奇妙な正義感

2015年12月28日 10時51分13秒 | コメディのかけら

平日夜10時の小田急線新宿駅。

発車前の車内で、
若い女性客がケータイで友人と話している。
近くに立つ僕にも話の内容はほとんど聞こえてこないほどの、
控えめな声で。

ドアが閉まり、電車が動き出した。
その途端、ドアを挟んで彼女の向かいに立つ若いスーツ姿の男が、

「電車の中ですから」
と注意をした。


そしてすぐさまスマホの中に没入する男。
その背後では、電話の彼女の数倍も大きな声で酔客が話しているが、
もちろん、彼は気にする素振りもない。

一連の出来事がとても奇妙なものに見えた。

そもそも、なんで電車の中ではケータイで話しちゃいけないんだっけ。

電波の問題は、もはや関係ない。
となると、話し声がまわりの迷惑になるから、ということだが、
日中の静かな時間帯ならともかく、
大声で話す酔客が溢れている時間帯となるとその前提も危ういものとなる。

電車の中でもケータイの通話をOKにすればいいとは思わない。

だが、ルール(今回の場合はマナーだけど)に外れているから絶対的な悪、
と得意げに正義感を振りかざすその姿が、
僕には怖いものに見えるのだ。