沖島周辺を訪ねて:近江八幡市
第三部、最終章 (全3部)
さてこの三部では 沖島周辺の名所探索です
=それらはもの凄く大きな干拓地の周りにあります=
先ずは大中干拓のことを
・伊崎寺・長命寺 ・権座(ごんざ):田んぼだけの島 ・ちょっと一息
に小さな喫茶、地元の野菜などのお話なんですが、その前に滋賀
で大変有名でもの凄く大規模な干拓が近江八幡市にあるんです。
それを先ず紹介したいのです。
赤い点線内の3つの内湖が干拓されて陸地になりました
この干拓が出来たので歩いて行ける
というのもこれから行く名所はこの干拓があってこそ今は車で簡単
に辿れます。干拓される前は伊崎寺なんかは船でないと行けませ
んでした。 現在は陸地で、県道26号線などは日ごろ別に意識なく
車で走っていますが、元々は湖だった所です。
なぜ琵琶湖の内湖を埋立てたの?
今から70年ほど前の事 戦後の食糧量産体制として内湖を田んぼ
にする干拓が始まり40年前には現在の地形となりました。干拓さ
れた内湖は、弁天内湖、伊庭内湖、大中の湖で1,450ヘクタール
と広大な陸地の誕生です。
安土城 天主の下は湖だった
信長が安土に城を築いた理由の一つが琵琶湖を押さえること。城
の下が湖でした。今、天主跡から西側に見える平野は干拓地です。
大中干拓:絵図で見れば一目瞭然
以下3点の写真、絵図は東近江市のHPから拝借しました。また
これらに私が文字などの加工をしております。
ありがとうございます。
干拓する前の4つの内湖
大中の湖、伊庭内湖、弁天内湖そして西の湖の4つの内湖の内、
西の湖を残して埋立てました。この絵図でも明らかなように安土城
のそぐ傍まで湖でしょう!
この写真では伊庭、弁天両内湖は埋め立てが終わっている
弁天内湖、伊庭内湖が干拓化されています。もう安土城は田んぼ
の真ん中です。
大中の湖も干拓された現在 西の湖は残された
西の湖を残して大きな農地となりました。コメは勿論、だいなかス
イカと県民は呼びますが絶品です。そしてモノクロの上の写真をご
覧ください。赤い線(私が線を入れました)が県道26号です。そしてそ
の道を進めば伊崎寺に行けます。1,450ヘクタールなんてピンと
来ませんが、上の写真の右方向(東)なんか、26号線から見てそ
の端は遠くはるかに霞んでいます。 兎に角 すごく大きな面積です。
さて、本論です:名所を案内します
今回歩いた名所、旧跡での位置関係です
伊崎寺
一般に伊崎不動と呼ぶ天台宗寺院。 修験道の捨身の行法に由来
するという竿飛びが有名です。
竿飛び:例年8月2日に行われている (見学時は確認よろしく)
境内
天台比良修験道のもとに成立した寺院と考えられる。
寺院の門が山を下って湖の位置にあります
これなんですよ、先ほど干拓を最初に取り上げましたのはね。干拓
される以前は、船でしかこのお寺には参拝出来なかったのです。
私はこのお寺での興味はこの船でしか・・、と有名な竿飛びでした。
長命寺
境内には、本堂(国宝)、三重塔、鐘楼、護摩堂など(いずれも重文)など
が立ち並んでいます。
本堂、三重塔など、荘厳な境内です
このお寺の特徴の一つが八〇八段の石段です。これを登ればご利
益があると参詣者は頑張って登っていきます。
八〇八段の石段
参詣曼荼羅
あくまでも私の興味ではありますが、石段の他のもうひとつの珍しい
宝が参詣曼荼羅です。長命寺山を背景に、伽藍やルート、さらには
賑わう参詣者、町屋、湖辺に浮かぶ参詣船などが詳しく描かれてい
ます。 ただ写真でここに掲載すことは許されていません。
三重塔再生:見学できます
こけら葺き屋根の葺替修理が行われています。平成26年3月31日
までの10か月です。10月下旬から平成26年1月下旬まで修理を
自由に見学できます。これは結構な時流で、ありがたいことです。
さらに、専門員の案内で特別現場見学会なども予定されていますが、
詳細は確定次第、追記します。
かなり傷んだこけら葺きの屋根
なお、本堂など他の建物の屋根は檜皮葺です。この三重塔のみ
こけら葺です。
こけらの解説をされる県の専門員さん
なんでも手作業で材木(柿?)を板状に割って作るそうで、また板は
ベコベコしていないと雨水が浸透して屋根の機能が果たせないとか。
これも手作りの竹釘です。専用のハンマーで口に含んだその竹釘を
一本一本手早く打っていきます。よくTVで見る光景です。 口に含む、
これって職人さんの誰か、一回位は飲み込んでいない? 気になるよ。
境内からの絶景: 近江富士・三上山がきれいです
権座(ごんざ)
「権座」は、内湖の藻や水草を刈り、それらを埋め立てて出来たと
される島で、石垣に囲まれています。昭和30年代まで湿地面積を
広げていく作業が行われ、「権座」も、先人たちの手で造られ守ら
れてきました。そのような過程を経て出来た湿地は、内湖が干拓
される昭和39年以前まで「権座」を含め7箇所もあったそうです。
しかしながら今日では、耕作地として残っているのは「権座」だけと
なってしまいました。 (滋賀県農政水産部農村振興課 HPより引用)
正面の濃い緑の横筋が権座です 西の湖に浮かぶ島です
味菜村
干拓地で伊崎寺近くにあるカレーと 牛丼だけの小さな喫茶・レス
トランです。地元の産物も並べられており、ちょっと一服には最適
です。そこで昼食を取りましたが家庭的な雰囲気で大変よかった
です。
味野村 干拓内に敷かれた県道26号線沿いです
これらのアクセス
バス利用の場合:
JR近江八幡駅からバスが出ています。ただし本数が少ないので
あらかじめスケジュールをたててのお出かけがいいかと思います。
その上、バスは長命寺経由、堀切港までの折り返し運行です。
伊崎寺へは行きません。
なおバスは堀切港からの定期船と必ずしも接続はしていない
とのことです。本数が少ないのでバスを利用の場合はご注意
ください。
近江鉄道バスの電話: 077 589 2000 (確認しました。素晴らしい対応です)
車の場合:
沖 島: 起点の堀切港には駐車場がありません。
どうすればいいのか・・・・・?
伊崎寺: 堀切港から歩いて20~30分で伊崎寺に着きます。
そこには駐車場があります。
長命寺: バス、車共に問題ありません。石段が苦手な方は
本堂への道を歩くか車で本堂下まで上がれます。
お礼
これで、Dコース、沖島とその周辺紹介シリーズは終わりです。長々
とした記載で申し訳けございません。また中には聞き違いや勘違い
で間違いがあるかもしれません。どうかお許し頂き、日にちなど数字
については見学前にご確認の程、何卒よろしくお願い申しげます。
これから訪問をご予定の皆様にはいい思い出の旅となりますよう
お祈りしております。 ありがとうございました。
(ブログ管理者 Kenny)
さて、伊勢街道、訪問させて頂きました。 滋賀県にも伊勢道という石碑やハイキングの途中、山道でも標識をよく見かけます。過日、草津宿、陣屋の所から東海道に折れる所にも「東海道いせみち」という石碑がありましたね。 鉄道と共にその役目を終える。それは琵琶湖の丸子船とも共通します。 感無量ですね。
私はまだどこも歩いたことはありません。 「旅のお金、心得」 なんて、そうななんやーと。 当時は本当に国境があったんですね、実感です、目が行きました。 ありがとうございます。
Kenny