紀伊半島三重県側の大台山系南山懐にある棚田に囲まれた鄙びた山里の旧紀和町長尾集落。
同じく紀和町に有る棚田100選にも選ばれた丸山千枚田を訪れた帰り道がてらに寄ってみた。
丸山千枚田にしても熊野灘の海岸線からは遥かに遠い山の中、それから今来た道を更にそのまま道なりに約15分程走ると峠を越えてこの景色が目の前に広がる。
丸山千枚田と同じく斜面に広がる棚田の中に集落の家並が点在してまるで桃源郷、もうここは奈良、和歌山県境にもほど近い
集落の中程にある学校跡地に隣接するように此の鄙びた山里によく似合う境内と本堂の長全寺があり、境内隅、石垣上に大きな木立がある。
ちょうど桜満開の時期に出くわし、鄙びた山里の棚田と巨木と桜の饗宴に嬉しい目の保養をさせて貰った。
その大きな洞の根元には小さな祠と古びた地蔵石仏、石仏の上にはしめ縄、この樹は神木に違いなくここでもやっぱり神仏混淆は色濃く残っている。
かたわらの祠は熊野権現かな??このナギの木も、あの熊野速玉神社のナギの木を植えた平重盛のお手植と伝えられているが樹齢は合わない約400年。
しかし威容に発達した根株は世代交代を繰り返した結果なのかも??空洞になっている主幹の中にもう一本別の幹が厳然と有る異常さ・・・・。
まさに永遠の命を与えられたのかも知れず、樹勢も風格も衰えを見せない。
撮影2009.3.28