ACL初戦へ小笠原「手抜き」伝授
【バンコク10日=広重竜太郎】MF小笠原満男(28)が海外アウェー戦の戦いを伝授する。アジアチャンピオンズリーグ初戦のクルンタイバンク戦を2日後に控え、鹿島は現地で調整を開始。午前練習中に気温35度、湿度60%に達したが、アウェー戦の対処法を知っている小笠原は、気持ちよさそうに噴き出す汗をぬぐった。
小笠原 暑さ? 汗も出て気持ちいい(笑い)。でも気持ちだけではカバーできない。暑いなりに頭を使わないといけない。むやみに走ってはダメ。そういうことを(ほかの選手にも)伝えていければ。
03年のACL、05年のW杯予選北朝鮮戦(中立地での無観客試合)などタイでの試合経験は多い。その経験をチームに還元する。「ゼロックス杯もそうだけど、こういう試合だとレフェリー(の判定)もいろいろある。無駄なカードをもらってはいけない」。必要に応じての「手抜き」と「クールな振る舞い」の大切さを訴えた。
練習後にはPK練習に取り組んだ。8日のJリーグ札幌戦でまさかのPK失敗。「練習を見てたんですか? 日本だと恥ずかしくてやれない」とジョークを飛ばしたが、「よほどのことがない限り、次も蹴りたいと思う」。今大会は背番号30番以下の登録しか認められていないため、国内時の40番ではなくOBの本田泰人氏がつけていた6番を背負う。「(本田氏が現役時の)あのころから取れなかったタイトル。本田さんの分まで戦う」。鹿島主将の象徴的な番号を背負い、チームを引っ張る。
[2008年3月11日9時40分 紙面から]
サッカーACL12日開幕 鹿島臨戦態勢
2008/03/11(火) 本紙朝刊 スポーツ A版 6頁
小笠原、制覇へ意欲 PK練習も
アジア制覇を目指すJ1鹿島が12日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)初戦となるクルンタイ銀行戦に向け、タイ・バンコクのチュラスタジアムで練習を行った。試合会場となる同スタジアムは、練習開始の午前9時30分の時点で気温30度を超え、約1時間後には35度まで上昇。その中、選手たちは人工芝のグラウンドやボールの感触などを確かめるように約2時間、体を動かした。
練習では10対10でのゲーム形式やシュート練習も行われた。その中で、光を放っていたのはパンツの右すそに背番号6を付けた小笠原。練習後には「あったかいですね」と切り出し、人工芝についても「へんなピッチより、全然やりやすい。むしろ、こうなったらいいなと思っていた通りのグラウンドだった」と好感触のよう。背番号6についても「本田さんが着けていた番号ですし、あのころから国内では勝っていたけど、アジアでは取れていないので、本田さんとともに戦うつもりでやります」とアジア制覇へ意欲を見せた。
また、全体練習後には恒例のFKのほかに1人でPKの練習も行った。PKはJリーグ開幕戦の札幌戦で止められた直後とあって、質問した報道陣に「見てたんですか?日本じゃ(練習を見られるのが)恥ずかしいんで…」と苦笑いしながら理由を明かした。それでも、試合の話になると表情は一変。「気持ちだけでカバーできない部分もある。暑いなりにやっていかないといけない。省エネじゃないが、いつも以上に頭を使ってやることが大切」と表情を引き締めた。
11日は同スタジアムで試合前日の練習を行う。12日は午後3時30分(日本時間午後5時30分)から、同スタジアムでクルンタイ銀行(タイ)と対戦する。
しばらくアジアの戦いから離れておった為、戦い方を知らぬ選手が主力となっておる。
古の背番号を背負った満男がその経験を伝授する伝道者となった模様。
いよいよアジア制覇への第一歩を踏み出すときが来た。
暑さも理不尽な判定も悪質なファールも込みがアジアの戦いなのである。
補給路は確保したか、上層部との連絡網か繋がっておるか。
強大な帝國を築き列強に対抗するには礎が必要となる。
その為、我等は勝利し続けなければならぬのだ。