京阪電鉄の京都大阪間、大阪府寝屋川市「萱島駅」上りホームの間から幹を出し、葉を茂らせている楠の巨木。
この駅のホーム下に萱島神社の祠があってその奥、殆ど光の差し込まないようなコンクリートに囲まれた小さなスペースに、幹周り約7メートル、高さ約20メートル、樹齢700年ともいわれる楠が立っているのが、なんとも妙です。
おまけに根元は野良猫の溜まり場になっていて、少々うんざり。
今となってはこの楠の全体像を見ることはかなわないが一体往古、この楠はどのような姿をしていたのだろうと想像するのは僕1人ではあるまい。
この楠の根元には、『萱島神社の大クスノキは、高さ約20メートル幹回り7メートルもあります。樹齢700年ともいわれ萱島の大クスノキとして地元の皆さんに親しまれてきました。
昭和47年11月,輸送力増強のため着工した土居,寝屋川信号間高架複々線の建設の際地元の皆さんのクスノキに寄せる尊崇の念にお応えし、新しい萱島駅と共にこのクスノキを後世に残すことにしました。
特有の芳香を放ち豊かな緑を繁らせて人々にやすらぎを与えてきたクスノキをいついつまでも大切に育ててゆくため,ご覧の通り樹木がホームと屋根を突き抜けるという,全国に例をみない姿となりました。』と、いかにも楠を大切にしているといわんばかりの掲示板が掲げられていますが、ちょっと首を傾げたくなる。
楠の巨木が口を利けたらなんと言ううだろう??足が有って歩けたらこんなところには居ないだろう。
なんとも身勝手なのは人間様、だってこの楠700年も前からここに立ち尽くしていた・・・・。
後から来たのは電車のほう、後から来たものが大きい顔をするのは世の常のようですが???
高架ホーム下の神社といい、ホームの間から首を出さざるを得なくなった神木の楠といい、なんとも哀しく、哀れに思うのは、もう熟年域に達した、人間の戯言なのかもしれない。
撮影2007.2.25