推定樹齢1100年、広島県第二の公孫樹だとされる「筒賀のイチョウ」は、中国自動車道戸河内ICより国道186で少し西に走ればそれと解る大きな木立に出遭う。
公孫樹にしては天を突き刺すように聳えるこの樹は何か特別な存在でも有るようだ・・・。
比婆山系山中の公孫樹はまだ冬姿のままであった同じ日、此処山懐の安芸太田町では御覧のように、芽吹いたばかりの若葉が陽光を受け、まばゆく輝いていた。
ここ筒賀大歳(つつがおどし)神社は国道186号線に面して石の鳥居が建ち、明るく拓けた境内にこの公孫樹の巨木が聳えている。
この神社も神木先に在りき、往古、この公孫樹に鶴が稲穂を咥えてとまり稲穂を落した土地が稲に適した肥沃な土地であったという。
それを感謝して祠を建てたのが「銀杏(いちよう)の宮」「落穂(おちぼ)大明神」とも呼ばれた「大歳神社」、祭神は「天真鶴命」と言われ、ここ旧筒賀村は「つるがの里」が転訛したもので在るといわれている。
曰く因縁の多いこの公孫樹はやっぱり特別な神々しさを裡に秘めている。
約1000年という樹齢に違わずその主幹は岩をも思わせる力強さを持つ。
それほど大きな気根は見れないものの、昔から神木として畏敬され、その老樹としての風格には特別なものを感じる
樹勢は盛んでまだまだ衰えは見えない。
目通り約8.5m、伝承樹齢1100年、樹高約40m・・・広島県指定天然記念物。
撮影2009.4.18