「読書:『戸川純全歌詞解説 疾風怒濤ときどき晴れ』」

2016年12月03日 17時08分10秒 | エンタメのかけら


嗚呼、こんな本を読むことができる日が来るとは!

「全歌詞集」ではない。
「全歌詞解説集」である。

歌詞に解説なんて野暮?
いやいやいや。
本書は、「歌詞解説」の形を借りた、
戸川純の自伝である。

あくまで「歌詞解説集」なので、
歌詞自体はごく一部しか載っていない。

でも、ソロ&ソロユニットの3枚、
『玉姫様』
『極東慰安唱歌』
『好き好き大好き』

YAPOOS初期の3枚
『YAPOOS計画』
『大天使のように』
『ダイヤルYを廻せ』

これらはタイトルを見れば、
頭の中に歌が流れる機能が僕にはついている。

それにしても。

興味深い記述がたくさん。

たとえば、
僕は『ギルガメッシュ』という歌が好きなのだが、
この歌に関しては、

「これは二丁目のゲイの方に人気が高い」

なるほど。

ちなみにこの歌で僕が好きな箇所は、

♪憎悪と嫉妬で醜く化してどこまで落ちるの
 それでも離れられない

と、いかにもな言葉が並んだ後、

♪何年か前の秋 初めて会ってから

と、急に転じるところ。

ということで今、
『玉姫様』から『TOGAWA FICTION』までを順番に聞き返し、
もうすぐ出る最新アルバムを待っている。

自動改札のお仕置き

2016年12月03日 08時04分21秒 | コメディのかけら

夕方の渋谷駅。

男がまるで足を踏み外したかのように階段を落ちてきた。

「バカヤロー」

振り返りざま叫ぶ男は呂律があやしげで、かなり酔っているようだ。

酔って、足を踏み外したのか。

違う。

僕は目撃していた。
会社員風の男が酔った男を突き飛ばしていたことを。

なぜそんなことをしたのかわからない。
酔った男が絡んできたその腹いせかもしれない。
理由はわからないが、あのまま転倒していたらケガをさせていたはずだ。
無茶なことをする。

酔った男より一見まともに見えるが、
実は荒くれ者である会社員風の男に興味が湧き、
どんな奴か見てやろうと足を速めると、
自動改札のところで男に並んだ。

しかし・・・

自動改札のゲートが男を阻んだ。

男はICカードの読み取り部分にスマホを当てているが、
その部分が赤く光り、ゲートが開かない。

もう一度、やり直す。
やはり開かない。
もう一度。
開かない。

何度もスマホを押し付けているさまは、
遠目に見ても、かなりマヌケだ。

結局、他の自動改札から出ていた。

まるで自動改札がちょっとしたお仕置きをしたようだった。