巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

松山諏訪神社の大楠

2009-10-26 | 岐阜県


鈴鹿山系の西側に住む僕たちには、その東側山麓には馴染が薄く訪れる機会は殆どない。



岐阜県と三重県を直結する唯一の鉄道路線でもあり揖斐川流域西側養老山地の麓を走る養老鉄道と併走するR258を桑名方面から北進,北伊勢大神宮として名高い多度大社の大きな鳥居を過ぎ、三重県境の町岐阜県南濃町に入る。


南濃町へ入って約1km,「松山」交差点で左折し、橋を渡って旧集落内をみかん畑の山手に進めていくとこの小さな松山諏訪神社の前に出る。 



小さな境内の正面に立ちふさがるようにして拝殿があって、その背後から諸手を伸ばす楠の梢が見える。


拝殿脇から回り込んで見ると見事な楠の巨木の根元に、祠のようにも見える小さな本殿がある。



これは直感では有るけど、「巨木まず在りき」、往古この土地の人々は、この楠を神として崇め、集い、後この諏訪神社を勧請したのではないだろうか??


これがまさしく神木の神木なる所以じゃないのか??、いや神そのものなのだろう。


樹齢約1000年、と成っているが、大きく雄大なその姿は整っていて老骨さは感じられず、1000年もの時間を生き抜いてきたとは思えないほどで、主幹には何の損傷も無く若々しくさえ見える。
 
しかし、幹周り8.7m、樹高 :20mのデーターが示すとおり、若々しく見える中にも尊厳さが感じられ、その樹姿の雄大さには圧倒される。


植物ながら、おかしい話だが今にも動き出さんばかりの躍動感と、生気のみなぎった力強さに満ち満ちた巨木です。



岐阜県では唯一みかん畑の広がる温暖さと、地元民のこの楠に寄せる篤い思いが伝わる巨楠で、岐阜県の天然記念物に指定されています。





撮影2008.6.14


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