読書:『らぶれたあ/鮫肌文殊』と読み終えて思い出したいくつかのこと

2016年12月17日 08時49分36秒 | エンタメのかけら

『らぶれたあ/鮫肌文殊』読了。

天才、鬼才、異才、
どんな言葉でも言い表しきれない、
かつていた「中島らも」という唯一無二の人物に関する、
貴重な一次情報。

読み終えてあらためて思うに、
今の時代、
中島らもさんのような人物が、
もう世に出る/出られることはないのだろうなあ。
だからこそ、
中島らもにリアルタイムでは間に合わなかった世代の方々に、
ぜひ読んでほしい。

同時に、
本書は鮫肌文殊版の『赤めだか』
いや、放送作家だから鮫肌版の『さらば、メルセデス』か。

ドラマ・映画化する場合、
もう少し恋愛要素があった方がいいと思うので、
その際は本書には書かれなかったヤスコとの話、
ご提供いたします。
放送作家仲間の間では有名なエピソードがいくつもありますので。



余談。


僕も中島らもさんには2回だけお会いしたことがある。

一度目は下北沢で。
松尾貴史さんとG2さんが組んで舞台をやろうということになり、
(後のAGAPE Store)
らもさんに戯曲を書いてもらおうとお願いに行ったのだ。
そこに僕も同行した。
本多劇場でリリパット・アーミーの芝居を観た後、
近くの『和楽互尊』というやきとん屋に行った。

らもさんの本をほぼ全冊読んでいた僕は、ご本人を目の前にして緊張。
キッチュさんが熱心にお願いするのを黙って聞いていたらもさんが、
おもむろに口を開いた。

「出来た」

間。

「タイトルは・・・豚バラ」

壁のメニューを読み上げただけだった。

その後、
スケジュール的に新作を書くことは無理という話が、
らもさんのマネージャーからあり、
キッチュさんに演じてもらうことを念頭において書いた小説
『超老伝』を舞台化することになった。

2回目にお会いしたのは、
G2さんに付いて行った渋谷の喫茶店でだったが、
その時にらもさんが何を喋ったかは記憶にない。
もしかすると何も喋らなかったのかもしれない。




余談は続くが。

『超老伝』は松尾さんにしか出来ない舞台だと思う。
なので、いつか再々演してほしいなあ。
オリジナルメンバーが希望だが、
山西惇さんは『相棒』ですっかり売れっ子俳優だし、
松永玲子が露出の激しいサンバダンサーを今やってくれるのか。

問題は山積みだが・・・観たいものである。