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Yukiの英語学習、読書記録、日常を書いたブログです。

日本の文字―「無声の思考」の封印を解く

2023-07-07 15:06:09 | 本-言語関連
図書館から借りた『日本の文字―「無声の思考」の封印を解く』を読了。
万葉仮名、平仮名・片仮名、漢字とアルファベットなど、日本の文字全般に触れた1冊。諸外国に比べて日本の文字が珍しいことを改めて知りました。
第4章は漢字の基本単位の紹介。小学校の授業と個人教室でお習字を習ったことはありますが、あんな書き方は教わったことがありません。私が聞いたことがあるのはせいぜい「永字八法」です。ちょっと前の世代はああいう書き方を知っているらしいのですが、たしかに小学校の担任の先生や大正生まれの祖母は字が綺麗でした。
著者はパソコンやワープロソフトで文字を「書く」ことについて「けしからん」というような発言をしていますが、時代の変化には抗えないですしこれはしかたのないことだと思います。ただ、手書きの機会もまだまだありますし、漢字を手書きで書かなくていい時代は当分来ないと思います。


漢字の動物苑

2023-05-31 13:20:51 | 本-言語関連
図書館から借りた『漢字の動物苑』を読了。
まえがきに広辞苑の意味やイラストをお借りしたことが書かれていますが、出版元を見るとやはり岩波さんでした。それにしても表紙の様々な生き物のイラストは綺麗ですね。
本書では季節ごとの生き物を紹介し、それぞれの漢字の由来なども書かれています。各生き物が2ページ~3ページに纏められていますので、隙間時間にもぴったり。生き物によっては金文や甲骨文が挙げられていますし、故白川静氏の『字統』など、漢字辞典と併読するとさらに分かりやすいです。
それぞれの生き物に漢字があるってことは、古代から人は生き物と深い関わりがあったのですね。駅近くのマンションに住んでいるからか最近では虫すらあまり見かけなくなり、せめて駅前広場にいる鳩や散歩している犬くらい。それでも今でも生き物っていろいろいるものですね。





ところで、「らくらくホン」の製造元が破産したそうですね。実は老人ホームに住む76歳の伯父がらくらくホンを使っているもので、他人事に思えないのです。一時彼のスマホを預かったことがあったのですが、タップ操作の重たいこと。おそらく誤作動防止からなのでしょうが、普段は一般的なスマホを使っているので使いにくいです。母も以前は「シンプルスマホ」を使っていましたが、今ではGoogleから出ているpixelシリーズを使っています。でも私のスマホと同じメーカーなのでこちらとしては教えやすいし、字の大きさは変えられますし、メニューもシンプルデザインに変更できますから、それなりに使いこなしています。シニア向けのスマホの需要ってあるような、ないような…。

英語教育論争史

2023-02-15 14:18:52 | 本-言語関連
図書館から借りた『英語教育論争史』を読了。
「文法偏重の英語教育はダメ」とか「もっとスピーキングを重視すべき」など、最近の英語教育に対していろいろ議論が飛び交っていますが、それは決して現在のことだけでなく、明治・大正時代にもそういう論争があったそうです。
学校で週に7時間近くも英語の授業を行う時代もあったそうですが、それでも英語力は一向に伸びなかったそうです。それと比べて現在では週3~4時間くらいでしょうか。たしかに学校の授業だけでは勉強は足らず英語は上達しないし、普段から英語に接する必要があります。英語をひととおりマスターするのに必要な時間は1,000時間とも2,000時間とも言われていますからね。
それではどういう英語教育が理想だと問われると、個人個人異なってくるのではないでしょうか? 学生時代で英語の勉強を終える人もいれば、社会に出てバリバリ英語を使っている人もいるし、洋書や英字新聞などリーディングに力を入れたい人もいれば、日常会話やビジネス会話などのスピーキングに力を入れたい人もいます。「英語を使いたい人だけ英語を学ぶ」などという意見もあるそうですが、この論争はずっと続きそうですね。
本書は他書からの引用が多く、特に前半はやや難しい文章が出てくるので、読むのに時間がかかりました。こういう時に漢検1級、準1級範囲の漢字がゴロゴロ出てくるので、やはり漢検の勉強をして良かったと思います。


「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ

2023-01-17 13:48:43 | 本-言語関連
図書館から借りた『「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ』を読了。
この頃「させていただく」をよく見聞きします。私も他人事ではなく、メールなどでつい「させていただく」を多用してしまったり、知らないうちに「させていただく」と言っているかもしれません。
本書に書いてあるとおり、「させていただく」は敬語に迷った時に便利な言葉なのかもしれません。これを批判する人(特に中高年以上)もいるそうですが、言葉は生もので時代によって変化するものですし、受け入れた方が良さそうですね。それにしても「させていただく」で1冊が書けてしまうなんて奥が深いですね。



ところで先週、妹がコロナに罹りました。身内では妹の旦那さん、伯父に続いて3人目。進路が決まった高校3年生の姪は元々学校がお休みでしたが、旦那さんと甥はそれぞれ職場と学校を休みました。某スーパーで働く妹は接客業ですから、いつコロナに罹ってもおかしくありません。感染してもうすぐ1週間が経ちますし、そろそろ職場復帰できるかもしれません。やはりワクチンを打ったり、可能な限り混雑した場所へ行かないなど、まだまだ感染対策は必要ですね。

日本語(再読)

2020-10-05 13:35:55 | 本-言語関連
先日、岩波新書の『日本語』を読みました。
昭和の終わりに書かれた本のため時代を感じることもありましたが、令和になった今でも読んで損はないと思います。
語彙や文法など多言語と比較して日本語の特徴を挙げていますが、敬語の多様性や自然に纏わる言葉の多さなど、やはり言葉ってその国の特徴をしっかりと表しているものだと再確認できました。それと同時に日本語は素晴らしいと思いました。
ある場所で聞いた話ですが、方言や言語の数が減少傾向にあるとのこと。つまり文化の多様性もどんどん無くなってしまうというのです。誰もが通じる共通語も大切かもしれませんが、それぞれの言葉も残していきたいですね。


本の歴史&文字の歴史

2019-10-12 14:28:31 | 本-言語関連
図書館から借りた『本の歴史 (「知の再発見」双書)』と『文字の歴史 (「知の再発見」双書)』を読了。

上記2冊は同じシリーズ。カラーの図が豊富に使われていて、図を見ているだけでも楽しいです。
現代では本は当たり前のように存在していますが、遥か昔は貴重なものだったようですね。表紙だけを見ていても装飾が施されているものもあって芸術品に見えてきますもの。

本の歴史 (「知の再発見」双書)
荒俣 宏,Bruno Blasselle,木村 恵一
創元社


文字の歴史 (「知の再発見」双書)
高橋 啓,矢島 文夫
創元社


今回の台風はかなり手強いようですね。周りのお店はほぼお休みですし、電車は計画運休中。昨日に引き続き今日もスマホの緊急速報「タタタタタ~ン♪」が何度も鳴るから、その度にびっくりです。
どうか停電など、被害が最小限で済みますように…。

英語ベストセラー本の研究

2019-08-11 10:10:58 | 本-言語関連
図書館から借りた『英語ベストセラー本の研究 (幻冬舎新書)』を読了。
戦後のベストセラーになった英語学習関連本の紹介。中には懐かしいと思える本もちらほらありました。
結局著者が言いたかったのは…

「英語学習に近道はない」

ということでしょうか。
それに目指している方向によって参考になる英語本は異なってくると思います。たとえばスピーキングが上手になりたい人と英字新聞を読めるようになりたい人とは全く勉強方法が違います。本書には様々な学習方法も書かれていますから、参考になるかと思います。
英語学習問題ってつい最近のことかと思っていましたが、意外と70年くらい前から言われていたのですね。

英語ベストセラー本の研究 (幻冬舎新書)
晴山 陽一
幻冬舎

日本語はなぜ美しいのか

2019-05-06 07:06:17 | 本-言語関連
図書館から借りた『日本語はなぜ美しいのか (集英社新書)』を読了。
日本語の美しさを強調するよりも、「英語早期教育反対論」の方が全面に出されてしまっています。ちょっとその辺が期待外れだったのですが、その気持ちも分からないことはありません。赤ちゃんの頃に英語のCDをばかり聞かせていたら、2歳頃になっても肝心の日本語が話せないという信じがたい話が出てきます。それが本当にしろ嘘にしろ、もう少し母国語である日本語を大切にしてほしいと。母国語を疎かにしていたら、外国語だってきちんと習得するのは難しいと思います。

日本語はなぜ美しいのか (集英社新書)
黒川 伊保子
集英社

新聞と現代日本語

2019-02-28 15:58:30 | 本-言語関連
図書館から借りた『新聞と現代日本語 (文春新書)』を読了。
タイトルに「新聞」と書かれているけれど、何も新聞に限定する必要はないと思います。本書では漢字の使い方、敬語、文法、カタカナ語など、日本語全般について触れられています。
漢字や日本語に興味を持っている人に本書はぴったりでしょうし、日本語検定やビジネス文書検定の対策にも良さそう。特に漢字や敬語は勉強になったことが多かったです。
カタカナ語や外国語のカタカナ表記についてですが、やはり外国語、特に英語に憧れている日本人が多い証拠でしょうか。でも、氾濫しているカタカナ語によって英語学習の妨げになることがあるし、できるだけきちんとした日本語を使った方が良いのでは?それにもっと漢字文化を大切にして、それを卑下してはいけないと思います。

新聞と現代日本語 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋

日本語はだれのものか

2019-02-10 14:14:47 | 本-言語関連
図書館から借りた『日本語はだれのものか (歴史文化ライブラリー)』を読了。
本書で触れられているのは「ら抜き言葉」とか敬語、文法など、日本語について。よく年配の人が「最近の若者は言葉が乱れている」なんて口にしていますが、それも古文の時代からそう言われているようです。私自身も知らないうちに間違っていると言われている表現をしていると思います。ただ、言葉というのは生きているものだし、時代によって変わっているのも当たり前。ちょっと敬語や文法を間違ったとしてもそれ程極端に恐れる必要はないかもしれません。
それと日本語は決して「1つ」と限らないということ。ちょっと前に方言を廃止するような動きもあったようですが、多様性を認めるべきですよね。

日本語はだれのものか (歴史文化ライブラリー)
クリエーター情報なし
吉川弘文館