行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

緑の野繭(ウスタビガの繭)

2009-01-31 23:13:28 | Weblog
野繭(ウスタビガの繭)




街路樹として植えられているベニイロハナミズキ.
どの樹も葉を落とし,裸枝となっている.
1月下旬のそんなベニイロハナミズキの一樹の一枝に,
不思議な物体がぶら下がっていた.
植物の実のようでもあるし,昆虫の繭のようでもある.
また,豆さやのようでもある.
長さ5cm程度で黄緑色,造形もまとまってきれいである.
日の光に輝き,青空に映えていた(写真).

きちんと枝についており,完全に枝と一体化している.
ハナミズキの実かもしれないと思えるぐらい枝についている.
しかし,ハナミズキの実は赤く,なんどか見ている.
形も色もまるで違う.

なんであろうか,そんな思いでネットの昆虫の繭を検索していたら,
そっくりな写真にぶち当たった.
ウスタビガ(薄手火蛾)というヤママユガ科のきれいな大型蛾の繭である.
昆虫写真家などいろいろな人が写真を撮って載せていた.
11月頃羽化するそうなので,この時期の繭の中にサナギはいない.
葉がある夏から秋は,この黄緑色が保護色となってなかなか見つからない.
冬になると枯れ枝に,この黄緑色,そして形も美しいので眼に留まる.
多くの人が見つけた時はうれしかったと書いているのがうなずける.

この繭は,筵を縫って作った穀物などを入れる叺と呼ばれる袋に,
形が似ているところからヤマカマス(山叺)の名がある.
その叺もいまはほとんど目にすることはない.
ウスタビガの個体も少なくなってきているようで,
ネットの情報などでは,
この繭は地方の山,林の中で見つけられている.
東京の街路樹にあることは珍しいのかもしれない.

 寒の晴れ緑の野繭風に揺れ
コメント (1)
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