ35mという高さがある。難しくなかったとしても、高所恐怖症の僕は高度感にやられてしまうかもしれないと思っていた。
その岩場。難しさはそんなに感じなかったけれど、寝不足気味で少しバランスがおかしくて、かなり怖かった。体調に不安があるときは、沢登りは控えたほうがいいのかもと少し反省した。
35m大滝の落ち口。安全地帯についても、まだ少し緊張感が残っていた。
大滝のあとに現れた小さな滝。流れる水がとてもきれいに見えた。
次々に現れる深い淵。
素通りするのはもったいなくて、空身になって何度か飛び込んだ。
ここも深かったし、
ここもかなり深かった。
さらに驚いたのは、魚影が濃かったこと。経験が少ないから比較の対象も少ないわけど、沢登りとして訪れた沢では今までで一番の魚影の濃さだった。
途中、岩の下に逃げた多分山女と思われる魚の手掴みを試みたのだけれども、まったく捕まられず。一度だけ指先に触れたのだけれど、その感触に驚いてしまって捕まえるどころではなかった。非ワイルドで軟弱な自分にがっかりである。
なんとなく自然に歩いている風な一枚。セルフタイマーで普通に立って写るつもりだったのだけれど、石ごろごろの沢底にバランスが定まらないあいだにシャッターが落ち、自然に見える写真になっていた。
ここからはだんだんと水流が少なくなっていった。
岩にへばりつくように咲いていた、指の爪くらいの小さな花に魅かれた。なんという花なんだろう?
いよいよ、ここから沢の詰め。ふかふかした土の斜面が歩きにくい。でも沢の詰めとしては楽なほうだろう。
きつくはあったけれど、そんなに大変な思いはせずに尾根に到達。ただここはただの尾根で、道ではない。しっかり登山道に合流するまで、やはり緊張は消えなかった。
その後無事登山道に合流して、はじめての山頂である畦が丸にたった。
そして、西丹沢自然教室へ下山。下りもなかなか楽しめる道だったけれど、体調のせいかちょっときつく感じた。帰宅後、ストレッチマットの上で体をほぐしながら、そのままうとうと。その後目覚めてからしばらくのあいだ、ひどい疲労感のために体を動かすことができなかった。自分が感じた以上に、体に負担がかかったのかもしれない。