代表ゼロの鹿島が3連勝V圏キープ/J1
先制ゴールを決め天を指さす鹿島MF増田。手前は倒れこむ名古屋GK楢崎
<J1:鹿島2-1名古屋>◇第17節◇24日◇カシマ
アジア杯代表メンバーゼロの鹿島が名門のプライドを見せつけた。同代表2人を擁する名古屋との対戦で前半は苦しみながら無失点で折り返すと、後半に地力を発揮。MF増田とFWマルキーニョスのゴールで2-1と制した。カシマサッカースタジアムでの名古屋戦公式戦21連勝を収め、今季初の3連勝で3位をキープ。かつての代表常連クラブもオシムジャパンには縁遠いが、Jに専念で10冠へ突き進む。
場内を1周する選手の深紅のユニホームが誇らしげだった。かつてのようなビッグネームもいない。オシムジャパンのジャパンブルーのユニホームに誰も袖を通していない。だが今の鹿島は間違いなく強い。MF本山は熱い思いを口にした。「代表に呼ばれていないからといって、弱いチームだとは思わない」。
強者のサッカーだった。前半は雨でぬれたピッチと相手の前線からの速いプレスにパスがつながらない。シュート数2対8。だがハーフタイムにスイッチが入った。ロッカー室での円陣で「ここで勝たないと(首位の)G大阪に離されるぞ!」と、自然に声が出た。
後半は一変した。中盤のバランスを修正し、同20分にゴール右に飛び出したMF増田が日本代表GK楢崎のニアを破る先制弾。FWマルキーニョスの3戦連発直後に1失点したが、終盤はGK曽ケ端の好セーブで逃げ切った。名古屋戦不敗の地で21連勝目を飾った。
地位も実績も関係ない。05年にサンパウロで世界クラブ選手権優勝メンバーだったDFファボンが故障を完治させても、オリベイラ監督は先発復帰させなかった。フロントが「チャンスを与えてもいいのでは?」と進言しても同監督は「勝っているのに変える必要はない」と信念を貫いた。
後半30分からはファボンが復帰後5戦目にして初めて守備固めの役割を与えられた。「勝っていれば変えないのは当たり前だ。鹿島は選手のレベルが高いし、6~8人が代表に選ばれてもおかしくない」とファボン。93年J開幕以降、各連盟主催の公式大会で16大会連続で代表選手を輩出してきたが、アジア杯で途切れた。だが代表ゼロでも9戦不敗で3位。名門の自負は健在だ。【広重竜太郎】[2007年6月25日8時52分 紙面から]
鹿島、代表ゼロでも強い!3連勝で常勝軍団復活の予感
先制点の増田がサポーターにアピール(撮影・財満朝則)
J1第17節最終日(24日、鹿島2-1名古屋、カシマスタジアム)鹿島がU-22日本代表MF増田誓志(22)のゴールなどで名古屋を2-1で下し3連勝。5月以降9試合負けなし(6勝3分け)で3位キープ。現役の日本代表がいないなかで快進撃だ。
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代表選手が多いから強いんじゃない。代表ゼロの鹿島が3連勝だ。
増田の先制弾とFWマルキーニョスの3戦連発となる追加点で日本代表GK楢崎、MF本田圭を擁する名古屋に2-1勝利。5月以降9戦負けなし(6勝3分け)で、首位・G大阪と勝ち点8差の3位をキープした。
「(代表に)呼ばれていないから弱いチームだとは思っていない。オシムさんの目指すサッカーにうちの選手が沿っていないということでしょう。一致団結して上を狙いたい」とMF本山が熱く語った。16位・千葉からFW巻ら5人が選出されている日本代表だが、鹿島からはゼロ。今季7アシストのMF野沢、DFとしてJタイ記録の4戦連発を決めた岩政も、アジア杯へ向けて、オシム監督から声がかからなかった。だが代表選手がいようがいまいが、いまの鹿島には関係ない。
目指すは6年ぶり5度目の優勝、すなわち10冠だ。シーズン序盤こそつまずいた常勝軍団だが、後半戦にはこの勢いで臨む。
(千葉友寛)
★鹿島のU-22代表・増田が先制弾
鹿島のU-22日本代表MF増田が背水の一戦で先制弾を決めた。後半20分、右足で今季2点目となるゴールを右隅に突き刺した。「来週から(負傷していた)中後さんが帰ってくるのは分かっていたし、最後というイメージで試合に臨みました」。バーゼルMF中田浩とメッシーナMF小笠原が復帰すればポジション争いはさらに激化するが、「2人が帰ってきても、自分が出られているときにアピールすることが大事」と語気を強めた。
★名古屋はカシマで21戦全敗
名古屋は鹿島に敗れて3連敗。Jリーグが始まった93年から、カシマスタジアムで公式戦21戦全敗となった。日本代表GK楢崎は「個人的には半分くらいに絡んでいるから勝ちたかった」と肩を落とした。同MF本田圭は「チームは3連敗なのに(代表で)挽回するチャンスをもらえてうれしい」と前を向いた。
A代表ゼロでも…鹿島意地の3位浮上
<鹿島・名古屋>後半20分、先制ゴールを決め喜ぶ鹿島・増田
Photo By 共同
【鹿島2―1名古屋】“A代表ゼロ軍団”の鹿島が粘りのサッカーで勝利をもぎ取った。後半20分にU―22日本代表MF増田が先制点を挙げると、5分後にはFWマルキーニョスの3戦連発となる芸術的なループシュートで追加点。相手の反撃をGK曽ケ端を中心に守って失点を1に抑え、今季初の3連勝を飾った。
増田は「全員に守備の意識が高くなり、チームにしぶとさが出てきた」と、チーム好調の要因を話す。5月以降、ナビスコ杯を含めて8勝3分けと11戦負けなし。開幕直後は下位に沈んだが、3位と優勝を狙える位置に浮上してきた。アジア杯の日本代表には1人も選ばれず、クラブ史上初めて国際大会に代表を派遣しない屈辱を味わった。だが、MF本山は「(代表に)呼ばれないから弱いチームとは思っていない」と胸を張った。
≪鬼門カシマで21戦全敗≫2点を先制された名古屋は必死の反撃を試みたが、FWヨンセンのゴールで1点を返すのが精いっぱい。カシマスタジアムではJ創設の93年以来、カップ戦も含め21戦全敗で、またしても鬼門突破はならなかった。GK楢崎は「自分はその半分ぐらい絡んでいるので、そろそろ勝ちたかった」と悔しがったが、MF本田圭は「ばん回するチャンスをもらえてうれしい」と、25日に合流する日本代表合宿に切り替えていた。[ 2007年06月25日付 紙面記事 ]
カシマでオワリなし21連勝…J1第17節
後半20分、鹿島・増田(右)が先制ゴールを決める(左は山口、GKは楢崎)
◆J1第17節 鹿島2―1名古屋(24日、カシマ) 鹿島が名古屋に2―1で競り勝ち、今季初の3連勝を飾った。U―22日本代表の増田誓志(22)が後半20分、先制点を挙げ、同25分にはFWマルキーニョス(31)が3試合連発となるダメ押し弾。これで93年Jリーグ開幕以降、カシマスタジアムで行われた名古屋戦は21連勝。代表はゼロだが、9試合負けなしで3位をキープした。また、大宮は横浜Mに引き分けたが、降格圏を脱出した。
たとえ内容が悪くても、たった2つの状況さえ整えば必ず白星がついてくる。「カシマスタジアム」の「名古屋戦」。MF本山は「名古屋にはいつも苦しめられているイメージがある。その世代、世代でメンバーも違うからね。関係ないでしょう」と否定したが、それが21連勝となると単なる偶然とは思えない。この日も最終的には、過去と同じ結果に落ち着いた。
主役はMF増田だ。後半20分、FW田代、MF野沢、FWマルキーニョスとダイレクトでつながれたボールで抜け出す。「勢いで打った。狙ってないけど、ニアは見えた」強烈な右足シュートで、日本代表GK楢崎が守る、狭いニアを抜いた。さらに、同25分にはFWマルキーニョスが追加点。前半は押し込まれたが、お得意様から確実に勝利をもぎ取った。
増田はU―22日本代表で当落線上に位置する。08年北京五輪アジア最終予選(8月22日~)を前に「選ばれるか不安」が口癖。ホーム&アウェーで行われる同予選では、苦手の移動もある。飛行機移動は「香港までが限界」、学生時代の修学旅行も「移動が嫌だった」。だが、今は「何とかしないと」と奮起し、移動時の暇つぶしアイテム探しに着手し、移動恐怖症克服を目指している。
チームは今季初の3連勝。5月から9試合6勝3分けと負けなしで3位をキープした。日本代表は一人もいないが、「代表に呼ばれないから弱いチームとは思わない。ただ、オシムさんの目指すサッカーにウチの選手が沿っていないだけ。これからも一致団結して上を狙っていく」と本山は胸を張る。誇り高き常勝軍団の意地で、首位・G大阪の背中を追う。(2007年6月25日06時02分 スポーツ報知)
J1 鹿島耐え抜く 黄金期のしぶとさ戻る
2007/06/25(月) 本紙朝刊 スポーツ A版 8頁
Jリーグ1部(J1)第17節最終日(24日・カシマスタジアムほか=2試合)鹿島は増田のゴールなどで2-1と名古屋を下して3連勝、勝ち点30で前節からの3位を守った。名古屋は3連敗で11位。
大宮-横浜Mは0-0で引き分けた。横浜Mは3試合続けて引き分け。8戦連続負けなしの大宮は15位に順位を上げた。
鹿島2-1名古屋 増田が先制弾
【評】鹿島は後半20分、ゴールキックからの速攻で増田が決めて先制。5分後にマルキーニョスのループシュートで追加点を奪うと、反撃を1点に抑えて逃げ切った。ヨンセンにボールを集めた名古屋の攻めはやや単調だった。
今季初の3連勝は耐えて、耐えて、耐え抜いた末につかんだ勝利だった。試合内容では完全に名古屋に押され気味だったが、「悪い中でも、しぶとさが出てきた」と増田。内容で負けても、勝負には勝つ。黄金期の鹿島をほうふつとさせるような試合だった。
試合前に降り出した雨の影響もあり、前半は名古屋のコンパクトなサッカーの前に完全に沈黙した鹿島。運動量も少なくパスもつながらない展開が続いたが、焦りはなかった。「相手が前掛かりにきていたので、後半はばてると思っていた。後半からと気持ちを切り替えていた」と青木。内容が悪かった前半を耐えたことで、中盤のバランスを修正できた後半にチャンスが巡ってきた。
後半20分にマルキーニョスがDFの裏へとつないだボールに飛び出したのは中盤の増田。「DFの裏を狙う練習をしていて、その通りのいいボールが来た。ドリブルの勢いのまま、思い切りいった」。増田の右足が日本代表GKの楢崎の牙城を切り裂くと、その勢いのまま5分後には、マルキーニョスのループシュートで追加点を奪った。
しかし、勝負強さを見せた一方で、悪い癖も抜け切れていなかった。2点目を奪ってから、わずか1分後に失点。「うちの課題なのだが、点を取った後の10 分ぐらいで失点してしまう。気を引き締めなくてはいけない時間帯だった」と青木は振り返った。その後は、なんとか曽ケ端の好セーブもあり同点は許さなかったが、本山も「悪い内容で勝ったことを自信にしてはいけない。一致団結して上を目指したい」と気を引き締めた。3位ターンだが、選手たちが見詰めるのは勝ち点8差で首位を行くG大阪。足踏みをしている暇はないのだから。
マルキ絶好調3試合連続弾
○…鹿島・FWマルキーニョス(31)の勢いが止まらない。右ハムストリングス肉離れで第13節から2試合欠場したが、復帰した広島戦からゴールラッシュ。この日の名古屋戦でも3戦連続ゴールとなる決勝点を奪い、チームを勝利に導いた。
前半はシュート1本に抑えられていたが、後半に本領発揮。20分に増田の先制点をアシストすると、25分には自分で魅せた。岩政が競った後のこぼれ球をペナルティーエリア内左側のエンドライン際でキープすると、振り向いた瞬間に「(コースが)空いていたので打とうと思った」と技ありのループシュート。GKが一歩も動けないゴールに、「あれだけパーフェクトに打てるとは思わなかった」と本人もビックリ?
大手4紙は代表0を猛烈に報道しておる。
が、本山が代表監督が求める像が全てではないと一蹴である。
そう、チームの勝利が最重要なのである。
青木や曽ケ端の活躍が目立っておるが、本山の奔走には頭が下がる。
かつての熊谷浩二を彷彿させ、更に巧いのである。
昨季末から熟成された野沢との関係が蜜月となり、お互いの長所を打ち出せるようになったことが大きいのであろう。
まるで夫婦の関係である。
だが、夫婦の関係に不用意に侍女が口を挟んでは物語も醒める。
何故、晴信と三条夫人がお家の将来を話しておるところに侍女の萩乃風情がしたり顔でセリフを吐いてくるのか全く持って理解に苦しむ。