ここは僕の守備範囲を大きく逸脱したかのように遠く、とにかく見かけた人に聞きまくり、大きな樹冠をめがけて車を走らせた。
三重県とはいえ、愛知県に近く道路も不案内で、大きく時間を潰してしまったが、この大きな樹瘤を目の前にしてただただ感嘆の声を上げざるを得なかった。
小さな住宅街奥、新興の住宅に囲まれるようにして聳えている太夫の大楠は二本の樹が寄り添って立っているように見える。
現地の説明板に依ると、「太夫の大樟一本」と書かれており、根株は一つで、地上0.6mのところから二本の幹が分岐しているのという。
二本に分岐した各々の目通り幹周は、南側の幹が5.9m、北側の幹は4.6m樹高27m、大きいほうの根元に驚くほど大きな樹瘤があって、たぶん誰もが目を見張るに違いない。
元々、六本楠という名称の楠(楠群)が6本あったといい、天正年間(1580年頃)三河の武士が、この六本楠に隠れて追手から逃れることが出来、一命を取り留め、後年その楠が枯れた時にその母親がお礼に植えたと伝えられている。
またこの場所は昔は神社境内で敷地であり、この木も神木であつた。
すぐ、近くに小さな神社があってその神社が元々この楠を神木にしていたのだろうか??
撮影2006.9.17