知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

他人任せの国家2

2013年08月07日 | 国家論
自民党が選挙で敗れ、政権が交代したときは、
 この国も少しはよくなるかな
と期待したものの、
 安倍首相の看板を掲げ、さらにパワーアップした自民党
は、
 従来の路線を変えることはない
と思います。


どういうことかというと、
 小泉、安倍など、キャラクター
と、
 自民党という組織
とは全く異なるということ。

小泉、安倍が信頼できると思って、票を投じれば、
 結局は自民党という古臭い公共事業中心のケインズ政策集団
をよみがえらせることになる。

おそらく、自民党の重鎮からすると、
 安倍さんの役目は終了している
ので、
 安倍さんが改革をやり始めれば、小泉改革の時のように、安倍つぶしが始まる
ことになると思います。

手法は、
 メディア戦略がはやり
なので、
 まずは、麻生さんのように口が災いする政治家(この人は昔から変わっていない)をターゲット
に上げる。

次は、外交(中・韓、アメリカ)。
病気が再発するように、心的負担をかけていく。

自民党議員は、地方の利益を代弁する集団が多いので、
 TPPあたりの動向
と、
 公共事業(国土強靭化)がどれほどの規模になるか
に着目しておくと、
 やはり自民党だなと実感できる
と思います。

一番必要なのは、行政改革(公務員改革 縦割りの是正、地方分権)ですが、
 おそらく、自民党は大きな政府(大規模公共事業、地方へのお金の配分)を目的とする
ので、
 いつの間にか行政改革も消える
ことになると思います。

この点で、
 自民党と官僚とは利害関係が一致する
わけです。

これが、戦後の日本を作り上げ、
 そして、システムが行き詰まり、身動きが取れなくなっている
元凶です。

身動きが取れなくなった場合、
 今までのものを捨て去り、新たに進むか
 今までのものに固執して、問題を先延ばしをするか
しか方法はありません。

今の日本は、先延ばしできているわけです。

国債発行額が今後もどんどん増えて行く。
年金も徴収と運用や支払いが不透明なまま。
ちなみに、共済年金という公務員の年金は安泰なので、
 共済年金と厚生年金と国民年金の一体化
という年金改革は、行われないと思います。

不利なことを官僚が推進するはずがないためです。

一番切り捨てられるのは、厚生年金。
サラリーマンは、源泉徴収という制度により、
 税金や年金に対する意識が低い
ので、
 とりやすい
ためです。



自民党の安定政権は小泉政権以来ですが、
 小泉首相は、古い自民党と戦って、一端は潰すのに成功した(地方を切り、下野することになった)。

やろうとしていた政策も、小さな政府。

公共事業の削減も、規制緩和も、郵政民営化も、
 国が何をしなければならないのか
 民間ができることは民間でやるべきだ
というスタンスでした。

これは、
 今までのもの(既得権益、支持層)を捨て去り、新しく進む
というものでした。

それが、結局、潰されることになった。

理由は、地方が、権限ではなく、お金を望んでいるから。

そして、
 野党を経験し、与党のうまみを痛感した自民党は、より一層既得権益を重視するスタイルに変貌する
ことになりました。

それが、国土強靭化政策という莫大な公共事業政策。



今の日本国民が抱える共通の価値観が、ここにあります。

若い世代は、公務員や大手企業が人気。

自分で何かを始めるのは、安定(お金)が得られない。
それよりも、潰れるおそれのないところで、権限はなくとも、気楽にやっていきたい。

結局は、他人任せなわけです。

公務員が所属する国家も同じ。
結局は、他人任せです。

えっ、どうゆうこと?

 財政が苦しくなったら、消費税を増税すればよい。
 社会保険料を上げればよい。
 生活保護費を削減すればよい。

国民任せ。
もっというと、
 稼ぐスキルをもった国民任せ。

お金がない人からはお金は取れないので、
 お金を稼ぐ人に国家運営の経費を任せる
ということです。

足りなくなったら、増税。負担増で乗り切る。

ただ、これでは、
 どうやって国家を再生させていくべきか
という視点は生まれない。

権限や責任がないところでは、
 知恵を絞って生き抜く
という「自助努力」の発想は生まれにくいためです。


金持ちの息子が親の金で事業を始めて行き詰ったら、
 親の追加融資を期待する
ことができるので、
 自分で乗り越えないと大変なことになる
という危機感が生まれにくい。

危機感がなければ、
 知的に成長しない。

痛みが成長を生み出すからです。

筋トレなども同じ。
雑草は踏まれて強くなる。


共産主義が崩壊した理由も同じ。

国家が経営者として、
 国民を雇用するシステム
では、
 だれも努力しようなどと思わない。

 大変だけど、頑張れば頑張っただけ豊かになれる
と思えるからこそ、
 人は頑張ったり、知恵を出す。



日本の大きな政府や増税政策、憲法で国民の義務を増やそうとしている発想を見ていると、
 一番、恐ろしい全体主義国家になりかねない
という危惧が生まれてきます。

そのうち、
 国民の全体の利益のためになる
という功利主義を理由に、
 相続税の増税
 所得税の増税、
 国民への奉仕活動の強制
が始まると思います。

そして、小さなことでも、
 国民の生活に口を出し始める
はず。

これが、大きな国家の特徴であり、
 全体国家の特徴
でもあります。

そして、自民党の憲法にすでに出始めている。

自衛隊の隊員が少子化の影響で少なくなったら、
 非常勤の隊員を募集。
それでも足りない場合は、
 3か月程度の救助訓練(被災地支援の研修)。
それを長くしていき、国民の意識が慣れてきたところで、
 被災地支援のほかに、銃の扱いを教えていく(銃器類取扱い隊員)。

徴兵制という名前を付けなければ、乗り越えることは可能。

この期間は、研修名目で給料を払わないことも可能。
弁護士は、1年間無給で、研修を受けることになっている。



家族の面倒を強制させたり、
 町内で町内会(公園清掃)に出席を強制したり(5人組)
 お年寄りの面倒をみさせる
強制的な住民会の復活。

こういった社会を素晴らしい社会とみるか、息苦しい社会とみるかは、
 価値観の問題
かもしれません。

ただ、
 国家財政が破たんし、お金がなくなっていく
ものの、
 福祉や公園清掃といったやらなければならない行政サービスが増えて行く
場合には、
 お金をかけずに、やる方法
を見付けなければならなくなります。

その方法として、他人任せな発想は、
 増税。

国民にカネが無くなったら、
 体で払えという労役。

きれいに言うと、
 国民の奉仕。

これが、国民の自発的意思で行われれば、理想国家になりえますが、
 全体主義的な国家
により、
 強制的に行われるようになる
ため、息苦しい国家になるわけです。

おそらく、自民党憲法草案の理想とする社会は、
 全体主義的な大きな国家
による、
 国民の義務の強化(納税の義務、奉仕の義務)
だと思います。

自民党の憲法草案を読んでみれば、
 国民の義務の強化
が目指すその先まで予想することができると思います。

ちなみに、立憲主義憲法は、
 権力を縛り、国民の自由を保障するためのもの
なので、
 国民の義務の規定は必要ない
わけです。

自民党の憲法は、立憲主義憲法ではなく、
 「国家統治のための基本法」という意味
がメインだと思います。

96条の要件の改正の憲法改正案は、 
 違憲となる可能性がある
ので、
 弁護士会は憲法訴訟をする
と思います。

その際に、
 最高裁が統治行為論(高度に政治的な問題には司法は立ち入らないとする考え方)で判断を回避せず、
 司法の威厳を示せるか
がこの国が、先進国になったと言えるかを見極めるポイントになると思います。
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