表紙といいタイトルといい、
普段ならば手を出すことはない本だ。
それなのに読んだのは、
書評家の目黒孝二さんが激賞していたからである。
確かに心つかむ導入だった。
同時に「これは映画になりそうだ」と思い、
「すでにどこかが映画化権をとっているだろう」と思った。
しかしその考えは大きく間違っていることに、
小説の半ばで気づいた。
これは絶対に映画化できない小説だ。
これ以上書くとネタバレになる。
興味のある方はお読みくださいとしか言いようがない。
そこにあるのは、
小説でしかなしえないおもしろさだ。
小説でしかなしえないエンターティメント。
なんとも貴重な読書だった。