カツラは難しい

2012年08月19日 08時26分49秒 | コメディのかけら

しばしば不自然なカツラをつけている人を見かけるが、
なにも最初から不自然なわけではない。
使い続けているうちに劣化して、
不自然な感じになってしまうことが多いと聞いた。

ならば買い換えればいいじゃないかと思うが、
カツラは値段が高い。
だから一度作ってしまうとなかなか買い換えにくく、
結果、不自然なカツラをつけることになってしまう。

ある店のランチによく来る客も、
不自然なカツラの男性だった。

本人から聞いたわけではないが、
その人の周囲の人間の話によると、
奥さんがお金にうるさい人で、
結婚前に買った今のカツラを買い換えることを許してくれないのだという。

しかしそれは誰が見ても不自然なカツラだ。

ある時、何も知らない店主の兄弟が、
店から出ていくその男性の姿を見て言ったそうだ。

「あの人、漫画家?」
「なんで?」
「だってベレー帽かぶってたじゃん」

ベレー帽と見間違うカツラって。

カツラを作った当初は、
頭頂部付近が薄毛になっていたのだろう。
そこを隠すカツラを作ったのだ。

その後、薄毛部分が広がってきた。

だが、カツラの大きさはそのままなので、
後頭部のあたりは薄毛なのに、
頭頂部だけふさふさと毛が生えているという、
モヒカンにする途中のような状態になっているのだ。

そんなカツラならば、
つけている方が恥ずかしいと思うのだが。

まったくカツラは難しい。