鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
(厳しい状況が続いているが)こういった経験は何度もしている、やるべきことはやってきた。前節に比べれば選手たちは積極的に向かう姿勢もあったしアグレッシブさも出ていた。これからもやるべきことをしっかりとやり続けることが大切だと思っている。チャンスの数を考えれば相手より多かったし、リズムを失ったのも失点した直後だけ。後半は曽ケ端も全体を見ている方が多かった。落ち着いて決定的な場面を決められなかったのが原因。しっかりとチャンスを決めて入れば結果は違っていたと思う。
(優勝にむけて)今日の敗戦でどうこうということはない。6試合勝ち点18をしっかりと取りにいくことで自分たちの結果が出せる。良い時期もあれば悪い時期もある。最後まで全力を尽くして戦っていきたい。
(Q:試合後スタンドからは多くの声援があったが?)
サポーターも一丸となって戦っているという意識を見せてくれた。サポーターは心強い存在であって彼らの影響力は多大。毎試合勝ってほしいという思いは我々にも伝わっている。彼らの声援で我々がその後押しを受けてしっかりとやるべきことをやり続けていくことによっていい結果をもたらして恩返しをしたい。
【J1:第28節 鹿島 vs 新潟】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(09.10.04)
10月4日(日) 2009 J1リーグ戦 第28節
鹿島 0 - 1 新潟 (16:04/カシマ/19,288人)
得点者:28' マルシオリシャルデス(新潟)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:このような厳しい状況は長い監督経験のなかでおありですか?もしあるようでしたら、どうやって乗り越えてきたのでしょうか?ない場合は、今どうお感じになっていますか?
「僕くらいのキャリアを持っていれば、こういった経験は何度もしています。ただ、皆さんに伝えるほどの情報を出すことは控えさせてもらいたいと思います。やるべきことはやっておりますし、見ての通り前節に比べれば戦う意識というものや、戦う姿勢やアグレッシブさは出せていると思います。引き続き努力し続ける、やるべきことをみんなでやり続けるということが、またいい流れや条件に変える道のりになると思います」
Q:今日もまた前半に先に失点してリズムを崩してしまったと思いますが、その原因についてはどのように感じておりますか?
「いろんな考え方があると思います。まずアルビレックスが我々のホームでやるやり方は明確になっていると思います。守備的な陣形を整えることからやっていく。昨年、一昨年と何度も皆さんも見ていると思います。去年は0-0でしたし、できれば引き分け、もし良い形になって得点ができて勝てれば良いという戦法を彼らは取っているわけであって、それは明確になっていたと思います。リズムを失ったのは失点した直後の一時的な部分だけであって、それ以外は我々が主導権を握れていたと思いますし、後半は曽ヶ端選手は試合を観戦していただけだと思います。後半は特に明確にもっと守備を固めてやっていくことでした。皆さん、メディアから我々に圧力をかけようとしていると思います。先制されたらもうダメだ、先制されたら逆転できないということを質問して圧力をかけようとしていると思いますが、そういう観点の分析ではなく、逆にチャンスの数を考えたらもっと得点を奪えるはずです。そこで落ち着いて決定的な場面を決めていないというのが見るべき観点であって、これだけチャンスをつくれるチームはなかなかないと思います。それを落ち着いて決めることが出来ていない部分が問題であって、みんなが落ち着いてできれば問題ないことです。いま、他からの圧力に、あるいは余計な問題を探そうとしている分析点というのは好ましくないのではと思います」
Q:新潟のセンターバックは高さもあって強力だったと思います。そこに対してダニーロ選手を投入して、また流れを引き寄せていました。あの交代の意図と、どのような指示をしていたのかを教えて頂けないでしょうか?
「まず賛同しなくてはいけないことは、2人のセンターバックが今日の試合では非常にすばらしいパフォーマンスを見せたということは事実だと思います。ただ、見ての通りダニーロ選手が入ってから良い形で流れをもう一度引き寄せることができたと思います。ダニーロ選手と、途中から田代選手も入れましたけど、そうするといままで簡単にクリアできたボールが、あるいは跳ね返すことができたボールができなくなって、相手のボックス内でボールが収まる、あるいはそこ近くに残る回数が多くなります。そこからの得点をひとつの形として考えていたのですが、あくまでもこれは90分やるサッカーではありません。緊急事態で、残りの最後の時間でやる形であって、試合によってはそれがうまくいって同点に追いついたり逆転したりということもありましたけど、必ずしもそれがうまくいくわけではありません。今日もチャンスがあったわけで、それを決めていればまた違っていたのかもしれません。ただ、それをやろうと意思の統一を選手がはかって一生懸命やろうとしたことは讃えるべき点だと思います。また、少しずつ自分たちのやるべきことを整理して、お見せすることができたらと思っています」
Q:数日後にモチベーションの持っていきかたの難しい川崎F戦(10/7@カシマ)が控えています。どのような臨み方をしたいとお考えですか?
「確かに今日の試合の結果によっては、どのようなやり方を取るかは変わってくるのであって、勝っていればひとつの方法、負けていればまた違う方法、引き分けていればそれとも違う方法。いろいろなパターンを自分のなかに描いておりました。監督業というのは良いときもあれば悪いときもあって、また特別な状況のなかで試合をやらなければいけないときもあります。それを難題に思うのか、それを修行の一部としてプラスに考えていくのかというのが、ひとつの考え方の違いになります。いろんなアプローチの方法は考えております。ただ詳細については明らかにできません。いろんな形を考えてやっていきたいと思いますし、できるだけ選手たちがいい形で試合を迎えることができればなと思っております」
Q:優勝に向けていまの決意というか意気込みを聞かせてください。
「今日の敗戦がどうこうということは、まったくなにも考えていない。まず現実の話をすれば6試合、勝点18というのが目の前にあるわけです。それをしっかりと取りに行くことと、それをやれば自分たちのいい結果が出せると思います。長いシーズンのなかでは良い時期もあれば悪い時期もあります。それは我々も対戦相手を含めてもそうですし、また最後まで全力を尽くしたいです。この結果に関しては選手、スタッフ、私自身も納得はしておりませんし、我々がやるべきことはわかっておりますので、その細かな作業をみんながやり続けることによっていい結果が出せると思います」
Q:試合後のサポーターの反応は、前節まではブーイングもあったと思いますが、大きな声援だったと思います。それをどう受け止めましたか?
「このクラブのサポーターというのが一段と戦っていく意志を見せてくれたのではないかと思います。選手自身が、我々が向かっている方向性が間違っていないということを評価されたことを感じたと思います。特にアントラーズというクラブにおいてはサポーターの影響は多大です。彼らが対戦相手がいろいろあって、毎試合勝ってほしいという気持ちを持ちながら同時に謙虚さをもって、やったことを評価するという目や気持ちを証明してくれたと思います。あとは我々が、その後押しを心に刻んでやるべきことをやって、いい結果をもたらして恩返ししたいと思います」
以上
【J1:第28節 鹿島 vs 新潟】試合終了後の各選手コメント(09.10.04)
●新井場徹選手(鹿島):
「順位がどうとか、得失点差がどうとか関係ない。目の前の一戦をどう勝つかということで入った。それは伝わったと思う。現状をしっかり受け止めて、繰り返していくしかない」
●内田篤人選手(鹿島):
「ジウトンが向こうのポイントだと思って、気にしながらプレーしていた。セットプレーが多かったので、そこで取れていたら違っていたかもしれない。後半の入りは、負けているけどバランスを崩さないことを考えた。ただ、力が入っているのかもしれない。負けられない、ミスできないと思ってしまっている。もっと伸び伸びやらないといけないけど、そこが難しい。周りは『王者』と言うけれど勝つのは難しい。久しぶりの2位。突っ走ろうと思っていたけど、失速と思われてもしようがないかな」
[ J1:第28節 鹿島 vs 新潟 ]
新潟に敗れ、笑顔なくピッチを後にする鹿島のオズワルドオリヴェイラ監督と選手ら。鹿島は暫定ながら得失点差で首位陥落。2位へと順位を下げて7日(水)の川崎Fとの再開試合へ臨むこととなった。
鹿島4連敗首位陥落、サポ大荒れ/J1
引き揚げる(左から)鹿島DF岩政、MFダニーロ、FWマルキーニョス
<J1:新潟1-0鹿島>◇第28節◇4日◇カシマ
史上初の3連覇を狙う鹿島が新潟に0-1と敗れ、3年ぶりのリーグ戦4連敗で首位から陥落した。前半28分に先制点を奪われると、懸命の反撃も実らずに完封負け。一時は2位に勝ち点10差をつけて独走していたが、後半戦に突入後に失速し、5カ月ぶりに首位を明け渡した。前日の引き分けで勝ち点50とした清水が得失点差で10年ぶりに首位に浮上した。G大阪は4-1と大宮に大勝し、川崎Fは2-0と横浜に完勝。首位清水から勝ち点5の間に6チームがひしめく大混戦となった。
「定位置」となっていた首位から、ついに陥落した。試合終了の笛が鳴り響くと、DF新井場がぼう然と立ち尽くし、主将のMF小笠原は肩を落とした。「周りは王者というけど、勝つのは難しい。どうこういうより、今は勝ち点3が必要」。そんなDF内田の言葉が泥沼状態を表していた。
不振を象徴する敗戦だ。前半28分にMFマルシオ・リシャルデスに豪快なボレーシュートを決められた。新潟より好機をつくったが、相手GKの好守に阻まれ、逆に一瞬のスキを突かれて中断の9月12日の川崎F戦を含め、5試合連続で先制された。DF岩政は「点を取れずに失点してしまう。勝てないチームの現状」と厳しい表情を浮かべた。
1-4と惨敗した名古屋戦から7日間、この日のために準備を整えた。9月29日の決起集会では、試合に出場していない若手が「出ている人はプライドを持って戦ってほしい」と強い口調で訴え、主力組の心を刺激した。だが、過去の3試合より内容は向上したものの勝利につながらず、GK曽ケ端は「内容とかじゃなくて、今は結果が欲しい」と切実な思いを口にした。
好調時にはあった揺るぎない自信が、回復できていない。DF内田は「力が入っている。負けられない、ミスできないって感じになっている。勢いがちょっとね」と話すなど、苦境に強いはずの王者が、強じんな精神力を欠いている。
7日には1-3の状況で後半29分1秒から再開される川崎F戦が控える。負ければ99年の8連敗以来の5連敗以上、「聖地」カシマスタジアムでは史上2度目の3連敗となる。DF岩政は「僕たちには可能性も希望もある」と前を向いた。5カ月ぶりの首位陥落で、試合後には一部サポーターが関係者エリアに侵入。クラブ関係者ともみ合いになるトラブルも発生。この悪循環から自力で抜け出す以外に3連覇への道はない。【菅家大輔】
[2009年10月5日9時7分 紙面から]
3年ぶり4連敗…鹿島、ついに首位陥落
2009.10.5 05:05
鹿島・新井場(左)のユニホームをつかみながらディフェンスする新潟・三門(撮影・大橋純人)
J1第28節最終日(4日、鹿島0-1新潟、カシマサッカースタジアム)鹿島が新潟に0-1で敗れ4連敗で2位に転落。
5月から守り続けてきた首位から、鹿島がついに陥落した。前半28分に速攻から先制点を許すと新潟の堅い守りに、相手の10本を上回る14本のシュートはネットを揺らせない。90分の勝負ではクラブワーストタイとなる06年10月以来3年ぶりの4連敗だ。
失意のホームスタンドも、うなだれたチームを大声の応援歌で励ましたが、選手バスが会場を出る際に一部サポーターが車体をたたき、「降りてこい!!」と騒いだ。サポーター団体の幹部約30人も会場付近で約2時間、座り込みで抗議した。
本山らの呼び掛けで9月29日夜に選手、スタッフが“決起集会”を開いたが、狂った歯車は戻らなかった。勝ち点4差の中に5チームがひしめく大混戦。7日には降雨中止の川崎戦が1-3の後半29分から再開され、2点以上を奪えなければ90分間では初の5連敗となる。「ウチの勝負強さで奇跡を起こせることを信じている」(DF岩政)と望みは捨てないが、J史上初の3連覇の大目標は深い霧の中へと吸い込まれた。(丸山汎)
鹿島4連敗…サポーターが話し合いを要求
<鹿島・新潟>新潟に敗れ、ガックリうなだれて引き揚げる鹿島イレブン
Photo By スポニチ
【鹿島0―1新潟】鹿島はホームで新潟に0―1で敗れて4連敗。3日に得失点差でトップを譲った清水から首位の座を奪い返すことはできなかった。
前半戦を13勝4分け1敗で折り返した王者が、後半戦はこれで2勝1分け6敗。この日は1―4で惨敗した9月26日の名古屋戦から攻守の連係など改善点は見られたが、ラストパスやシュートに精度を欠き、前半28分に喫した失点が重くのしかかった。DF内田が「勝ち点3を取るのがこんなに大変だったのかな」と首をひねれば、FW興梠も「内容は良くなってきただけに、負けたのが悔しい」と嘆いた。
90分以内での4連敗は99、06年に並ぶチームワーストタイ記録。試合後はサポーター約30人が選手らが乗ったバスを取り囲み、チームとの話し合いを求めて約2時間居残るなど後味の悪さも残った。それでもDF新井場は「殴られても殴られても起き上がるしかない。殴り返す力を見せたい」と残り7試合での巻き返しを誓った。過去どのチームも達成していない3連覇への厳しい道のり。ここからが鹿島の真価が問われる戦いとなる。
[ 2009年10月05日 ]
サポーター怒!4連敗で5か月ぶり首位陥落…鹿島
新潟に敗れて首位陥落し、足取り重く引き揚げるオリヴェイラ監督(中央)ら鹿島イレブン
◆J1第28節 鹿島0―1新潟(4日・カシマ) 鹿島は3年ぶりの4連敗を喫し、清水戦(5月10日)から守り続けてきた首位の座から陥落した。試合後、一部サポーターがチームバスを取り囲むなど騒然となった。オリヴェイラ監督は「これくらいの経験はある」と立て直しへ自信を示したが、MF青木は「結果がすべて。何も言えない」とぶぜんとした表情だった。
(2009年10月5日06時01分 スポーツ報知)
耐えるときも必要である。
そう歴史が申しておる。
臥薪嘗胆。
辛酸を舐める日もあるが故、喜びも大きいのだ。
次の試合まで間がない、気を取り直し、気持ちを切り替えることこそ寛容であろう。
残念ながら義と愛では喰うては行けぬな。